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さやわかの『Billboard Japan Hot100』チャート分析

LDH、キャラソン、Suchmos……“男性ミュージシャン”が席巻、勢い示した最新チャート

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 今週のランキング、つらつらと見ておりましてあれっと気付かされたわけですが、かなり男声ボーカル比率の多い顔ぶれとなっております。10位までで女声ボーカルは9位の藤原さくらだけであり、20位まで視野を広げてしかも混声のAAAを含めたとしても6つだけですか。これは実に男臭いランキングです。いや、何年か前まではヒットチャートはジャニーズが気炎を吐いている他は女性の独壇場みたくなっていたこともあったわけで、「結局のところ音楽ビジネスとは男性ファンが女性ミュージシャンにカネを貢ぐ歪んだ構造ですか」みたいな揶揄を受けたりしていたわけですが、ところがどっこい女性ファンが男性ミュージシャンにカネを貢ぐ構造も復調してきたわけで、男女平等たいへん喜ばしいことです。

 実際、近年は男性モノの音楽リリースが元気な状況ではあります。このランキングで見てもIDOLiSH7と刀剣男士team三条 with 加州清光という、まあいわゆるキャラソン的、いわゆる2.5次元的な楽曲がチャートインしておりまして、キンプリ以来このジャンルの昨今の伸び率のすさまじさを痛感するばかりであります。下手にいろんなところが似たような手法でCDリリースをやるようになってきたので、層として目立つようになってきたというか。まるで一時の女性アイドルシーンのようであります。

 また昨今の男声ボーカル分野では大黒柱と言っていいEXILE系の皆さんもATSUSHIさんとGENERATIONSさんがランキングに顔を見せております。なんかわりと報道でいろいろ言われているような気もしますが、事務所のLDHさんは若者たちのためにどんどんCDをリリースして、コンサートを開いていただければと思います。ファンの若者たちもそれを望んでいるのですから、それでいいような気もします。

 さて個人的に今週のランキングで注目したのは6位のSuchmosであります。これもまた男声ボーカルですが、アダルト感あふれるサウンドで最近わりと耳にするところであります。「ジャズ、ソウル、ヒップホップなどを融合させた」みたく説明されることも多いのですが、お前それ要するにアシッドジャズやんけと思うわけではありますが、やはりここでランクインしている楽曲「MINT」も、ブレイクビーツ感あるショートループのドラムに“泣き”なコードが絡みつく、中期以降のアシッドジャズすなわちガリアーノやジャミロクワイなんかをどこか想起させるところのある一曲となっております。夏に聴くには涼しげで、心地よいものであります。

 しかしまあ、こういうところで引き合いに出されるヒップホップという言葉は昨今『フリースタイルダンジョン』などで流行りのあれではないわけで、そういう意味では90年代当時のジャズとヒップホップが接近していく流れとは別モノではあります。今週のランキングでは20位に『フリースタイルダンジョン』でゲストライブも行ったAK-69が入っていますが、彼とてこういうバンドと積極的にコラボするようなスタイルではないわけで、そのへんはジャンルごとの断絶を感じるところであります。

     
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