乃木坂46、グループ史に残る“転機“とは? 2周年記念ライブ映像から振り返る

 乃木坂46が、6月17日にライブ映像作品『乃木坂46 2nd YEAR BIRTHDAY LIVE 2014.2.22 YOKOHAMA ARENA』をリリースした。同公演は、グループの歴史を語る上で欠かすことのできない大きな意義をもつものであり、ファンにとっては文字通り「待ちに待った」映像化といえる。今回は同作品の紹介を通して、『2nd YEAR BIRTHDAY LIVE』の魅力と意義を紹介していく。

ステージセットで楽しむ

 今年の2月に『3rd Year Birthday Live』はすでに行われているが、だからといってこの『2nd Year Birthday Live』が楽しめないということは全くない。この3年間のバースデーライブは、それぞれ違うステージセットになっており、そこに注目して映像を見るのもまた一興だ。

 2013年、幕張メッセで行われた『1st Year Birthday Live』はエンドステージであり、花道もとくになかった。『3rd Year Birthday Live』が行われた西武ドームでは、エンドステージを基本として十字に花道が伸び、中央とそれぞれの花道の先端にステージがあった。では、『2nd Year Birthday Live』が行われた横浜アリーナはというと、センターステージをメインとして360度を観客が囲むセットだった。メンバーの後ろには、映像のスクリーンもなければ美術セットもなく、あるのは大勢の観客とペンライトの海である。そのため、大半の楽曲で映像との連携に頼らない演出が数多く見られた。

 また、『2nd Year Birthday Live』で改めて注目したいステージは、センターに設置されたケーキ上のリフターだ。円状のリフターは3層になっており、そのアップダウンをうまく使ってメンバーが登場したり、入れ替わったり、見せ方を変えたりしているのが、映像ではより明確に楽しむことができる。

 照明に関しては、アイドルのライブであるため、基本的には彼女たちの表情が見えやすいようになっているが、「制服のマネキン」や「世界で一番孤独なLover」などではカラフルな照明やレーザー、花道に仕込まれた電飾を使ってパフォーマンスを盛り上げていたほか、「他の星から」の曲中には映像を映す幕が登場し、「扇風機」「コウモリよ」と異なるジャンルが続く6thシングルブロックをそれぞれに表現していた。

メンバーが見せるライブでの顔

ライブの楽しみといえば、メンバーが見せる普段とは異なる表情や仕草も外せない。

 「ライブではイケメンになるんです」と自負する生駒里奈の表情は凛々しく勇ましい。当時は彼女がライブでの煽りの大部分を担い、キャプテン桜井玲香とともに進行も行っていた。その後、彼女がライバルグループであるAKB48との兼任を経験し、さらにパワーアップしていく前の姿を見ることができる。兼任活動を経ての『3rd Year Birthday Live』では、彼女の姿がグループの意識に影響を与え、パフォーマンスのレベルを一段上げていたりするので、そこを比較して見てみるのも面白い。また、普段はバラエティー担当の高山一実も、ライブの際には、彼女の尊敬する昭和アイドルのような輝きを放つ。彼女はそのジレンマに悩んでいるようだが、その二面性を持ち合わせることができることが一つの才能だと思う。

 クールなイメージのある橋本奈々未も、ライブでは異なる表情を見せる。不意にキュートな仕草をしてみたり、アイドルスマイルで可愛さを爆発させたり、とライブ中の彼女は目が離せないが、そのポイントが映像にしっかりと収まっている。

 さらに、ライブパフォーマンスの評判の高いメンバーを、この機会に改めて見ることができるのもありがたい。グループ随一のダンス力を持つ川村真洋が、トークコーナーで披露するソロダンスは見る価値があるし、中田花奈が持ち味としている、キレのあるダンスも艶っぽく素晴らしい。会場のスクリーンでは、やはり福神メンバーが抜かれることが多かったが、映像化によって多くのメンバーがピックアップされているのは嬉しい限りだ。

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