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ニューアルバム『Fancy』インタビュー

Curly Giraffeが語る、楽しみながら曲を作る方法「音楽が好きというエネルギーが今も動機に」

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 高桑圭のソロユニット=Curly Giraffeが前作 『FLEHMEN』から2年半ぶりのニューアルバム『Fancy』を8月6日にリリースする。豊かな音楽知識を背景に、楽しみながら曲を作るのが彼の創作スタイルだが、本作ではその自由さゆえに、作品の落としどころを見失った時期もあったという。じっくりと時間をかけて作り上げた本作で、Curly Giraffeが見出した“鳴らしたい音楽”とは? その音楽的ルーツから現在の創作作法まで、じっくりと答えてくれた。聞き手は音楽評論家の岡村詩野氏。(編集部)

「その瞬間瞬間にやりたいことがあって、それが変化していく」

――05年にファーストEPをリリースしていますので、Curly Giraffeは構想段階などを入れると既に10年のキャリアになりますね。当初からこうした息の長い活動を想定されていたのでしょうか?

高桑圭(以下:高桑):いやいやいや、もう、全くそんなつもりじゃなくて。ファーストアルバムを出して終わるはずだったんです。ソロをやりたいって気も全然なかったんだけど、知り合いのレーベルの方が「曲があるなら出してみないか」と言ってくれて。確かに曲はいっぱい書いていたんです。今よりはもっとスケッチに近い感じのデモだったんですけど、それを聴いてもらったら「このままでも十分いい」ってことで。だったら記念に1枚だけ出すか、そんな気軽な感じだったんですよね。まあ、言ってみれば記念リリースです(笑)。ファーストのタイトルが『Curly Giraffe』なのも、それ1枚で終わるはずだったからなんですよね(笑)。ライブをやるつもりも、2枚目、3枚目を出すつもりもなかったですね、その時は。

――私が最初にCurly Giraffeの取材でお会いした時は、もう既に活動がコンスタントになってきていた時でしたが、このまま続けようという気持ちになったのには何かきっかけがあったのでしょうか?

高桑:まあ、単純に聴いてくださったみなさんのおかげではあるんですけど、もともとこのCurly Giraffeに対しては、他のアーティストに楽曲を提供したりする感覚と少し違って、作品を作るプレッシャーを与えないようにしたかったんです。リラックスして楽しみながら曲を作る。それが一つのコンセプトだったりもしたんで、だから続けていくことができたんじゃないかと思いますね。むしろ、他ではできない、もっと開放的な気持ちで作品を作りたいという思いが強まっていったってことなのかもしれないです。本来の(自分の)姿をそこで曝け出したいというか…。もちろん、制約があった上で作品を作る楽しさ、醍醐味もあるんですけど、Curly Giraffeはそうではなく、もっと自由な環境で作っていきたかったんですね。

――だから、ずっと宅録を貫いていらっしゃる。今回のアルバムも堀江博久さんが部分的に参加されていますが、基本は全て高桑さん自身での作業ですよね?

高桑:そうです。曲を作る際、まず最初のアイデアをカタチにする時に自分の部屋で作業していた方がいいんですよね。そのあとに、ゲストを呼んだりすることはもちろん可能なんですけど、誰かと一緒にやって膨らませていくということはCurly Giraffeには求めていないというか……簡単に言うと、自分のデモが好きなんですよ(笑)。

――ただ、デモという感じが全くしないですよね。今回のアルバムだと例えば「Manassas」という曲、これは、まあ、普通に考えてスティーヴン・スティルスのマナサスを視野に入れて作られた曲だと思うのですけど……。

高桑:はい、そうです(笑)。

――(笑)。でも、音質は70年代前半に出たマナサスの作品とあまり変わらない印象だったんです。つまり、“一人で自宅で制作するデモ=スタジオ入り前の仮段階”という感覚がない仕上がりなんですよね。

高桑:ああ、確かにそういう感覚でデモを作っているわけではないですね。なんでこういう宅録スタイルをずっと続けているかっていうと、やりたいことが常にいっぱいあるからなんです。本当は、“生涯一ロカビリー”とか“生涯一パンク”みたいなのに憧れがあるんですよ。ラモーンズのように、その道でずっといく、みたいな。でも、それは自分にはできない。なぜなら、やりたいことが色々とあるから(笑)。その瞬間瞬間にやりたいことがあって、それが変化していく。だから、その瞬間をすぐカタチにしていくには宅録の状態にしていないといけない。結果としてそれがCurly Giraffeのコンセプトになっているわけです。だから、その「Manassas」にしても、マナサスを改めて聴いて、いいなあこういうのっていう気持ちが高まったところで曲を作って録音したってわけなんです(笑)。

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