kz(livetune)×佐藤純一(fhána)が語る、2016年の音楽コミュニケーション「最終的には現場での繋がりが大事」

kz・佐藤純一が語る理想の音楽

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「ライブも自分たちの音楽も、自分たちだけで作っているものではない」(佐藤純一)

ーー今回お互いにlivetune+とfhánaとして新作をリリースして、livetune+さんは6月5日に『SAKAE SP-RING 2016』が、fhánaさんは6月4日にツアー・ファイナルがそれぞれ控えています。お互いのライブの感想について教えてください。

kz:僕はまだ、fhánaのライブは観に行けてないんですよ。たぶん、お互いのライブはどっちも観てないですよね?

佐藤:livetune+のものは観られてないですけど、kzさんがDJをしているところは観てますよ。僕はDJって空気感を作り出す仕事のような気がしていて、まったく同じ選曲で、同じ流れで繋いでも、そのDJがどういう立ち振る舞いをしているかによって印象がだいぶ変わってくると思っていて。

kz:今はそこがすべて、という部分はありますね。

佐藤:だから、DJブースですごいオーラを出している人だからこそ、盛り上がったり感動したり出来るんだなというというのを、kzさんのDJを観ていて感じるというか。バンドの場合、演奏だけに比重を置いて、パフォーマンスに意識が向かない部分もあるんですよ。だから、「もっとこういう風に盛り上げられたらいいな」と。そういうことを、kzさんのステージを観て感じています。

kz:それは嬉しいです。色々なバンドを観ていても、よくないライブって演奏がどうこうよりも、「かっこよくない」ってことだと思うんですよね。DJの場合はそもそも曲が流れているという状況がみんな一緒なので、そこをより意識している部分はあるんですよ。『ボカニコナイト-VocaNicoNight-』の時なんてまさにそうで。

ーーlivetune+としてのライブでは、やのさんとパフォーマンスについてどのように意識を共有しているのでしょうか。

kz:そこは他のユニットやバンドと比べても、まだまだ考えていかなければいけないことは沢山あるというか。でも、やのは「何かやらかしてくれそう」な雰囲気を持っているので、これから一緒に成長出来たらいいなと思います。僕はライブってストーリーが重要だと思うんですよ。途中で音が止まったりするようなトラブルもそのひとつだと思いますし、二次元のアイドルがエモいのも、「色々あってドームに辿り着きました」というストーリー性があるからで。それこそ、fhánaだって、初期のライブと今のライブって違うはずで、お客さんはそこにストーリー性を感じているんじゃないかな、と。「あの時は動きが硬かったけど、今は超かっこいいよね」みたいなことも含めてバンドへの愛になっていくと思うので(笑)。僕らもそういうものを作れるように頑張りたいんです。

ーーfhánaの場合はどうでしょう?

佐藤:ライブにしろ、自分たちの音楽にしろ、自分たちだけで作っているものではないというか。お客さんや、作品を作る過程で関わってくれたスタッフの反応があって、それが次の作品に繋がっていくので、「こういう風にしたい」というよりは、みんなで作った結果が「こうですよ」ということを分かち合う場所になればと思っているんです。もちろん、セットリストや、こんなパフォーマンスをしようということは考えてはいますけどね。

ーーでは最後に、もしも今後kzさんと佐藤さんで何かコラボレーションをするとしたら、どんなことをやってみたいですか?

kz:僕は、バンドと一緒にライブをしてみたいんです。ユニットとしてライブに出演する際、相手がバンドだと、サウンドも全然違うからすごく難しくて。でもfhánaって、その中間に位置している、どっちにもいるようなイメージがある。だからライブも共作もやりやすそうな印象があるんですよ。何かしちゃいます?(笑)。

佐藤:イベントもやりたいですけど、Aメロは一方が作って、サビはもう一方が作る(=コライト:共作)、みたいなことをやってみたいですね。今まで共作の際には「誰かが作曲して、誰かがアレンジして、誰かが作詞して」ということが多かったんですけど、それだと普通なので。

ーーそれを、アニメのタイアップで出来たら最高かもしれませんね。

kz:そのためには色々な問題がありますけどね(笑)。でも、もっと自由であるべきだという風には思います。たとえばEDMシーンだと、10人で曲を作ったりもしているわけで。

佐藤:ハリウッドでも1つの映画の脚本を何人もの人が書いていたりもしますし。1人のカリスマが作るよさもあるけれど、それはそれで面白そう。

kz:1人のよさは色んな人がさんざん提示してくれているので、そうやってまた新しい形が出来てもいいかもしれないですね(笑)。

(取材・文=杉山仁/撮影=竹内洋平)

【livetune+】
■リリース情報
『Sweet Clapper』
発売:2016年5月11日
価格:¥1,800(税込)
※初回限定盤にはボーナストラックが収録
<収録曲>
1. Restart
2. Sweet Clapper
3. Milky Rally
4. そふとたっち
5. スローペース
6. Jump Up
7. Darling Darling
8. Dance Beat Step <初回限定盤のみ収録>

■ライブ情報
「Eggs presents SAKAE SP-RING 2016」
6月5日(日) 名古屋・栄一帯のライブハウス&クラブ
詳しくはオフィシャルWEBサイト

■livetune+ オフィシャルサイト
http://livetuneplus.com/

【fhána】
■リリース情報
『What a Wonderful World Line』
発売:4月27日(水)
価格:初回限定盤(CD+Blu-ray) ¥3,600 (税抜価格)+税
   通常盤(CDのみ) ¥3,000 (税抜価格)+税

<CD収録内容>
01. The Color to Gray World
02. What a Wonderful World Line
03. ワンダーステラ
04. Relief
05. little secret magic
06. Antivirus
07. 虹を編めたら
08. Critique & Curation
09. c.a.t.
10. Appl(E)ication
11. 追憶のかなた
12. ホシノカケラ
13. コメットルシファー ~The Seed and the Sower~
14. gift song

<Blu-ray収録内容>
-MUSIC VIDEO-
01. What a Wonderful World Line
02. 虹を編めたら
03. コメットルシファー ~The Seed and the Sower~
04. ワンダーステラ

-リスアニ!LIVE 2016 LIVE映像-
05. 虹を編めたら
06. コメットルシファー ~The Seed and the Sower~
07. divine intervention
08. 星屑のインターリュード
09. Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~

■ライブ情報
『What a Wonderful World Line Tour 2016』
6月4日(土) 東京・Zepp DiverCity(追加公演) OPEN 17:00/START 18:00

■オフィシャルサイト
http://fhana.jp/

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