『Weekly Virtual News』(2026年2月12日号)
BOOTH、3Dモデルの取引規模が“100億円”超え 日本で盛り上がるバーチャルプラットフォームの現在地

ピクシブが運営するクリエイターEC「BOOTH」は、いまやソーシャルVRプラットフォーム『VRChat』向けのデータ販売プラットフォームとして、デファクトスタンダードの地位を確立している。特に近年は3Dモデルカテゴリの取扱高が急速に増えつつあり、定期的に発表されるデータは個人向けの3Dアバター市場における消費行動を推測する重要な材料となる。
2025年のデータを加えて分析した「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書2026」を公開しました。 https://t.co/IQdRstYqmx pic.twitter.com/OwW0EtsVvE
— BOOTH (@booth_pm) February 6, 2026
そして今年も、年間データを取りまとめた「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」が発表された。目に留まるのはやはり100億の大台を突破した、取扱高の大幅な成長だ。2025年の3Dモデルカテゴリの取扱高はなんと約104億円にも達し、前年比約179%の成長を見せた。

注文件数も約774万件と大きく増加し、注文者数においても28.1万人へ順当に増加している。そして、注文件数と注文者数の変化を並べてみると、「1人あたりの注文件数が増加している」ことも見えてくる。ベースとなる3Dアバターだけでなく、着せ替え用の衣服やアクセサリー、またオリジナルワールド製作者向けのプロップなど、個人が様々な3Dアセットを日常的に購入するライフスタイルが浮かび上がる。

2024年から記録されている、初回注文者数の推移も興味深い。配信者・スタンミじゃぱんの『VRChat』配信が盛り上がった2024年8月にスパイクじみた急増が見られ、その後一度落ち着いているが、以後の数値は2024年7月以前より一段階高い状態を維持している。あの時期に多くの新規ユーザーが流入し、その後定着した人が一定数いること、以後も絶えず新規ユーザーが生まれていることなどが推測できる。

実際に筆者も『VRChat』内を歩いていて、2024年のブームに乗じて始め、現在は従来のユーザーのようなライフスタイルに行き着いているユーザーを一定数見かける。また『VRChat』はPC/スマホ単体で接続する方法と、VRゴーグルで接続する方法で、大別して2種類に分けることができる。後者のVRユーザーになった場合、自身のアバターの手足などを視界に収めながらゲームをプレイすることとなるため、BOOTHを利用してアバターなどを購入する確率は高まるだろう。
そして初心者向けワールドを訪れると、「つい1時間前に始めた」「なんとなくダウンロードした」と答える人とも遭遇する。人口流入と定着のペースは、『VRChat』自体の認知拡大とともに、以前よりも向上していると見て良いだろうと、肌で感じる。
そんな『VRChat』はちょうどサンリオが主催するバーチャルフェス『Sanrio Virtual Festival 2026』が始まり、特に先日から話題沸騰中の映画『超かぐや姫!』や、バーチャルシンガーとして話題の花譜なども登場する『神椿市建設中。』の無料ライブなどに多くの注目が集まっている。筆者としては、4月の新生活シーズンに伴う「新しいことを始めたい欲求」も合わさり、また一定規模の“波”が起こるだろうと予測している。
日本からのアクセス数が世界一に? 米調査会社の『VRChat』に関するレポートを読む
もう一つ、『VRChat』に関する興味深い情報として、4Gamerが報じた「『VRChat』の公式サイト総訪問者数は日本が世界1位」というニュース(※1)がある。ソースをたどると、アメリカ・サンフランシスコの調査会社であるSensorTowerによる調査レポ―ト(※2)のようだ。

レポートによれば、2025年の公式サイトの総訪問者数はおよそ6.5億人。そのうち37%が日本からのアクセスであり、27%のアメリカを超えているという。また、2025年10月リリースのモバイル版アプリのダウンロード数についても、アメリカに次いで日本が2位だと伝えている。昨今のブームと合わせて、日本の注目度の高さを裏付けるようなデータだ。
一点注意すべきポイントとしては、これはあくまで公式サイトへのアクセス数であり、プラットフォームそのものの接続数とは必ずしもイコールではないこと。2026年現在、『VRChat』はオフィシャルにはDAU/MAUを公表しておらず、数少ない参考資料として参照できるのは、有志によるAPI経由の計測値くらいだ。
そしてもう一つ、「公式サイトのアクセスが世界一」となった要因は、知名度向上も考えられるが、「何度も公式サイトをリロードする」ライフスタイルの存在も一因と思われる。
日本ユーザーの間では『VRChat』内でカフェやバーなどのロールプレイを通してコミュニケーションを楽しむ「接客イベント」と呼ばれる文化が人気を博しており、参加人数が限られる人気イベントへ参加するべく、レスポンスの良いブラウザ=公式WEBサイト経由で入場しようとするユーザーもいる。いち早く入場リンクを見つけるために、何度もWebページでF5キーを連打する――俗に「Join戦争」とも呼ばれる行為だ。
とはいえ、SensorTowerの調査手法が、こうした更新連打を加味したものであるかは不明なので、あくまで推測の一つとして受け取っていただければ幸いだ。
※1:https://www.4gamer.net/games/794/G079439/20260203012/
※2:https://sensortower.com/ja/blog/vrchat-high-popularity-in-japan-JP























