乃木坂46にとっての“総選挙” 今年のプリンシパル公演で輝きを放ったメンバーは?

20140531-nogizaka.JPG
乃木坂46による舞台公演『「16人のプリンシパル」trois』のワンシーン。

 乃木坂46による舞台公演『「16人のプリンシパル」trois』の千秋楽が6月15日、東京・赤坂ACTシアターにて行われ、3年目を迎えた同公演は幕を閉じた。今回も1幕のオーディション(即興コント)を見て、観客が本編である2幕の出演者を投票によって決めるという形式で行われた同公演は、彼女たちにとって、グループの活動の中で最も過酷とされているイベントだ。なかには「AKB48の選抜総選挙を毎日やっているような感覚」と口にするメンバーもいる。今回は脚本・演出を『勇者ヨシヒコ』シリーズや『指原の乱』などで知られる福田雄一が手掛け、「笑い」をテーマに、1幕のオーディションではコント、2幕のオーディションでは舞台『レッツゴーっ!ポリン姫』が披露された。SKE48との兼任留学生として乃木坂46に加入した松井玲奈も複数公演に参加して話題となったが、本稿では、毎公演新たなヒロインが誕生したプリンシパル公演で、特に輝きを放ったメンバーを紹介していきたい。

舞台でも活躍した“福神”メンバー

“プリンシパルの申し子“生田絵梨花

 2年前に東京・渋谷PARCO劇場で初めて行われた公演から、常に輝きを放ち続けているのが生田絵梨花である。今回もメンバーの中で唯一全22公演2幕出場を果たし、評判通りの活躍をみせてくれた。彼女の持つピアノの実力は、歌番組やバラエティなどでもたびたび取り上げられているが、元々舞台に憧れて芸能界を目指したというだけあり、彼女は演技力もグループ一。加えて冠番組『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京系)では、天才的かつ天然な人柄で笑いを独占することも多く、プリンシパルでも的確なアドリブで公演を引っ張り、劇中での歌の場面ではその日の舞台のクオリティーを左右するほどの存在感を放っていた。主要10役を制覇した彼女だが、主役のポリン姫や悪の女帝ルイーダを演じるときに輝きを増すその姿は、他のメンバーの言葉を借りると「プリンシパルの申し子」であった。

“美女キャラ”のイメージを逆手にとった白石麻衣

 モデルとしても活躍している白石麻衣は、容姿端麗なイメージが一般的なものかもしれない。ただ、今回は「笑い」がテーマだったということもあり、「楽屋での素の自分を出す」と本人が公演中に語ったように、1幕のコントでは一般的なイメージを覆すようなモノマネや、オヤジキャラといった振り切った演技を連発した。メンバーからは「そこまでしちゃうの!?」というような反応だったが、パブリックイメージとのギャップがファンの心をつかんだのだろう。今回2幕で10役に選ばれた回数が一番多かったのがグループ内で「笑いの神」と評される高山一実と白石(共に18回)で、意気込み通り今回のプリンシパルでは一つの頂に上り詰めた。

“舞台上でもイケメンだった若月佑美

 後半の失速はあったものの、プリンシパル前半戦のヒロインは完全に若月佑美だった。主要10役制覇を最速の12公演目で達成した彼女は、どの役に選ばれても安定した演技を見せてくれた。舞台では常に他のメンバーを立て、台詞を噛んだり、忘れたときはすかさずカバーし笑いに変える、相変わらずのイケメンキャラ。彼女のすごさはその準備力にある。松村沙友理のような瞬発的なアドリブ力があるわけではないが、徹底的に仕込まれた演技とネタで必ず毎公演ハイライトを作っていた。前回の「16人のプリンシパル duex」からの連続10役制覇も彼女のみの記録で、今後の演技での活動に期待が高まる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる