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3rd EP『DOWNBEAT』インタビュー

小林太郎が探る、新たなサウンドと表現方法 「挑戦したかったし、振り切ってみたかった」

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 90年代オルタナ/グランジや、ワイルドで馬力のあるハードロックを蘇らせるようなギターを奏で、パワフルに骨太な歌声を響かせる小林太郎。煮え滾った熱いヴォーカルや、観る者を惹きつけるエネルギッシュさと、ヒリヒリと空気を震わせるライヴ・パフォーマンスで、ROCK IN JAPAN FESやSUMMER SONICなどのフェスのステージも沸かせるその姿は貫禄たっぷりだが、じつは平成生まれの24歳という若さ。そしてよくしゃべり、屈託なく笑い、周囲を楽しませる人でもある。1年ぶりのEP『DOWNBEAT』は、そういった彼の柔軟さやエンターテイナーとしての一面がより表に出た作品だ。四つ打ちやループ感のあるダンス・ビートをバンド・サウンドで貪欲に昇華し、キャッチーなギター・リフとともに体を揺さぶって、快楽を加速していく。重厚なロック・サウンドの醍醐味とジェットコースターのようなスリリングなスピードでもって、一気に熱狂の渦へとダイヴさせる会心の作。新たなモードへと大胆に舵を切ったその心意気を訊いた。

「歌とギターは一緒にやってるけど、俺のなかでは別のもの」

――1年ぶりとなる3rdEP『DOWNBEAT』が完成しました。今回はこれまでと雰囲気が変わって、ダンス・ビートが軸となった作品になっていますね。

小林太郎(以下、小林):これまではロックな要素が多くて、曲でもライヴでも熱いエネルギーが宿っている作品が多かったんですけど。それはそのままに、クラブ・ミュージックの要素を入れたいなと思って。ライヴで自然に踊れるような、知らない人でも楽しめるものがほしかったんです。だから、クラブ・ミュージックの要素をできるだけ曲に取り入れていって。

――意識的に取り込んでいったということですね。

小林:そうですね。そうなると楽器もちがってくるじゃないですか。ロック・バンドだったら、ギターとベースとドラムだけでいいんですけど、クラブ・ミュージックではシンセサイザーとかいろんなデジタルなサウンドがあって。自分は全く触れたことがないわけではなかったけど、操れるまではいかなかったので。それができるプロデューサーやエンジニアに相談しながら、新しい楽器を入れつつ作った感じですかね。

――これまでの作品では90年代オルタナの匂いがあって、恐らくサウンドの背景には90年代のバンドの影響も見えるんですが、テクノであるとかクラブミュージックにも触れてはいたんですか。

小林:聴いてたんですけど……聴いていたと言ってもケミカル・ブラザーズとかプロディジーとか。

――ロック寄りですね。

小林:ビッグビートっていう感じなんですよね。クラブのDJの人たちがロックのノリを取り入れた、みたいな。その感覚を自分でもやってみたかったんですよね。ロックも入ってるしクラブのノリも入ってる折衷感はずっとやってみたいと思っていたので、今回タイミングよくできてよかったですね。

――改めて小林さんの音楽の背景を伺っていきたいんですが。まずソロのアーティストとして、ヴォーカルのパワーやスケール感を持った歌い手であると同時に、すごくギターの醍醐味も持ったギタリストでもあると思うんです。そのバランスは、どうとっているんですか。

小林:とっているつもりは実はなくて。ギター・ソロは全然弾かないんですよ。何曲か弾いてる曲はあるんですけど、ギター・ソロも弾いて歌も歌ってとはあまり思わなくて。ギターは支えてる感じっていうんですかね。よく言ってるのは、X-JAPANで言ったらPATAみたいな(笑)。あの立ち位置がすごい好きなんですよね。

――でもバッキングだけに徹するタイプじゃないですよね?

小林:そうなんです。ギター・ソロは弾きたいと思わないだけで、簡単で目立つフレーズは弾きたい(笑)。リフがすごい好きなんですよね。ロックなリフってかっこいいじゃないですか。しかも、繰り返しかっこいいリフを弾いているっていうのがすごく好きで。それもあってかクラブ・ミュージックも好きだったんですよね。

――ああ、なるほど。

小林:クラブ・ミュージックって、同じフレーズをいろんなアプローチでとらえていって、段々と盛り上がっていくというもので、リフにもそういうイメージがあったので。たぶん歌を歌うだけだったら、曲作りには気持ちが向かなかったと思うんですよね。最初は自分で曲を作るというよりも、歌手になりたいと思っていたんです。ケミストリーをずーっと歌っていて、俺もいつかケミストリーみたいになるんだって思ってて(笑)。中学生くらいでBUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとかELLEGARDENを知って。曲を作ればギターも弾くわ、しかもきゃーきゃー言われてるわなんて、いいことしかないですよね(笑)? あとはもともとデザインするのが好きだったんですよ。曲作りも大きく言えばデザインというか、もの作りじゃないですか。そこが自分にはまったのかなと思いますね。

――もの作りっていうのはどういう?

小林:何でもよかったんです。授業の工作でも、空き缶を使ってアートをでもいいし。絵を描くのも好きで。意外とそういうことで賞をとったりしていたんですよ。自分に才能があるとは思わなかったんですけど、好きな音楽でもの作りをするっていうのが新しかったんですよね。だから、歌とギターは一緒にやってるけど、俺のなかでは別のもので。歌だけだったらギターはやらなかったと思うし、でもギターで曲を作りはじめると、「歌のうまさ」って価値が薄れると思うんです。自分で曲を作って歌を表現するときって、歌がうまいんじゃなくて、歌がいいことが大事であって、自分の歌い方で歌わないといけないじゃないですか。いつも、ギター弾いてなかったらもっと歌えるのになあとか思ったりもするんですよね(笑)。でも、バンドで、ドラムがガシャンガシャン鳴って、両サイドでベースもギターも鳴っていて、それだけでもうるさいのに自分もギターが大好きだから、自分のギターがいちばんデカく出てて、歌が聞こえないっていう(笑)。

――でもそれが気持ちがいいと。

小林:そう、音が聞こえなくてもギターが出てるから気持ちいいなって(笑)。ライヴだったら、キレイに歌うより、熱く歌うというか、叫んだり、それが楽しいわけじゃないですか。だから、曲作りをはじめた時点で「歌手」の方向にはいけないなと思った。でも歌がうまい人、大好きなんですよね、ゴスペラーズとか。だから、たまにカラオケに行って歌うとすごく気持ちいい(笑)。

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