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ゲスの極み乙女。の新作における、ちゃんMARIの重要性とは? 鍵盤を使った若手バンドも紹介

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 2014年のバンドシーンにおいて、いや、広くJ-POPシーンにおいても、下半期最大の話題作のひとつと言っていいであろう、ゲスの極み乙女。(以下、ゲス乙女)のファーストフルアルバム『魅力がすごいよ』。キャラクターも、音楽性も、それぞれ特徴的な4人のメンバーの個性ががっちりかみ合って生まれたこの傑作について、本稿ではキーボード担当のちゃんMARIをフィーチャーし、アルバムの持つクラシカルな側面を解析。さらには、ゲス乙女とも通じる、鍵盤奏者を含む注目バンドを紹介していく。

 まずは、ちゃんMARI自身のプロフィールを簡単にご紹介。4歳からクラシックピアノを始めたちゃんMARIは、短大の音楽科作曲コースに進学して、音楽理論を学ぶ一方、ジャズピアニストにも2年間師事し、クラシックとジャズの双方を体得。また、2005年にはジャズのピアノトリオをベースとしたCrimsonを結成し、作曲も自ら担当。このバンドでの活動を通じて、indigo la Endとして活動していた川谷絵音と出会い、2012年のゲス乙女結成へとつながっていった。彼女は絶対音感の持ち主であり、学生時代には日本を代表するドラマーである村上ポンタ秀一とのセッションを経験するなど、音楽的には天才肌であると同時に、そもそも「ゲスの極み乙女。」というバンド名は、彼女の持っていたトートバックに書いてあった言葉からつけられたもので、謎の決め台詞「コポゥ!」も含め、かなりぶっ飛んだセンスの持ち主でもあることも伺える。

 では、実際にアルバムを見ていくと、川谷が本作について「裏テーマはクラシック」と語っているように、クラシック育ちのちゃんMARIの素質が作品全体に大きく影響していると言えそう。それが明確に表れているのが、クラシックの名曲をモチーフとした「列車クラシックさん」と「サリーマリー」の2曲。タイトルからしてそのままクラシックな「列車クラシックさん」は、ラベルの「水の戯れ」がモチーフになっていて、前半は「ガタンゴトン」という声と共に、ピアノやギターノイズがエディットされ、後半はちゃんMARIによる独奏が堪能できる一曲。また、「サリーマリー」は、ニューウェイヴなシンセのリフが印象的だが、ラストは一転してショパンの「子犬のワルツ」に変わるというトリッキーな一曲で、間奏でもキーを変えた「子犬のワルツ」が挿入されるなど、小技も効いている。

 そもそも、彼らの初期の代表曲「キラーボール」でも、間奏にショパンの「幻想即興曲」が挟まれていたように、クラシックの引用は既にバンドの持ち味のひとつ。この曲がライブで披露されるときの、真剣に演奏するちゃんMARIをメンバー3人が取り囲んでおちょくるという絵も、もはやファンにはお馴染みだ。クラシックのエレガントさと、決して堅苦しくはならない遊び心を持ち合わせていることが、いわゆるギターロックのバンドとは一線を画す、彼らならではの魅力になっていることは間違いない。

      

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