マダミス/TRPG好きなら一度は試してほしい シナリオ制作者がボイチェンアプリ『Voicemod』の使用感を体験レポート

 昨今、マーダーミステリーやTRPGの需要が増え、さまざまなユーザーがオンラインセッションに参加しつつある。

 今回紹介するのは、そんなマダミスやTRPGに彩りを与えてくれるアプリ『Voicemod』だ。こちらはいわゆるボイスチェンジャーアプリとなっており、セッション中に自身の声を変えたり、効果音や背景サウンドを付け加えたりすることができる。

【ボイチェン】GTA V ロールプレイ集|Voicemod × Elgato × シミュグラで声を変えながら遊ぼう!

 こちらのアプリを、マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズの作者でもある筆者が、自作のテストプレイや、販売中のTRPGを遊びながら使ってみた。その使用感をレポートしよう。

 なお、今回の執筆に際して、『Voicemod』より『Voicemod PRO』のライセンスを提供いただいたので、こちらを使っていく。

 先述した通り『Voicemod』はボイスチェンジャーアプリだ。ワンクリックで声を変えたり、戻したりすることができる。さらに、専用モバイルアプリやElgato『Stream Deck』ともプラグインで連携することができ、ゲーム中でも手元からワンボタンで操作できる。

 使い方は非常に簡単で、アプリをダウンロードしたのち、使いたいボイスをクリックするだけ。自分の声がどう変わっているかもリアルタイムで確認できるので、まずは色々と触ってみるのが良いだろう。

 ただし、Discordのボイスチャットで使用する場合は「音声&ビデオ」から「入力デバイス」を「Voicemod Virtual Audio Device」に変更する必要があるのでお忘れなく。使用後は入力デバイスをいつものマイクに戻せば問題ない。

 実際にマーダーミステリーのプレイ中に使ってみたところ、とても面白い体験が得られた。

 筆者はGM(ゲームマスター)として参加し、オープニングシーンのナレーションやルール説明を担当した。殺人事件に至るまでの物語を滔々と語るシチュエーションだったので『Voicemod』公式のボイスから「The Narrator」を選択。年老いた男のしわがれ声で、シリアスなナレーションにはぴったりだった。

 また、同卓してくれたプレイヤーは、女性記者のキャラクターを選択しており「Cartoon Woman」のボイスで喋っていた。これを使うとコミカルでキーの高い女性の声になり、日本人のイントネーションにも合っているボイスだった。

 そのほかにも、ひょうきんな声になる「Banana」や、市内に警報や連絡を届けている風の「Megaphone」、定番のロボット声の「R.O.B.O」、有名なラッパーの声になれる「Lil’ Mod」など、公式が提供するボイスだけでも山ほどある。一般人に近い声も多数用意されており、マダミスに使えそうなものが揃っていた。

 くわえて、『Voicemod』のライブラリにはコミュニティが制作したボイスもたくさん用意されており、逐次追加されていっている。ロールプレイをせずとも、これらのボイスを適当に試しながら喋り合っているだけでも面白い体験だった。英語圏のアプリということもあり、片言の日本語っぽく聴こえるボイスもいくつかあるが、それがまた笑いを誘うポイントでもある。

 また、サウンドエフェクトもさまざまに用意されている。ひらめいた瞬間の「Eureka」や、日本の市街地をイメージした環境音が流れる「Japanese City」など、ボイスチェンジャー以上に汎用性の高い素材がたくさんある(やたらゾンビ系の素材が多いのは、制作者の癖なのだろうか?)。

 「今ここで何かSEを流したい!」と思ったときにパッと鳴らせるので、いちいちフリー素材のものをダウンロードしてこなくてもよくなり、GMやシナリオ製作者は重宝することだろう。もちろん、コミュニティが投稿しているものもあり、流行りのミームなどを一発で流すことができる。

 これらのボイスやサウンドは気に入ったものを「Soundboards」というスペースに保存しておくことができるので、よく使うものをすぐ呼び出せる。また、おすすめしたい効果音とボイスをリンクで共有する「Voicemod Custom Soundboard」 機能にも注目だ。

