ARグラス、VRヘッドセット、AIスマートグラスの違いとは? いま知っておきたい役割と使い分け

VR・AR・AIスマートグラス、何が違う?

 XREALが若年層向けブランド「xbx」を立ち上げ、新たなARグラス『xbx a01+』を発売した。本製品はスマートフォンやゲーム機と接続するだけで大画面を楽しめる、ARグラス初心者にも使いやすいエントリーモデルとして展開される。

 最近はMetaのAIスマートグラスや『Apple Vision Pro』など、顔に装着して使うデバイスの話題を目にする機会が増えている。ただ、「ARグラス」「VRヘッドセット」「AIスマートグラス」など呼び方がさまざまで、「結局何が違うの?」と感じる人も少なくないだろう。

 そこで今回は、それぞれの特徴と、現在の市場でどのような役割を担っているのかを整理してみたい。

VR・AR・AIスマートグラス、それぞれ何が違う?

『Meta Quest 3S』

 まず「VRゴーグル」や「VRヘッドセット」などと呼ばれるVRデバイスは、視界全体を映像で覆い、仮想空間へ入り込むための製品だ。

 代表的なのは『Meta Quest』シリーズや『PlayStation VR2』など。ゲームのイメージが強いが、フィットネスや映像コンテンツ、企業研修などにも活用の幅が広がっている。

『Meta Quest 3S』のVR空間の様子。この状態でヘッドセットの外の景色は見えない

 近年は『Meta Quest 3』『Meta Quest 3S』のようにカラーパススルー機能を備えた製品も増えているが、基本的には仮想空間での没入体験を楽しむことを目的としたデバイスと言える。

『XREAL One』の使用イメージ

 XREALをはじめとするARグラスは、現実の景色を見ながら映像を表示できるのが特徴だ。ARと聞くと、『ポケモンGO』のように、現実空間にCGを重ねるイメージを思い浮かべるかもしれない。しかし現在販売されている製品を見ると、実際にはスマートフォンやPC、ゲーム機と接続し、自分だけが見ることができる大画面ディスプレイとして使われるケースが多い。

 実際にユーザーに話を聞くと、新幹線で映画を見たり、『Nintendo Switch』や『Steam Deck』でゲームを大画面で遊ぶために購入したという声を聞くことが多い印象だ。

『Ray-Ban Meta』

 そして、ここ1〜2年で存在感を高めているのがAIスマートグラスだ。

 『Ray-Ban Meta』や『Rokid スマートグラス』などは、ディスプレイで映像を楽しむことよりも、AIとの音声対話や翻訳、通知、カメラによる情報取得などを重視した製品であり、翻訳や旅行先での情報収集、目の前にある建物や商品についてAIに質問するといった使い方が目立つ。

 デザインも一般的なメガネに近づきつつあり、「毎日掛けて自然に使えること」そのものが重要な価値になっている。

製品選びは「用途」で考える時代へ

『Apple Vision Pro』

 こうして見ると、どれも「顔に装着するデバイス」という共通点はあっても、VRヘッドセットは没入体験、ARグラスは大画面ディスプレイ、AIスマートグラスは日常での情報活用と、それぞれが目指す役割はかなり異なる。

 もちろん『Apple Vision Pro』のように、VRとARの要素を組み合わせ、これまでのカテゴリーには収まりきらない体験を目指す製品も登場している。しかし、ディスプレイや高性能プロセッサー、各種センサーなど多くの機能を一台に盛り込めば、本体は大型化し、価格も高くなりやすい。昨今の市場を見ると、「一台で何でもできるデバイス」を追求するというより、用途ごとに得意分野を磨く製品が増えているように見える。

 新製品が登場すると「ARかVRか」といった分類に注目が集まりがちだった。しかし現在は、それ以上に「何をするためのデバイスなのか」が重要になっている。新製品を見るときは、「ARなのか」「VRなのか」という分類だけでなく、「どんな体験を提供するためのデバイスなのか」という視点で見てみると、それぞれの立ち位置や役割も見えやすくなるだろう。

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