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『SMAP×SMAP』放送終了に寄せて アイドルとバラエティの可能性広げた開拓史

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 SMAPの冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)が12月26日をもって、ファイナルを迎えることが発表された。1996年4月15日に放送を開始した『SMAP×SMAP』(以下、スマスマ)は、20年9ヵ月続いたテレビ史に残る長寿番組。その歴史は、SMAPメンバーの成長記録でもあり、アイドルとバラエティの可能性を広げた開拓史といえる。惜しまれつつ終了する番組への敬意を表して、その功績を振り返りたい。

おもてなしをするアイドルの誕生

 スマスマの名物コーナーといえば、第1回から現在まで続く「BISTRO SMAP」。それまで「かわいい」「カッコいい」とチヤホヤされるものだったアイドルが、ゲストのために手料理を振る舞い「おもてなし」をするという画期的な企画だった。

 今でこそ、高級レストランのような料理を作ってみせるメンバーだが、初期のころは悪戦苦闘する姿も多く、とくに草なぎ剛や香取慎吾は包丁の使い方もままならない状態からのスタート。テンヤワンヤな2人を料理が得意な旧メンバーの森且行や木村拓哉がツッコんだり、フォローしながら進めていくやりとりも微笑ましいものだった。慣れないながらも懸命におもてなしをする姿が、ゲストはもちろん視聴者をも楽しませようとする姿勢に通じていたように思う。

 オーナー役として、ゲストをエスコートしてきた中居正広は、今や日本を代表する名MCとなった。その基礎体力を身につけたのも、このコーナーによるものが大きいかもしれない。いつしかゲストも、芸能人のみならずプロスポーツ選手、政界人、そして海外の著名人も登場するほどに。「BISTRO SMAP」が現在まで続いてきたのは、SMAPのサービス精神の象徴だからではないだろうか。

アイドルのボーダーを超えたコント

 SMAPが「笑いが取れるアイドル」の先駆者となったのは、周知の事実だ。パイを投げ合ったり、水に潜ったり、金だらいを受けたり、本気でどつき合ったり……と、洗練されたアイドル像を次々に破り、ときには体を張って笑いを追及してきた。

 メンバーの個性を掘り下げ、名物キャラクターも次々に誕生。中居のマー坊に計算マコちゃん。木村のバッキー木村、ペットのPちゃん。稲垣吾郎のサンキューゴロー!に殿リーマン。香取はカツケンやニワさんなど人物パロディ、草なぎはデビールマンやスパイダーマンなどのキャラクターものを得意としてきた。

 また、トップアイドルでありながら躊躇なく女装姿も披露。木村、香取、稲垣が出た竹の塚歌劇団というコントを見返した際には、そのクオリティのの高さに中居が「(女役の)木村、キレイだよね」と感心したほど。美しいビジュアルと演技力を無駄遣いしているかのようなバカバカしさが、何ごとにも本気で取り組むSMAPだからこそ作れた新しい笑いだったのだ。

時代を越え、世界を繋いだ音楽コーナー

 番組の後半では歌とダンスで魅了してくれるのも、スマスマの魅力。これほど、しっかりと歌のコーナーを設けているバラエティ番組も、最近では類を見ない。SMAPのコンサートはファンの中でも、入手困難なことで有名だ。それでも多くの人がSMAPの歌に親しみを覚え、口ずさむことができるのは、スマスマがあったからではないだろうか。

 作詞・作曲を手掛けたアーティストとコラボレーションをしたり、マドンナ、スティービー・ワンダー、レディー・ガガなど、世界的なアーティストをゲストに迎え、スマスマだから実現するスペシャルなシーンがあった。マイケル・ジャクソンが世界で初めて、そして唯一出演したバラエティ番組でもある。

 また、2013年には生放送で50曲ノンストップライブを開催。デビュー曲から50枚のシングルを順に歌い上げ、その歴史を振ったのだ。この20年超、私たちの日常にはSMAPの歌が傍にあったのだと、噛みしめた瞬間だ。

      

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