SEKAI NO OWARI、新アルバムが初週24万枚突破! 驚異的セールスの背景は?

参考:2015年1月12日~2015年1月18日のCDアルバム週間ランキング(2015年1月26日付)(ORICON STYLE)

 元旦に発売されたE-girls、そのあとは自己最高初動を売り上げた乃木坂46の新作と、BABYMETALのライブ盤が次々とチャートに送り込まれてきたが、どれも「2015年の音楽シーン」と直接結びつけて語るべき作品とは言い難かった。が、新年3週目にしてようやく来ました。SEKAI NO OWARI。待望のニューアルバム『Tree』は初登場1位にして247,964枚のセールス! 快哉を叫んでいるのは本人たちだけではないだろう。

 平成生まれの若者たちのサウンドトラックとして、あるいは恋人たちのファンタジックなムードを高めるBGMとして、今現在のセカオワが「最も求められている流行歌」の担い手であることは間違いない。私個人でいえば彼らの音楽に興奮はしないけれど、しかし気づけば「Dragon Night」がどうしようもなく頭にループしている、なんてことはよくあって、楽曲の魅力に抗うのはなかなか難しいと感じている。ヒット曲を揶揄する言葉として「毒にも薬にもならないポップス」というものがあるが、セカオワの場合は、毒(=中毒性)が強いうえに薬(=癒やし)にもなるポップスなのだ。

 それは、もともとロックバンドとして始まった彼らが、意識的にシーン(あるいは普通のバンドという見られ方)から距離を起き、積極的にテレビに露出したり、自分たちの野外カーニバルを作り上げることで手にしたポジション。裏で絵を描くプロデューサーの存在は見当たらない。この数年間「AKBかジャニーズ以外は売れませんよ」と諦め顔で話していた音楽関係者はおしなべてセカオワに新しい希望を見出すだろうし、同業ミュージシャンなら尚のこと。自分たちのアイディアと戦略次第でシーンは動く!という現実を若いバンドマンが目の当たりにするのは久々のことだ。もっとも、そこに続く若手の増加が、典型的ロックバンドのスタイルから離れる動きを加速させていくことは必然かもしれないが。

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