なぜ任天堂だけが勝ち続けるのか? Switch 2絶好調の裏にある「ファーストパーティの力」

ここ最近のゲーム業界では、家庭用ゲーム機におけるファーストパーティ・ソフトウェアの重要性が高まっているように見える。つまり「どれだけ面白い自社製のゲームソフトを揃えられるか」ということだが、そうなるとやはり強いのは任天堂のようだ。
Nintendo Switch 2が過去最高ペースで1,500万台突破
任天堂は2月3日に、2026年3月期の第3四半期決算を発表。そこで最新ハードのNintendo Switch 2が、過去最高ペースの売上を記録していることが明らかにされた。具体的な数値としては、2025年12月第4週までの累計で1,500万台を突破しており、従来機のNintendo Switchが発売後約10カ月で到達した売上を、半年で追い抜いたことになる。
またNintendo Switchの方も、累計1億5,537台を売り上げたことで歴代ハードウェア最多の販売台数に到達したとのこと。年間プレイユーザーも前年の1億3,000万とほぼ横ばいの1億2,900万で推移している。次世代機であるNintendo Switch 2が絶好調のスタートダッシュを切っている背景には、こうした地盤づくりと世代交代の成功が関わっているのだろう。
『マリオカート ワールド』は1,400万本超。自社ソフトが牽引する好循環
ただ好調の要因はそれだけではなく、ファーストパーティ・ソフトウェアの存在も大きいと思われる。ローンチタイトルである『マリオカート ワールド』はすでに売上1,400万本を超えており、その後に発売された『ドンキーコング バナンザ』、『Pokémon LEGENDS Z-A』、『カービィのエアライダー』といったソフトも大人気だ。
「任天堂のソフトは基本的に任天堂のハードでしか遊べない」というのは同社の変わらない強みだが、近年ゲーム業界を取り巻く状況も合いまって、よりその重要性が増しているようだ。
ゲーミングPCの高騰で家庭用ゲーム機に追い風、しかしリスクも
まず前提としてあるのが、スマートフォンやPCでプレイできるゲームの台頭。高クオリティなゲームがさまざまなデバイスでプレイできるようになり、「なぜ現代においてゲーム機を買うのか」という問いが突き付けられた。
ただ、ここ最近はAIブームによる半導体製品の需要急増の影響で、ゲーミングPCなどの値段が高騰。もちろん家庭用ゲーム機もその影響を受けつつあるが、「ゲームをやるならゲーム機の方がコスパが良い」という風潮が目立つ。
この状況はどちらかといえば家庭用ゲーム機にとっては追い風だと思われるが、今後製造コストの問題や販売台数を確保できなくなるリスクが顕在化する可能性はあるだろう。そこでますます重要になってくるのが、“強い自社製のソフト”だと思われる。
自社タイトルが強いということは、目下の売り上げを伸ばすことにとどまらず、ファンコミュニティの形成にも繋がる。Nintendo DirectのSNS上の盛り上がりに象徴されるように、任天堂には“任天堂ソフトの熱心なファン”が付いているため、上手くハードの世代交代を乗り越えられたのではないだろうか。
ソニーの決算が示す「ソフトで補う」構造
これに対して、ソニーグループが2月5日に発表した2025年度第3四半期決算も興味深い。同発表ではゲーム&ネットワークサービス分野の項目において、売上高が687億円で4%減収、営業利益が228億円で19%増益という結果になっていることが明かされた。
こうした動きの要因としては、為替の影響を別として、マイナス要因として「販売台数減少によるハードウェアの減収」、プラス要因として「自社制作のゲームソフトウェア販売増加」や「ネットワークサービスの増収」などが挙げられていた。すなわちハードウェアでの減収を、自社開発のソフトウェアやネットワークサービスが支えた形だ。
プレイステーション5はどうしてもゲーミングPCが競合相手になるが、Nintendo Switch 2は自社ソフトを独占していることが大きな強み。キラーコンテンツが出るたびにハードが売れ、任天堂の足元は盤石になっていくと思われるが、今後どんな動きがあるのか注目したい。

























