ライムベリー、8ヶ月ぶり復活ライブ開催 YUKA脱退もパーティーは続く

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約8ヶ月ぶりにライブを行ったライムベリー。

 4月27日、渋谷のTUTAYA O-NESTにて、ライムベリーの復活ライブ『WE ARE BACK!』の二回公演が行われた。

 ライムベリーは、MC MIRI(櫻井未莉)、MC HIME(持田妃華)、MC YUKA(大田原優花)、DJ HIKARU(信岡ひかる)からなる3MC・1DJのアイドルラップユニット。

 昨年、8月の1stワンマンライブ以降、活動休止をしていたが、この度、約8ヶ月ぶりの復活ライブとなった。しかし、そこにはYUKAの姿はなかった。

 活動再開がアナウンスされたのはライブの約二週間前。オフィシャルブログでは事務所の移籍と、YUKAの脱退、今後は三人で活動を続けていくことが報告された。

 E TICKET PRODUCTIONこと、桑島由一によるプロデュース体制は、そのまま続行となったものの、昔から応援してきたファンほどYUKAの脱退をどう捉えていいのか困惑しているように思えた。

 チケットは二部とも完売し、会場はぎゅうぎゅうの満員だった。今まで、彼女たちを応援してきたファンだけでなく、活動休止中に音源を聞いて興味を持った人や女性ファンの比率が少し増えたように感じた。

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少女らしい声質ながら元気の良いラップが印象的なMIRI。

 11時になり、一回目のライブがスタート。いつものように、DJ HIKARUがスタスタとターン・テーブルに向かって歩いてくる。「ポチッとな」HIKARUが指揮者のように両腕を広げると、大げさなファンファーレが鳴り響く。そして新しい自己紹介ラップ「WE ARE BACK!」がかかると、迷彩柄の上着に身を包んだHIME、MIRIが登場。一気に会場はヒートアップする。また、今回は「IN THE HOUSE」という新曲を披露。ライムベリー版「今夜はブギーバック」とでも言うような曲だった。30分弱のミニライブはあっという間に終わった。勢いはまったく衰えていなかった。

 YUKAのパートは歌詞を変えてHIKARUが歌ったり、HIMEとMIRIに割り振られた。それがうまくハマっているかどうかは、まだ冷静に判断できない。

 ライムベリーの楽曲はすべて桑島が担当し、四人が歌うことに特化したものとして作られてきた。だからこそ、圧倒的な完成度を誇っていたのだが、それは取り替えのきかない危ういバランスの上に成り立っていた。三人の声に対してYUKAの声は低く、そのことが学曲の音域の幅を広げていたのだが、三人の声の印象が重ならないようにするための個性の住み分けは、今後の課題となっていくことだろう。

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黒のTシャツを着ているのがHIME。

 ヒップホップではなく日本語ラップ。EDMではなくテクノと呼ぶ方がふさわしいライムベリーの楽曲は、90年代の電気グルーヴやスチャダラパーが好きだった人が00年代の萌えカルチャーを経由して、10年代の地下アイドル文化と合流することで、当時の空気を現在のものにアップデートしており、同じようなカルチャーに触れてきた立場としては、よくぞ過去と今をつなげてくれたと感謝したくなる。だが、それはあくまで裏方の話で別に知らなくてもいいことだ。

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