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映画『アート・オブ・ラップ』公開記念インタビュー(後編)

「ショー・ビジネスが、ビジネス・ショーになった」K DUB SHINEが日本の音楽シーンを斬る!

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『アート・オブ・ラップ』2012(c)The Art Of Rap Films Ltd

 大きな反響を呼んでいる、日本のラップ界のご意見番=K DUB SHINEのインタビュー。7月27日公開の映画『アート・オブ・ラップ』を通してヒップホップシーンの現状に切り込んだ前編「K DUB SHINEが語る、ヒップホップの歴史と今のシーンに足りないもの」に続き、後編では日本の音楽シーン全体についてもズバズバと語ってくれた。

――日本の音楽シーンについては、私はアートではなく、マーケティングの時代になったと思っています。もちろん、いい作品もありますが、それはドラマや映画、テレビ番組と共に伝わってくる。新譜を出したことをCDショップや雑誌で知るのではなく、そういったテレビプログラムで知る。

K DUB そうだよ。"ショー・ビジネス"が、"ビジネス・ショー"になってしまった。ビジネス面を見せて、何人入ったとか何枚売ったとかの話題性を広めて、作品をまるでおまけのように付ける。"ショー・ビジネス"はさ、ショーが先で、ショーをうまくいかせるためのビジネスでもあるのに、今はビジネスのためのショーになり下がった。ポップカルチャーとして上質なものはあるけど、売れてる歌詞の内容は、誰かがどこかで常に恋している。でも、それは世の中の喜怒哀楽、いくつかある情緒のたった一面でしょ? アーティストが表現したいことはほかにもっとあるはずなのに、レコード会社は「こういうのを作ったら売れる」と、たぶらかして歌わせる。そして、アーティストは自分らしさを少しずつ失い、本当の自分が見えなくなってしまい、失望して辞めていく人たちも少なくない。音楽業界や事務所は、そういった罪を犯している自覚を持つべき。自覚がないことが、"ショー・ビジネス"が、"ビジネス・ショー"に入れ替わった証拠なんだよね。アイドルだらけで、業界人は全員、ロリコンなんじゃないかって思うよ。「オリコン」じゃなくて、"ロリコン"だぜ!

――たとえば、きゃりーぱみゅぱみゅに対して、「曲としてよくできている」という声も多いですが、それはどう思いますか?

K DUB 彼女はマーケットに向けて、面白いものを作ってると思うよ。言葉遊びが上手だし、Perfumeより好きだね。あっちは作られた感、操られてる感があって、実際ロボットみたいに踊る。けど、きゃりーぱみゅぱみゅはアパレルで成功する子みたいにさ、独自のキャラクターやブランドイメージをマーケティングすることで、自分を世の中に売り込んだ。時代のタイミングと、世界の人たちが日本にどういうものを求めているか、を上手にすくい取ったんじゃないかな。だから否定する気はないけど、彼女の二番煎じ、三番煎じは難しいと思う。同じレコード会社だからディスらないわけじゃなく、この子は自分が核になってムーヴメントを起こすだけの才能があった、という目で見ている。

――ラッパーで面白い若手は?

K DUB 若手じゃないけど、SHINGO☆西成とか、ANARCHYとか、底辺から這い上がってきた奴らが好み。ある意味、殺気に近いものを感じるくらいギラギラしていて、尖っていて、鋭い。自分や仲間に対して正直で、人生の真実を表現したスタイルは、めちゃくちゃヒップホップだと思う。くそリアル。

     
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