星野源『情熱大陸』で闘病の日々語る「辛いことの中には、意外と面白いのが混じっている」

 2014年2月23日放送の『情熱大陸』(TBS)に、音楽家・俳優・文筆家の星野源が出演した。番組は、今月6日に行われた初の単独武道館公演のリハーサルや、星野の日常の一コマに密着しながら、2012年に患ったくも膜下出血からの復帰の日々を追うドキュメントとなった。

 番組冒頭では、仲の良い友人だというお笑い芸人のバナナマンが星野の魅力を語った。設楽統が「天才だよね」と言えば、日村勇紀が「最高だよね。超憧れますよ」と話す。幅広く活躍する星野には、様々なジャンルの意外な友人がいるという。4年前、朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で脚光を浴びた星野は、舞台、ドラマ、コンサートなどを着実に行い、アーティストとしての足場を固めていった。だが、旬を迎えつつあった矢先、くも膜下出血に襲われ、緊急手術。一旦は復帰したものの、半年後に再手術を余儀なくされる。病室での写真も公開され、これまで窺い知ることのできなかった星野の闘病生活の様子が、生々しく映し出された。

 「集中治療室で、『動いちゃだめです』って言われて。天井だけ見つめてじっとしてると、自意識で爆発しそうになるんですよ。自分がどうなっちゃうんだとか、今までこうしてたからこれがいけなかったのかなとか。(中略)自分のことばっかり考えすぎちゃうのって、辛いんだなって」と、いつも通り、淡々とした口調で、病気が発症した頃のことを振り返る星野。点滴を受けた状態で、パジャマ姿の星野がベッドに横たわる映像、そして開頭手術の縫い目が残る頭の写真が、その闘病生活がいかに険しいものだったかを物語る。倒れるまでは、過密なスケジュールが当たり前だと思っていたという星野。今は、「体を休めなきゃいけない感じがやっとわかった」という。辛いこともたくさんあったが、面白いこともたくさんあったと闘病生活を振り返り、「辛いことの中には、意外と面白いのが混じっている。そっちのが個人的には魅力的」と、自らの価値観を語った。

 病気を乗り越えた星野の復帰公演となったのは、日本武道館。実は五線譜が読めず、コード譜しか書けないという星野は、リハーサルでも音のイメージを楽器隊に言葉で伝えていく。そんな音楽活動と平行して、昨年は俳優として多くの作品に出演、新人賞を総ナメにした。星野が所属する劇団・大人計画の主宰、松尾スズキは、星野の魅力を「的確な芝居ができる俳優に育ったなあと思います。(中略)懐に入ってくるような感じがいいんじゃないかなあ」と語った。

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