『FFXIV』公式バンド THE PRIMALSが到達した“ロックの聖地” ゲストを迎え特別演出で魅了した初の日本武道館公演

THE PRIMALS、初の日本武道館レポ

THE PRIMALSの悲願を叶えた達成感とともに迎えたラスト

 観客がペンライトを揺らしながら、掛け声をかけた「ロングフォール ~異界遺構シルクス・ツイニング~」。祖堅のトランペットがいつも以上の軽快さで吹き鳴らされた「メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~」では、ラストでドカーンと特効の大爆発音が楽曲を盛り上げた。そして本編も残り2曲。タイトなビートとかき鳴らされるギターが印象的な「エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」は、観客が照らす白いペンライトの光に会場が包まれた。ラストの「過重圧殺!~蛮神タイタン計滅戦」では赤いペンライトと映像演出によって、会場がまるでマグマに飲み込まれたように染まり、祖堅の〈タイターン!〉という叫びが武道館にこだました。

 アンコールならぬ祖堅コールに促され、再びステージに登場したメンバー。GUNNのボーカルでお馴染みになった「忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~」は、ガレージロックのようなラフで荒々しい演奏と歌に、会場が掛け声をかけて盛り上がる。「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」では、曲中のカチカチと鳴る時計の音に合わせて時が止まる演出がお馴染み。バンドメンバーと観客が一斉に動きを止めた瞬間は、日本武道館に新たな伝説が刻まれた瞬間だったのではないだろうか。そして観客が体を揺らして熱狂する「ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~」で、祖堅がジャンプを決めて終わるというのがこのツアーの恒例だった。

 しかし日本武道館は特別。メンバーは楽器を下ろすことなく、ステージにはハウリングノイズが鳴り響き、祖堅は「もっと欲しいだろ!」といった感じの身振り手振りで観客をはやし立てる。そして腕を高々と掲げ、それが振り下ろされた瞬間、本当のラストナンバー「Open Sky - The Theme from Dawntrail」が繰り出された。客電がつき、観客の大合唱が響き渡った武道館。ビジョンには「Zepp Tour&日本武道館 無事完走」の文字。ツアーではずっとオープニングで演奏していた同曲だが、この楽曲の持つ爽快感が、日本武道館というTHE PRIMALSの悲願を叶えた達成感とも相まって、何とも言えない満ち足りた気持ちにさせてくれた。「ここまで来られたのは、本当にみんなのおかげだぜ! ありがとうな!」とコメントした祖堅。その表情はゲーム音楽クリエイターというよりも、ロックに焦がれたまま大きくなったロックキッズのようだった。

■セットリスト
『THE PRIMALS Dark Decades Tour BUDOKAN』
2025年9月30日(火)日本武道館

1. 此処に獅子あり ~万魔殿パンデモニウム:辺獄編~
2. Scream ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~
3. White Stone Black ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~
4. Bee My Honey ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~
5. Ride the Rhythm ~至天の座アルカディア:クルーザー級~
6. Back to the Drawing Board ~至天の座アルカディア:クルーザー級~
7. Not Afraid ~至天の座アルカディア:クルーザー級~
8. Unleashed ~至天の座アルカディア:クルーザー級~
9. Close in the Distance
10. Shadowbringers
11. 月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~
12. ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~
13. メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~
14. エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~
15. 過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~

En1.忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~
En2.ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
En3.ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~
En4.Open Sky - The Theme from Dawntrail

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる