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「宗像明将の現場批評〜Particular Sight Seeing」第38回 『寺嶋由芙 生誕ワンマンライブ 〜夏色のゆっふぃー〜 Supported by japanぐる〜ヴ(BS朝日)』

寺嶋由芙はソロアイドルの夢を背負うーー26歳のバースデーワンマンに感じた期待

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 寺嶋由芙が、ディアステージとテイチクエンタテインメントに移籍してリリースした2枚目のシングル『わたしを旅行につれてって』が、2017年7月11日付のオリコンデイリーCDシングルランキングで9位に初登場したことには驚いた。もちろん現場を見ていて新しいファンが増えたことは感じていたが、まだまだグループアイドル全盛の2017年に、ソロアイドルがデイリーとはいえベスト10に入って過去最高位を更新したことは、ちょっとした快挙だった。

 寺嶋由芙のデイリー9位は、前述のように新しいファンの増加を現場で見ていれば決して意外ではなかったとも言える。しかし、当然のことだがひとりで活動しているのがソロアイドルだ。心身にかかる負担も大きいことは想像に難くない。寺嶋由芙のデイリー9位は、グループアイドル全盛の状況でも4年近くに渡ってソロアイドルとして活動を続けてきた意志の強さに、結果がついてきたのだとも言えるだろう。

 2017年のアイドルシーンは、活動を続けるだけでも大変な状況だ。そして、ソロアイドルが求められるのは心身の負担に耐えることだけではない。キャラクターの強度もまた重要なポイントだ。

 そして、それを乗り越えたのが寺嶋由芙だった。

 前置きが長くなった。『わたしを旅行につれてって』のリリースに先立って、2017年7月8日に寺嶋由芙のワンマンライブ『寺嶋由芙 生誕ワンマンライブ 〜夏色のゆっふぃー〜 Supported by japanぐる〜ヴ(BS朝日)』が開催された。 タイトル通り、この日は寺嶋由芙の26歳の誕生日だった。

 会場には、多数の紫のハッピを着た「ゆふぃすと」(寺嶋由芙ファンの総称)が。このハッピは受注生産商品で、注文が多すぎて生産が追いつかない状態になったほどだ。さらに『わたしを旅行につれてって』のカップリング曲は、曲名通りの音頭である「夏n’ ON-DO」。ハッピと音頭が揃ったことで、満員の会場は自然と「祭り」の空気に満ちていた。

 そのため、開演前からゆふぃすとのテンションが異常なほど高く、怒号のような「ゆっふぃー(寺嶋由芙の愛称)」コールが起きたかと思えば、ロート製薬のCMソング(後述するが「夏色のナンシー」を寺嶋由芙がロート製薬のCMで歌っている)、さらには東京音頭や阪神タイガースの「六甲おろし」など、節操のない大合唱が起きており、「開演前に疲れはてるのでは?」と心配になるほどだった。

 そして会場が暗転して大歓声が起きると、始まったのは三味線と和太鼓の演奏だった。津軽三味線は、寺嶋由芙のレコーディングやライブにも参加してきた「キラキラシャミセニスト」の川嶋志乃舞。和太鼓は「和太鼓アイドル」の桜りりぃだ。川嶋志乃舞の三味線に歓声が上がるのはいいとして、桜りりぃの和太鼓に「オイ! オイ!」という反応が起きたのには、「さすがアイドル現場だ」と妙に感心した。

 そして1曲目は「夏’n ON-DO」。怒髪天の増子直純作詞、上原子友康作曲による音頭だ。編曲は、寺嶋由芙やフィロソフィーのダンスで作編曲を手がけている宮野弦士。そして、増子直純と成瀬瑛美(でんぱ組.inc)がコーラスで参加している。

 増子直純のパートをゆふぃすとが叫んだり、フロアで音頭の振り付けが始まったりと、この日のライブは早くも特異な世界に突入。増子直純の代わりに「なんならスイカになりたいよ!」と叫ばれると、「そんなにスイカになりたいのだろうか……」と考えてしまうほどだ。

寺嶋由芙 / 「夏’n ON-DO」(2017年7月12日 発売「わたしを旅行につれてって」c/w曲)振付動画

 続く「オブラート・オブ・ラブ」では、生の三味線と和太鼓の演奏に合わせてMIXが打たれた。他ではまず見られない光景だ。

 寺嶋由芙がMCで「年に一度のゆっふぃーとゆふぃすとのお祭りへようこそ!」と言ったものの、寺嶋由芙には目もくれず桜りりぃに推しジャンをするゆふぃすともいて、寺嶋由芙がむくれる場面も。お約束である。

 3曲目では、寺嶋由芙きっての飛び道具「ゆるキャラ舞踏会」が早くも飛びだす。しかもこの日は三味線と和太鼓入りだ。そして、こぶしまる、こにゅうどうくん、ニャジロウ、ホヌッピーと、ゆるキャラが登場。寺嶋由芙とゆるキャラだけではなく、川嶋志乃舞と桜りりぃも演奏の合間に踊っていたのだが、ステージにゆるキャラが並んでいるせいでほとんど見えない。さらにゆふぃすとがMIXを打ち、和楽器、ゆるキャラ、MIXと「全部乗せ」にもほどがある光景だ。

 MCで寺嶋由芙が「ひとつ歳をとったので大人っぽく水を飲むよ!」と言って水を飲むと、「もう一回!」とよくわからないコールが湧きおこるなど、ライブは序盤から馬鹿馬鹿しいほどの祝祭感に包まれていた。

 4曲目の「いやはや ふぃ〜りんぐ」は、「寺嶋由芙 with ゆるっふぃ〜ず」名義で、寺嶋由芙がゆるキャラと2015年にリリースしたシングル。こぶしまる、こにゅうどうくん、ニャジロウ、ホヌッピーが踊り、さらに「いやはや ふぃ〜りんぐ」に参加していたゆるキャラのちょうせい豆乳くんがフロアから登場した。人間以外がステージにもフロアにもいる状態だ。

 この日のライブは、「わたしを旅行につれてって」をテーマにしており、寺嶋由芙を日本各地に連れていってくれるゆるキャラとコラボレーションをすることがコンセプトのひとつだった。秋田県秋田市のニャジロウは、2017年7月23日に秋田県で開催される『ナカイチ祭5 ヨジロック2017』で寺嶋由芙と共演するということで、寺嶋由芙とニャジロウで「猫になりたい!」を披露。

 こにゅうどうくんは、三重県四日市市のキャラクター。今年は三重県で『ゆるキャラグランプリ2017』が開催されるとのことで、2017年の第1弾シングルだった「天使のテレパシー」が寺嶋由芙とこにゅうどうくんによって披露された。

 ここでVTRが流され、この日会場に来られなかったゆるキャラのメッセージが流された。うなりくん、新にゃか、ふっかちゃん、かまたん、そしてちょうせい豆乳くんが登場したが、前述のようにちょうせい豆乳くんはしっかり会場にいた。ただの出たがりなのでは……。

      

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