OPPOの最新モデル『OPPO Find X9』は待望のFeliCa対応やAI機能充実で“心地よさ”を追求

スマートフォン大手のOPPOは、昨年約3年ぶりに日本市場へ投入したハイエンドスマートフォン『OPPO Find X8』に続き、最新フラッグシップモデル『OPPO Find X9』を2025年12月23日より販売開始する。
前モデルが予想を上回る好評を得たことから、さらに日本市場への訴求を強め、プレゼンスを高めるべく、このタイミングでの新製品発表となった。
2025年12月16日に行われた「OPPO 2025年下半期 フラッグシップ新製品発表会」では、『OPPO Find X9』の事業戦略や具体的なスペックについて紹介がなされた。
「品質」「AI」「イメージング」を大切にしていく
まず初めに、OPPOの販売代理店であるオウガ・ジャパンの専務取締役 河野 謙三氏が登壇。
フラッグシップモデルの「Findシリーズ」は、手に持った時の「心地よさ」やシャッターを切った時に“撮れた”と思える「感覚」、写真を見返してよみがえる思い出の「瞬間」など、スペック表に乗る数字では測れないものを追いかけてきたと冒頭で述べた。
何かひとつの機能を尖らせればいいのではなく、技術が生み出す新しい体験と日常の心地よさ両方を妥協なく届ける。これこそが、Find Xに込めてきた信念であり、OPPOのハイエンドスマートフォンたる所以だと言えるだろう。
『OPPO Find X9』の最大の特徴は「FeliCa(おサイフケータイ)」への対応である。OPPOのReno Aシリーズ、Aシリーズに続き、主要な3つのライン全てがFeliCaに対応した形となった。
「改札を通る、コンビニで支払う。その当たり前をフラグシップでも確実に届ける。私たちが日本のお客様とどう向き合うのかを考えてきて、ようやく胸を張ってお見せできるモデルを発表することができました」(河野氏)
OPPOは「品質」「AI」「イメージング」の3つをこれから重視
中国・深セン市にあるOPPOの工場では、「壊れない」「長く使える」といった当たり前を届けるために、非常に厳しい品質テストが行われている。75度の高温、マイナス40度の極寒で1週間動かしたり、1万4000回を超える落下テストを実施したりと、過剰にも思えるテストを施すのは、「“次元の違う安心”を目指しているから」だと河野氏は説明する。
AIについては、Google Geminiと連携し、「AIマインドスペース」と「Gemini」を組み合わせた。例えば、子どもの習い事の発表会ポスターにスマートフォンのカメラを向けると、日時を自動で読み取り、カレンダーへの登録を提案してくれる。
また、家族旅行で行きたい場所をいくつか保存しておくと、Geminiに聞くだけで、効率的なスケジュールを提案してくれる。
これらの一連の体験を通じて、今までばらばらだった情報を自然に統合し、生活をサポートしてくれるようになるという。
そして、OPPOは2022年からスウェーデンの名門カメラメーカー「Hasselblad(ハッセルブラッド)」と戦略的パートナーシップを結び、卓越した品質と記憶に残るビジュアル表現を追求し、細部にこだわった撮影体験を提供している。
今回の『OPPO Find X9』でも、ハッセルブラッドと共同開発した高性能カメラシステムを搭載し、色彩表現とマルチスペクトルの融合によるハイクオリティな写真撮影が可能になっている。
4眼構成のカメラとマルチスペクトルによる撮影体験
続いては、営業推進部 プロダクトマネージャーの中川 裕也氏が登壇し、『OPPO Find X9』の製品説明を行った。
同モデルのカラーバリエーションは「チタニウムグレー」と「スペースブラック」の2色展開。背面のレイアウトは、デザイン性と操作性の両立を目指し、カメラを左上に配置したことで、手で持った際にレンズに触れにくくなり、日常の撮影がよりストレスフリーで直感的にできるようになった。
ディスプレイのベゼルは、前モデルの1.45mmからわずか1.15mmへとスリム化し、より高い画面占有率による優れた没入感を得られる映像体験を提供する。画面サイズは約6.6インチのフラットタイプを採用。優れた視覚体験を可能としながら、片手でも扱いやすいサイズ感に仕上がっている。
本体の左上には「スナップキー」を搭載し、AI機能の「AIマインドスペース」をはじめ、カメラやレコーダー、翻訳など、利用頻度の高い機能を自由に割り当てることができ、スムーズな操作性を実現している。
指紋センサーはディスプレイの中央寄りに移し、より自然な動作で触れられるように配置。また、超音波式指紋センサーを新たに採用したことで、例えば1枚の写真から指紋情報をコピーされ、ロックを解除されるといったリスクを排除するためのセキュリティ性能が飛躍的に向上した。さらに指に汚れが付着していても、認識の速度と安定性を保って素早く正確に解除できるようになっている。
『OPPO Find X9』のカメラは4眼構成となっており、そのうち3つが5000万画素となる。広角カメラには、5000万画素のソニーLYTIA 808センサーを搭載し、昼夜を問わず圧倒的に高品質な撮影が可能だ。また、超広角カメラへ切り替えても画質が低下する心配はなく、広角カメラと同じ5000万画素を維持。
画角は120度にまで広がり、さらにはマクロ撮影にも対応するなど、幅広い撮影シーンへ活用できる汎用性の高さが特徴だ。
望遠カメラも同様に5000万画素を誇り、内部に画期的なW型プリズム構造を採用したことで、焦点距離を確保しながらセンサーの大型化とモジュールの小型化を両立させた。1/1.95インチの大型イメージセンサーの搭載により、高精細な光学3倍ズームにも対応し、倍率はAIのサポートによって最大120倍のデジタルズームまでサポートするという。
中川氏は、倍率を変えながら遠くに立つ被写体を撮影した作例を示した。10倍ズームでも、高い解像感で屋根の造りや木造の質感まで捉え切っているほか、60倍ズームでは肉眼では見えなかった細かな装飾まで描写している。距離にとらわれることなく撮影を楽しめるのが『OPPO Find X9』の望遠性能の優れているところだろう。
次に、『OPPO Find X9』で大きく進化したポイントのひとつが「マルチスペクトルカメラ」だ。これは光を解析する独立したスペクトルセンサーとして機能し、9つの光の波長帯を個別に読み取ることで、被写体本来の色味を精密に捉えられるようになっているそうだ。
一般的なスマートフォンでの写真撮影では、さまざまな光の影響で写真全体が青みがかったり赤みがかったりしてしまうため、被写体の肌の色が不自然になることが少なくない。特に複数の光源がある環境下では、一方の光を基準に全体を補正しようとするので、色の偏りが生じ、不自然に感じられることが多くなるわけである。
こうした課題を、マルチスペクトルカメラは劇的に改善する
右の写真は『OPPO Find X9』 で撮影したものだが、服やシャツの色まで自然で、見たままに近い発色が再現されている。Find X9搭載のマルチスペクトルカメラは、画面を48のエリアに分割し、それぞれの色温度を個別に検知することで、より正確な色彩情報を取得。それらをリアルタイムで映像処理全体に反映することで、不自然な色合いになりやすい複雑な状況下でも、自然で正確な色彩を実現できるとのこと。
加えて、『OPPO Find X9』では新たな画像処理エンジン「Lumo(ルモ)イメージエンジン」を搭載することで、スマートフォンカメラでも見たままの光や陰影、奥行き、肌の色など、本物の“空気感”を忠実に写し取ることを目指したという。また画像処理の仕組みの刷新により、CPU使用率は最大50%、メモリ使用率は60%、消費電力も50%削減され、処理効率は大幅に向上し、バッテリーの持ちも良くなったという。
そして前モデルに引き続き、ハッセルブラッドと共同開発した「ハッセルブラッド・マスターカメラシステム」を搭載。「ハッセルブラッド高解像度モード」は、ハッセルブラッドの色彩に加え、マルチスペクトルカメラとLumoイメージエンジンによって、5000万画素の情報量を高精細かつ高速に処理。繊細な質感と自然な色彩を保った撮影体験を可能にしている。
伝説的と言われるカメラ「Hasselblad XPan」から着想を得た撮影モードでは、65対24というワイドなアスペクト比とシャッターサウンドが、クラシックフィルムのような世界観を演出している。
オートとプロの2つのスタイルから選べるマスターモードでは、「Hasselblad X2D」という中判カメラを、ポートレートではハッセルブラッドのさまざまなカメラレンズを再現している。
本来なら、カメラ本体とたくさんのレンズが必要となるが、『OPPO Find X9』ならハッセルブラッドの世界観をそのままに、簡単にレンズを切り替えながら撮影を楽しめるわけだ。
『OPPO Find X9』のバッテリーは、現在のスマートフォン市場で一般的な5000mAhを大きく上回る7025mAhという大容量を実現。その一方で、本体の厚みは8mm未満、重量もフラッグシップモデルとしては軽量な203gに抑えるなど、使いやすさや扱いやすさにも優れている。この両立を可能にしたのは、「シリコンカーボンアノード技術によってエネルギーの高密度化に成功したから」だと中川氏は説明した。
小型軽量を維持しながら、より多くの電力を蓄えられる構造を実現したのに加え、低温環境など過酷な状況下でも、バッテリー性能の低下を最小限に抑えて安定した駆動を担保できるそうだ。
『OPPO Find X9』の最高性能を支える「Dimensity 9500」
続いては、『OPPO Find X9』の高性能を支える新世代のSoC(System on Chip)について、メディアテックジャパン株式会社 アカウントマネジメント ディレクター代理の出石 賢氏が説明した。
同社のフラグシップSoCである「Dimensity 9500」を搭載した『OPPO Find X9』は、前モデルと比較して図のようにCPU・GPU・NPUが改善したという。特にGPUは近年発売されたモバイルSoCの中で、圧倒的かつ最高の性能を実現したと出石氏は語り、「Dimensity 9500が今年最も強力なAIモバイルプラットフォームになると確信している」と自信を見せた。
また、OPPOとMediaTekが共同で開発したリソース管理アーキテクチャ「OPPO Trinity Engine(オッポ トリニティエンジン)」は、高負荷シナリオでの処理速度を37%向上させる高精度なモデル予測を採用し、電力効率を大きく改善。
さらに、従来よりも電力消費を16%削減しつつ、4K HDRビデオの撮影を行うことも可能になった。そのため、『OPPO Find X9』は写真撮影や動画視聴、ゲームなど、日常のあらゆるスマートフォン体験の中でMediaTekのフラッグシップ技術を体感できると出石氏は述べた。
秘書のように活用できる「OPPO AI」
その後、再び中川氏が壇上に上がり、「OPPO AI」の紹介を行った。これまでに背景の不要なものを消せる「AI消しゴム」、被写体のブレ補正、窓ガラスの反射除去など写真編集機能を継続的に強化してきた。
こうした既存の機能に加えて、Find X9では肌の色味を個別に最適化する「AIポートレートブロー機能」を搭載し、誰を撮っても自然で好ましい印象になるように補正する機能を追加した。
そして、スマートフォンに散らばったさまざまなデジタルデータや情報をスマートに整理し、いつでもすぐに記憶を呼び出せる情報アシスタント「AIマインドスペース」も追加された。情報を一元管理し、必要な時にすぐに呼び出せるOPPO AIは、「ユーザーの秘書のように活用できる」と中川氏。
さらに、おサイフケータイに対応したことで、交通機関の利用や決済はもちろん、マイナンバーカードを使った行政手続きまでスマートフォンひとつで完結できる。
進化が止まらないOPPOだが、今後は新しい写真コンテスト「OPPO imagine IF Photography Awards」やeスポーツイベント「OPPO CUP」など、ユーザー向けイベントも開催し、コミュニティづくりにも注力していくという。
日本のスマートフォン市場におけるシェア争いはより一層加速していくのではないだろうか。





































