『NIVEAブランド』2016年CMに異例の抜擢、ハモネプ出身シンガー村上佳佑の歌声が持つ“求心力”

『NIVEA』2016年CM曲のシンガーは誰?

 「まもりたい」から始まるサビが印象深い『NIVEAブランド』のCMソング。同CMには、これまでシェネル(2012年)、クリス・ハート(2013年)、三浦大知(2014年)、サラ・オレイン(2014年)、藤巻亮太(2015年)といった歌声に定評のある実力派シンガーたちが起用され、商品イメージの「まもりたい」「ふれあう」「つつみこむ」といったワードが取り入れられた歌を耳馴染みのよいメロディにのせて届けてきた。現在、2016年新CMが9月よりオンエアされているが、一聴して惹きつけられるその歌声にCMのクレジットをつい確認した人も多いのではないだろうか。今年の「まもりたい」に抜擢されたのは、デビュー前の新人シンガー・村上佳佑である。

 村上は、幼少期の5年間をアメリカ・ジョージア州アトランタで過ごし、R&Bやブルースをルーツに持つバイリンガル・シンガー。帰国後は中高卒業後、立命館大学へ進学。そして、大学在学中に結成したアカペラ・グループ「A-Z(アズ)」のメイン・ボーカリストとして2009年に『ハモネプリーグ』(フジテレビ系)に出演、番組史上最高の99.9点で優勝した実力の持ち主だ。その抜群の歌唱力から“けいちゃん”という愛称で親しまれ、ハモネプ時代から多くのファンが存在する。今回のCM放映開始以降、村上の歌声に気づいたファンたちが「ニベアのCMの歌誰歌ってんだ〜と思ってたら、A-Zのけいちゃんなんだ!」「A-Zのけいちゃん!ニベアのCMの曲歌ってる!何だか嬉しい!ハモネプの時から大好き」といった多くの驚きのコメントをSNSに投稿し、連日盛り上がりを見せている。

 『NIVEAブランド』のCMソングに新人の村上を起用した意図について、音楽制作会社・愛印の山田勝也プロデューサーは、「2016年ニベアソングは、音楽全体に『鮮度をもたらす』を目標に制作をしました。フレッシュで爽やか、かつ包み込むような優しい歌声、存在、パワー。村上佳佑さんからは、そんな鮮度あるアーティスト性を感じた」とコメント。また『ハモネプリーグ』出演時には、審査員だった武田鉄矢やつんく♂が、村上の歌声を「アマチュアの最高域」「ファルセットの魔術師」などと評価していた。短いCMでも聴くことのできるその美しい高音や包容力ある歌声には、聴く者を一瞬にして惹きつける求心力があるのだ。

 村上の歌声に反応しているのはお茶の間だけではない。現在、さまざまなシンガーたちが村上の歌声を評価し、次々と共演をオファーしている。クリス・ハートは2016年4月に行った日本武道館公演のオープニング・アクトに村上を抜擢。その縁から、10月19日発売のカバーアルバム『Heart Song Tears』収録のコブクロ「蕾」で共演、さらには10月15日からスタートする『第2回 47都道府県ツアー ~my hometown~』に全公演コーラスとして招き、村上はソロコーナーでの歌唱も行う。また、本年の4月から7月に行われたMay J.デビュー10周年ツアーの東京、大阪、名古屋の3会場にもオープニングアクトとして参加、さらには佐藤竹善(SING LIKE TALKING)のカバーアルバムや、avexからリリースされるディズニー公式クリスマスアルバムへの参加も決定しているという。プロのシンガーたちから認められ、ともにハーモニーを作り上げたいと思わせるその歌声が、今後音楽活動を行っていく上で大きな武器となることは間違いないだろう。

ニベア花王 ニベアクリーム 「まもりたい」篇 30秒CM

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