イベント関係者が語るライブハウス最新事情「土日に公演日が集中し、会場を押さえるのが難しい」

 渋谷の大型ライブハウス「SHIBUYA-AX」が5月31日をもって、13年半の歴史に幕を閉じた。同ライブハウスはこれまで3671公演を行い、観客数延べ440万人を動員。最終日にはthe pillows、9mm Parabellum Bullet、WHITE ASHの3組が出演した。

 朝日新聞デジタルによると「SHIBUYA-AX」は「仮設」扱いで建てられた施設で、異例の長期にわたる営業が問題視され、このたび終了することになったという。2000年12月に開館したAXは、大規模ライブハウスの先駆けで、ここ数年のライブ興行盛況の一端を担ってきた。そのため、閉館を惜しむ音楽ファンの声も少なくない。(参考:朝日新聞デジタル「SHIBUYA-AX終幕 「仮設」扱いで13年半運営」

 一方で、2012年4月にはお台場に「Zepp DiverCity」が、2013年11月には西麻布に「EX THEATER ROPPONGI」がオープンするなど、新たな大規模ライブハウスも増加している。

 昨今の都内のライブハウス事情について、大手イベント会社のプロモーターは次のように語る。

「ここ数年はライブ興行が依然として好況で、アリーナクラスやドームクラスなどの大会場は特に予定を押さえるのが困難な状況が続いています。かといって中規模、小規模クラスの会場が押さえやすいかというと、業界全体でライブやイベントの数が増えているため、土日祝日は予定でいっぱいなのが現状です。個人的には、昨年オープンした『EX THEATER ROPPONGI』のような、お客さんから見ても利便性の高い立地で、かつ搬入搬出がしやすく、興行側から見ても使いやすい会場が増えると嬉しいですね。これからオリンピックに向けて色んな施設が作られると思うのですが、特に不足している5000人キャパの会場が増加すると、ライブ市場はより活況になるのではないでしょうか」

 5000人キャパといえば、東京国際フォーラムAやパシフィコ横浜などが相当する。確かにここ数年、両会場でのコンサート開催は多くなっている感はある。同規模の会場が増えれば、武道館・アリーナクラスのアーティストによるコンサートを、もっと多く観ることができるかもしれない。

 前出のプロモーターは続けて、会場の運営に関する課題も指摘した。

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