Switch2版『サイバーパンク2077』が別ゲーすぎる 携帯モードで“視界をジャックされる”没入体験

Switch2版『サイバーパンク2077』が別ゲー

 クリスマスシーズンでもあるし、Nintendo Switch2をようやく手に入れたぞ……という人も多いのではないだろうか。そんな人が買うべきソフトといえば、『サイバーパンク2077』である。「もうプレステとかで遊んだよ」「バグが多すぎて遊べたもんじゃなかったよ」という人も、ちょっと待ってほしい。いやほんと、「Switch2で遊ぶ『サイバーパンク2077』」というのが、けっこう体験として別物なのである、これが。

全ゲーマー待望のサイバーパンク世界が、Switch2で動く衝撃

 『サイバーパンク2077』といえば、2020年にCD Projektから発売されたオープンワールドのアクションRPGである。タイトルの通り、その世界観はバキバキのサイバーパンク。舞台は2077年、退廃の極みにある巨大都市ナイトシティ。メガコーポによって支配されたディストピアで、人々はインプラントを体に突っ込み、ネットと脳を有線接続し、自然環境をゴリゴリ破壊しながら享楽的に生きている。そんな今となっては少々レトロなサイバーパンク世界を舞台に、裏稼業を請け負う主人公“V”が巨大な陰謀とトラブルに巻き込まれていく。

『サイバーパンク2077』

 「巨大なサイバーパンク世界を舞台にしたオープンワールド」と言われれば、それはもう全ゲーマーが待望していたゲームのはずである。それが! Switch2でプレイできる!! あんな重たいゲームが!? マジで?? 「Switch2に移植されるらしい」という話を聞いた時、自分は本当に驚いた。なんというか、ゲーム全体のスケール感や内容的に「据え置きハード向けすぎる」と思っていたのである。重たいゲームは携帯不可能という刷り込みは、「持ち歩けるゲーム機といえば初代ゲームボーイ〜ゲームボーイカラーあたりくらい」という時期に少年期を過ごしたがゆえに発生したのであろう。さすが2025年。未来である。

「落ちない『サイバーパンク2077』ってあるんだ……」

『サイバーパンク2077』

 そんなSwitch2版『サイバーパンク2077』だが、まず軽くプレイしてみて感動。ほとんどバグがなく、非常にスムーズに動くのである。最初に発売された時にPS4で遊んだ印象は、「とにかく重いゲーム」だった。ことあるごとにゲームがストップし、ソフトが落ち、まともにプレイすること自体が難しかったのである。自分はこの時点でイラつきすぎて投げてしまっており、何度か途中までは進めつつも一度もまともにクリアできていない。

 しかしSwitch2版は違う。巨大なナイトシティの市街地を車で走り回ってもソフトが落ちず、どこにでもシームレスに移動できる。落ちない『サイバーパンク2077』ってあるんですね……。もちろん完璧というわけにもいかず、空中に人間が浮かんだままになっていたり、膝まで地面に埋まっている人を発見したりということはあったが、基本的にはノーストレス。スムーズに遊べる『サイバーパンク2077』がこんなにいいものだとは。発売当初にプレイしただけの人間としては、それだけで感動である。

ジャイロ、マウス、モーション……新操作方法の使い心地は?

『サイバーパンク2077』

 加えて、新要素としてジャイロ操作やモーション操作、マウス操作も搭載されている。ジョイコンの傾きを検知して照準を移動できるジャイロ操作は、通常のスティックでの照準と組み合わせて「発砲直前のちょっとした照準の修正」として使うと素早いエイミングができる。照準を動かすためではなく、あくまでスティックでの照準の補助として使うのがオススメである。

 マウス操作に関しては、こちらもSwitch2用ジョイコンのマウス操作モードを使ったもの。確かに照準は早くなるのだが、携帯モードで遊んでいる時に「マウスをどこに置くのか」という問題が発生するため、個人的にはあまり使っていない。ジョイコンを傾けたり回転させたりしてアクションを行うモーション操作についても、個人的には「普通にコントローラーのボタンを押して操作した方がラクだな……」という感じだった。

携帯モードで“視界をジャックされる”没入体験

 というか、Switch2版『サイバーパンク2077』は、操作方法というより「携帯モードで快適に遊べる」というのが最大のポイントだと思っている。というのも、『サイバーパンク2077』は「画面に映っているVの視界」こそが非常に重要なゲームだ。基本的に運転中以外は三人称視点で進めることが想定されておらず、常に一人称視点で進めることが推奨されるゲームであり、ネタバレになるのであんまり細かいことは書けないものの、「Vの視界に何が映っているか」がストーリーに大きく関わる。主人公であるVとプレイヤーが一体化し、「Vの視界=プレイヤーの視界」という状態になることが、ゲームを進める上で大変重要なのだ。

『サイバーパンク2077』

 普通にモニターでプレイしていては、この「Vの視界=プレイヤーの視界」という状態にはなかなかならない。ちょっと画面から目をそらすだけで、デスクなりテレビ台なりといったモニターの周辺のストラクチャーはどうしても視野に入ってくるだろうし、それらが視野に入れば入っただけゲームへの没入感は薄れる。しかし携帯モードなら話は別。なんせSwitch2の画面は従来のSwitchよりグッと大きい。手元に持ってプレイするだけで視界の大半が画面でふさがり、他の余計なものが目に入ることがないのだ。

 この「視野が画面でふさがる」ことこそが、Switch2で『サイバーパンク2077』をプレイすることの醍醐味だと思う。本作の大きな魅力は、巨大都市の景観や服・装備品の質感などが大変美しく描写されている点だ。ゴミの山からネオンサイン、密集した建物の隙間から差し込む陽光や郊外に広がる砂漠地帯の砂埃まで、とにかく『サイバーパンク2077』の風景は美しい。トップクラスのスペックを持つゲーミングPCほどではないにせよ、Switch2のパワーはそれらをかなり忠実に描き出しており、その画面に視界をジャックされる体験は唯一無二。もちろん高精細なモニターを使ってプレイするのも楽しいが、自分としては「目が悪くならないギリギリまで照明を落とした部屋で、携帯モードのSwitch2を使って手元の画面を覗き込みながらプレイする」というスタイルをおすすめしたい。ほんと、違うんですよ、没入感が。

『サイバーパンク2077』

 なんせ人気ハードであり、いまだに入手の難易度がそこそこ高いSwitch2だが、もし購入したのなら『サイバーパンク2077』はぜひとも遊んでもらいたい。ある程度の年齢以上の方なら、まず「この重さのオープンワールドゲームが持ち歩けるの!?」という点に衝撃を受け、そして2077年の大都市の風景に視界をジャックされる体験に驚くことだろう。では、自分はこれでお暇させていただきたい。なんせ今日もナイトシティで仕事が待っているので……。

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