特撮、メンバー全員が語るバンドの成熟「みんなで音を出せば、ちゃんと特撮の音になる」

特撮メンバー全員が語るバンドの成熟

「発見があっておもしろかった」(大槻ケンヂ)

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大槻ケンヂ

ーー僕は少し前にVOGUE JAPANという雑誌の「アラフィフミュージシャン特集」みたいな企画で、大槻さんにインタビューさせていただいたんですがーー。

大槻:ああ、ありましたね。

ーーその時大槻さんは、自分がやっているのはラウドロックだから、歳をとっていきながらやり続けるには向いていないジャンルなんだ、とおっしゃっていて。

大槻:そう、そうなんですよ。今回のアルバムで思ったのが……最終的にはラウドロックではあるんだけれども、ボーカリストとしてきついっていうところじゃない部分での、ハードさを出してもらった気がするの。そこはとってもうれしかったですね。

NARASAKI:そうですね。めずらしく……自分はけっこうデモの時点で作りこんでいくことが多いんですけど、「人間蒸発」っていう曲は、「譜割り・文字数などはおまかせします」みたいな、わりとふんわりとした感じで歌詞をお願いして。それでおもしろくなったな、大槻さんの文才とかかっこいいところがけっこう引き出せたな、うまくいったなと思っております。

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NARASAKI

大槻:あと、僕はアーリーの作ってきた曲が……リズム主体の曲じゃない? だから、これにどういうふうに詞をのせようか、すごい悩んだんだけど……でも個人的には、「中古車ディーラー」とか、うまいこといったなあと思って。つまり、ガーッときてガーッと終わる曲だから、「どうしよう?」と思ったんだけども……テレビ東京で、昔、昼間にやっていたガーッときてガーッて終わる、70年代のアメリカのB級映画。あれでいこうと思って。

ARIMATSU:(笑)へえー。

大槻:ナッキーはいろんな人に曲を作ったりしてるので、曲を聴くとなんとなくわかるものがあるんだけれども、アーリーの曲は「どうしよう?」っていう。そこで、自分の中で発見があっておもしろかったですね。エディ(三柴)の曲も、根本がクラシックだから、すごくね、歌詞作るのが難しいのよ! すごい壮大に曲が展開するから、「どうしよう?」って。それが今回おもしろかったなあ、「旅の理由」って曲で。あ、あの曲の間奏で「ライト、レフト、ライト、レフト」ってエディの声が入ってるじゃない? あれはその場で言ったんだよね?

三柴:うん。仮歌の時にポッて出て。

大槻:それがOKになってて、あれはおかしかった。

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三柴:誰にもダメって言われなくて。あれは……『モンティ・パイソン』が終わったあと、そのメンバーが始めた『リッピング・ヤーン』っていう番組があって。その番組の中で、「過剰にサービスするホテル」みたいなのがあって、客に「このカーテンはこういうふうに開きますよ。ライト、レフト、ライト、レフト」ってずっとやってて「バカにすんなよ!」って怒られる、っていうギャグがあるんだけど。それを急に思い出しちゃったんじゃないかな、と思う。

大槻:ええっ? そうなの? ていうか、エディ、『モンティ・パイソン』好きなの?

三柴:うん、イギリスの笑いのものはけっこう観てる。

大槻:そうだったのか! いやあ、こういうので初めて知るねえ。30年以上の付き合いだけど知らなかった(笑)。

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