AKB48の「365日の紙飛行機」が持つ、新たな代表曲としてのポテンシャル

参考:2015年12月07日~2015年12月13日のCDシングル週間ランキング(2015年12月21日付)

 今週のシングルランキングは、1位にAKB48の『唇にBe My Baby』、2位にEXILEの『Ki・mi・ni・mu・chu』、3位に防弾少年団の『I NEED U(Japanese Ver.)、4位に氣志團『我ら思う、故に我ら在り』、5位に愛乙女★DOLL『Heatup Dreamer』という結果となった。

 ジャニーズ系のグループのリリースがなかったこの週。1位と2位には、ともに今のJ-POPシーンを代表する巨大グループの「本店」であるAKB48とEXILEが並ぶ結果となった。

 複合型チャートの「Billboard JAPAN Hot100」でも、やはり1位はAKB48「唇にBe My Baby」、2位はEXILE「Ki・mi・ni・mu・chu」となっている。この2曲が2015年の年の瀬の日本を賑わせた2曲と言えそうだが、実はもう1曲、オリコンチャートの結果からは決して見えてこない重要なヒット曲がある。

 この記事では、その曲である「365日の紙飛行機」について分析していきたい。

 「365日の紙飛行機」は、AKB48のシングル『唇にBe My Baby』にカップリングとして収録された1曲だ。しかしこの曲の持っているポテンシャルはとても大きい。カップリングに入れてる場合じゃない、と正直思ってしまう。この曲がシングルのリード曲としてリリースされ、紅白歌合戦も含めて大々的に露出とプロモーションがなされていたら、次なるAKB48の代表曲となる可能性だってあったと思う。

 もちろん、その大きな理由は、この曲がNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌としてオンエアされていること。

 放映当初から『まれ』や『マッサン』などここ最近の朝ドラを超える好評を集めていた『あさが来た』は、12月に入って視聴率27.2%を記録。『花子とアン』『あまちゃん』の最高視聴率を破り、2010年代を代表する作品としての実績を固めつつある。その主題歌であるということは、ファン以外の一般層への訴求力がとても高い、ということだ。

 AKB48にとっても、「恋するフォーチュンクッキー」以降の国民的ヒット曲を生み出すことがグループ全体の大きな課題だった。

 カラオケJOYSOUNDの年間ランキングを見ていくとそのことは一目瞭然だ。2011年と2012年は「ヘビーローテーション」が1位。2014年には「恋するフォーチュンクッキー」が2位となっている。ここ2曲は間違いなく日本の人口に膾炙した正真正銘の国民的ヒット曲だった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「チャート一刀両断!」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる