現役大工YouTuberの“日本家屋”紹介動画が話題 リフォーム予定も視聴者からは「もったいない」の声
現役大工YouTuberの大工の正やんが2025年12月12日、公式YouTubeチャンネルに、これからリフォームに取り掛かる築55年で70坪の日本家屋を紹介する動画を公開した。
正やんは2級建築士と1級技能士を持つ現役大工YouTuber。福井県敦賀市で52年もの間職人として腕を振るい続け、その活動を発信するYouTubeチャンネルの登録者数は86.2万人に達する。
今回の動画は、70坪の面積を誇る築55年の日本家屋をフルリフォーム(解体)するにあたり、現状の内外装を大工目線で紹介するという内容。玄関先に立った正やんは、年季の入ったその佇まいに「築55年ということは、自分が大工を始めて丁稚に入った時と同じですよね」としみじみ感じ入る。なお古い住まいだが、正やんによれば「古民家」には該当しないとのこと。その第一印象を「古くなった田舎のいいお家」といい、「古民家といったらもう10年、20年欲しいですね」と私見を述べた。
外壁でひときわ目を引くのが、板材を少しずつ重ね合わせていく伝統的な木造家屋の工法「鎧張り」だ。正やんは「(昔の家は)必ずと言っていいほど鎧腰(鎧張り)にしていましたよね」と懐かしみ、「こういうふうに55年持っとんやね」とその頑丈さを手で触れて確かめた。
そこから家屋内に入ると、正やんは「嶺南(福井県)はヒノキが良いの取れますから」と玄関の柱を触り、「形的にはこれが大黒(柱)になるのかね」と見抜いた。さらに別の柱を指して「こっちが小黒(柱)」といい、「炊事場に近いほうが大黒(柱)ということになっていますから」と解説する。ちなみに小黒柱は恵比寿柱とも呼ばれ、「大黒(柱)と恵比寿(柱)、縁起のいい名前を付けてあるやね」と、その由来が七福神であると明かした。
その後、雰囲気のある書斎や座敷、洋間を巡る正やん。洗面所では「ここのお宅のおじいちゃんは素晴らしい左官さんやったんやね」といい、「55年前に作っても全然(劣化してない)。良い仕事してありますよね。大体はどこか欠けてますよ」とその高い技術に感服した。
このように、一見するとリフォームの必要はなさそうだが、古い家ならではの問題もある。居間にやってきた正やんは「昔の家の一番といっていい欠点は、差し込み(コンセント)がないということやね」と話す。たしかに四方が引き戸に囲まれたその部屋には差込口が足元にはない。正やんの身長よりも高い天井付近の外壁に無理矢理コンセントを1~2個設けていて、電化製品ありきの生活を送る現代人にはあまりにも不便だ。
「これをイマドキにスカッとやり変えます」と、リフォームを前に意気込む正やん。昔ながらの日本家屋が、熟練大工の腕によりどんな理想の住まいに生まれ変わるのか。引き続き注目していきたい。
本動画に対し、コメント欄には「リフォームするのもったいないくらい、素晴らしいお家」「築55年でこんなに綺麗なんか」「立派なお宅。古くても全然見劣りしない」「このお家が現代の生活に合う形に生まれ変わるんだろうなあ」などの声が寄せられている。

























