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小野島大の新譜キュレーション 第1回

ケミカル、T・ラングレン、DJ NOBU、VILOD……今聴くべきテクノ~エレクトロニカ系新作は?

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 今回から不定期連載で内外の新譜を紹介することになりました。ストリーミング型音楽配信時代の到来でキュレーションやリコメンドの重要性が再認識されているわけですが、膨大な量の音源がメジャー/インディ、有料/無料問わずあふれかえっている状況で、情報の渦に埋もれてしまいがちなちょいマイナーなものを中心にご案内したいと思います。邦洋ジャンル国内盤輸入盤は問いません。ここ2ヶ月ぐらいの間に新譜としてリリースされたものを紹介しますが、場合によっては再発盤も扱うかも。基本的にレコード店やネットショップなどで誰にでも買えるものを選びます。第一回の今回はテクノ~エレクトロニカ系から。すべて発売済です。

 6~7月のテクノ系新譜ではベックやセント・ヴィンセントが参加し、最高傑作と断言したいほど密度の濃いザ・ケミカル・ブラザーズの新作『ボーン・イン・ザ・エコーズ』が超目玉ですが、この欄でまずおすすめしたいのは、DJ NOBUのミックスCD『Nuit Noire』(BITTA / OCTAVE-LAB/ Ultra-Vive)です。千葉県出身のテクノDJ、これが2年ぶり3枚目のミックスCDです。ネット上に有名/無名DJ問わずフリーのミックス音源が溢れかえっている現在、あえて有料のミックスCDを出すのは大きな意味があります。ひとつひとつをとってみれば「部品」に過ぎない楽曲がDJ NOBUの手によって自在にミックスされ血が通い、80分弱の深遠にして壮大なストーリーをもった音世界として再構成される。ディープでサイケデリックな<電子音楽をめぐる壮大な物語>を紡いでいた前作に対して、今回はダンス・フロアよりにシフトした作りになっていますが、日常からかけ離れた別世界に飛ばされる感覚は変わりません。ハードでダークな音ですが、集中して聴くうちに脳内に妄想が広がって止まらない感じ。圧倒的な空間構成力、そして緩急起伏に富んだ物語を語り尽くすストーリーテリングの力。おそるべき技術と作家的腕力です。間違いなくテクノDJミックスの世界最高水準でしょう。

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