 そして当然、一から自作のボイスを作ることも可能だ。「Voicelab 2」という機能を使って、オリジナルの音声を生み出すことができる。

 こちらは完全にゼロから自分なりに組み上げていくこともできるし、まずは雛形をランダムに作ってもらって、そこから細かく調整していくこともできる。一般的なDTMソフトと違ってシンプルなUIなので、作曲経験など専門的な知識がなくともそれっぽい音声を作ることができるだろう。

友人同士の人狼にもオススメ! ストリーマーの間では『Voicemod』を活用する事例も

【まさに神ボイス】Apex Legends をボイチェンで無双!?(feat. 怒鳴るド)- Voicemod ヘルプ動画

 なお、国内でもGTA V ロールプレイのスト鯖やタレントが出演するオンライン配信番組などで『Voicemod』を使って配信を盛り上げるといった活用もおこなわれている。ここではいくつか具体例を紹介していこう。

 マーダーミステリーとも近しいジャンルでいえば、宇宙人狼としてよく知られる『Among Us』で『Voicemod』を使ってみるのは面白いだろう。普段からよく遊ぶ友人同士だと、声色で怪しまれたり、人狼が得意な人を中心にゲームが進行したりするが、『Voicemod』を通すと「誰が喋っているのかわからない」が故の新鮮な展開を楽しめるはずだ。

【紹介リール】Voicemod 企画配信 活用事例 (2025)- Voicemod(ボイスチェンジャー)

 配信やストリーマーも『Voicemod』を大いに活用している。たとえばeスポーツチーム・UNLIMITが提供するYouTube生配信企画『AJITO BY UNLIMIT』では、ナレーション役が本稿にも登場した「The Narrator」を使用、いわゆる“天の声”を再現している。テレビなどではお馴染みの音声加工だが、いわゆる「音声さん」がいないストリーマーの現場でも『Voicemod』があれば手軽に実現できる。

【#AJITO】”TIE”から3人が登場!深掘り企画&AJITOファミリーとバトル!? AJITO BY UNLIMIT #5

 『DREAM MATCH 雀魂 下剋上リーグ』では、試合開始前に解説席のMCが手元のElgato『Stream Deck』で『Voicemod』を操作して効果音を鳴らしている。出演者が“自分のタイミング”で手軽に音を鳴らしたり、声を変えたりすることができるのは『Voicemod』ならではの強みだ。

【第2週】DREAM MATCH 雀魂 ”下剋上リーグ” - 公式配信【雀魂】

 またストリーマーオンラインコミュニティ「Simulation Of World(SOW)」が運営する『GTA V』を使ったロールプレイサーバー『シミュグラ』ではひょうきんな声の「Banana」を使って正体を隠したりするプレイヤーもいるようだ。サバイバルゲーム『Rust』を使ったストリーマー企画『天下統一RUST』では、『Voicemod』のサウンドボードを使ったイタズラをおこなうプレイヤーも現れ、銃声で他プレイヤーからの襲撃を装ってみたり、壮大なファンファーレを“煽り芸”に使ってみたりと、数多くの見どころを生み出した。

 総じて『Voicemod』はオンラインゲームやマーダーミステリー、TRPGで遊ぶ際に重宝するアプリと言えるだろう。劇的に体験が変わる必需品……とまでは言わないが、シンプルな見た目と使いやすさのまま、色々と面白い体験を作ることができる非常に小回りの利くアプリという印象だった。普段からオンラインセッションを行う人には、ぜひとも体験してほしいところである。記事末尾に『Voicemod Pro』を7日間無料で体験できるクーポンを掲載しているので、チェックしてみてほしい。

■『Voicemod』(無料版)ダウンロードはこちら

公式WEBサイト:https://www.voicemod.net/ja/
『Voicemod』7日間無料クーポン:REALSOUND1025-849E6
クーポン登録ページ:https://www.voicemod.net/ja/redeem-a-coupon/

■『Voicemod PRO』(有料版)との違い

・200種類以上の「ボイスフィルター」が無制限で利用可能
(無料版:毎日5つのランダムな「ボイスフィルター」が利用可能)

・サウンドボードとサウンドプロファイルの作成数上限なし
(無料版:最大5つまで作成可能)

・Voicemod サウンドデザインチームによる高クオリティのサウンドボードにアクセス可能
(無料版:利用不可)

・様々なエフェクトの組み合わせによって自由自在にカスタムできるボイスチェンジャー機能「Voicelab 2.0」にアクセス可能
(無料版:利用不可)

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