この夏、最後のスト鯖RUST「DEATH GAME」 途中離脱の初心者4人組“豚笑神楽”はなぜ最高だったのか

 人気ストリーマー・VTuberによるビッグイベント「VCR RUST」、ベテラン配信者が熱い戦いを繰り広げた「ニコニコ老人会RUST」と、サバイバルゲーム『RUST』のストリーマーサーバーが盛り上がった今夏。その締めくくりとも言える、LEON代表主催による「DEATH GAME」が、8月29日から31日にかけて開催された。

 同企画は“ガチ”のPvP(プレイヤーVSプレイヤー)サーバーであり、議論を呼んだオープンVC縛り(※ログイン中はチームメンバー間でのゲーム外ツールでの会話や、ミュートしてのリスナーとの会話ができない)やチーミングの禁止もあって、ある意味でRUSTらしい、熱くもヒリヒリした展開が話題になった。計48人、12チームがしのぎを削ったバトルの結果はそれぞれに確認してもらうとして、本稿ではそのなかで大きなドラマを作った“初心者チーム”を取り上げたい。柊ツルギ、夢野あかり、神楽めあ、らっしゃー(※公式掲載順)による「チーム5」、通称「豚笑神楽」だ。

本番開始直前にタヒ亡フラグを乱立させるする柊ツルギとらっしゃー【RUST/柊ツルギ /夢野あかり /らっしゃー/神楽めあ】

初心者チームの思わぬ奮闘劇

 「DEATH GAME」は上記のようにシビアなルールで、「VCR RUST」のようなバトル外のお楽しみ要素も、「ニコニコ老人会RUST」のような大逆転につながるカードシステムも存在しない。勝敗はキル数等ではなく、ゲーム内で通貨に相当するスクラップの所持量で決されるとはいえ、AlphaAzurやrprのようなガチ勢をはじめ、経験豊富なプレイヤーが多く参加しているなかで、初心者だけで構成されたチームが爪痕を残すのはほとんど“無理ゲー”だ。ゲームセンスやフィジカルの強さだけでは埋まらない絶望的な戦力差がつくのは明らかで、釈迦もチーム5の4人について、サーバー終了後に「初日の終わりにはトランペットとギターを持ってその辺を歩いていると思っていた」と語っていた。

 トークが抜群に面白い4人だが、しゃべること自体がリスクになる(※居場所や戦略が敵に筒抜けになる可能性がある)オープンVCでは、“攻略”の外で見どころを作ることも難しいかもしれないーーそう思われていたなかで、いつものように大騒ぎしてキルされたり、あっけなく拠点バレしたりしながらも、必死に生き残っていく姿がエンタメになっていた。

 建築を担当するため、便宜上リーダーになったあかりんこと夢野あかり。「豚笑楽」(らっしゃー、夢野あかり、柊ツルギ)のコラボでリーダーを拝命すると、だいたいチームを迷走させる彼女だが、今回は一味違い、座学の末に、初心者としては間違いなく合格点と言える拠点を作り上げた。攻めたトークとは裏腹に、根が真面目で優しく、ゲームIQも高いらっしゃーは、メンバーが別の仕事でログインできない期間、ひとりで拠点を守り抜いて、初日から爆笑必至のハイライトを作っている。

チームメンバーが仕事中で苦しい時間のレイドを一人12役で凌ぐらっしゃー【RUST/柊ツルギ /夢野あかり /らっしゃー/神楽めあ】

 勢い任せに見えて実は効率性を重視する柊ツルギはファーム(物資調達)で活躍し、武器差の小さい序盤においては持ち前のエイム力で撃ち合いを制して見どころを作った。チーム内でコント的なやりとりを主導し、敵味方問わず各視点の視聴者を笑わせていたのはいつもの通りだ。無敵のVTuber・神楽めあは、悪ノリしがちな豚笑楽メンバーに囲まれると、意外と常識人ポジションになるのが面白い。“厄介者いじり”をするのではなく、彼女と正面から向き合って面白がるメンバーに囲まれながら、過度にゲームに入れ込みすぎず、大騒ぎしながらもフラットに楽しむ姿が、チームのバランサーとして機能していた。

 そんな4者4様の活躍で初日を乗り切って見せた「豚笑神楽」。モチベーションにつながったのは、随時発表される「スクラップ数」で上位にランクインしていたことだ。熱心なファームとともに、「初心者ゆえに有効な使い道を知らず、貯まっていく一方」ということも手伝っての結果だが、夢を見ることはできた。

 しかし、初心者チームにとって唯一の勝ち筋であっても「ひたすらファームでスクラップ集め」にフォーカスすることが、自分たちや視聴者にとって面白いのか。チームで議論した結果、より『RUST』というゲームを楽しみ、最低限の拠点の強化は行いつつ、リスクをとって文明レベルを上げていく方向に結束したのも、なかなか美しい流れだった。

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