コスパも冷却も申し分なし DELLがおくる次世代のゲーミングノートPC『Alienware 16X Aurora』

ゲーミングノートPC『Alienware 16X Aurora』

 デル・テクノロジーズから2025年、新しいゲーミングノートPC『Alienware 16 Aurora』および『Alienware 16X Aurora』が登場した。記事執筆時点で『Alienware 16 Aurora』は11万9837円から、『Alienware 16X Aurora』は23万7124円から購入可能と、ゲーミングPCとしてはお手頃なモデルだ。

 2025年1月に、デルはブランドの大幅な再編を実施している。いくつかのブランドの名称が統廃合されたが、そのうちのひとつに「Dell G」というゲーミングブランドがあった。2018年から続いていた息の長いブランドだ。

 この「Dell G」シリーズが、デルおなじみのゲーミングブランドである「Alienware」に統合。今回紹介する「Alienware 16 Aurora」シリーズは、「Dell G」の後継モデルとして位置づけられるモデルなのだ。

 かといってAlienwareブランドの製品と大きな差があるわけではないが、優れたコストパフォーマンスは特徴と言えるだろう。今回は上位モデルとなる『Alienware 16X Aurora』について紹介していこう。

スマートかつ精悍なデザイン

Alienware

 PC本体のほか、280Wの高出力な電源アダプターを同梱。PC本体の重量は約2.6kg。なお、カラーはインターステラー インディゴのみ。

Alienware

 ゲーミングノートらしいヘヴィなサイズ感ではあるが、意外にもデザインはスマート。放熱性と耐久性に優れたアルミ素材を採用し、見た目にも高級感がある。天面にはデルのロゴではなく、Alienwareロゴがオーロラカラーに輝いている。

 

 ちなみに、今回レビューするモデルのスペックは以下の通り。CPUとGPUを、それぞれフルチューンした。メモリは最大64GB、ストレージは最大2TBまで増設が可能。

CPU…Core Ultra 9 275HX
GPU…Nvidia RTX 5070 8GB Laptop
メモリ…32GB
SSDストレージ…1TB

 

Alienware

 さすがに2kgを超えるノートPCは軽量とは言い難いが、上述のスペックや電源の出力を鑑みれば納得できるレベル。それでも本機の上位クラスにあたる『Alienware 16 Area-51』と比べれば1kg以上も軽く、厚みも抑えられている。ゲーミングの世界では「手頃なサイズ」と呼んでも差し支えはないと思う。

Alienware

 充電やUSB、HDMIなどの端子類は背面に集約されている。電源ケーブルは太さがあるので側面に繋ぐと干渉しがちだが、背面接続ならケーブルも逃がしやすい。

Alienware

 Alienwareブランドといえば、信頼できる冷却システムが挙げられる。底面には大きな給気口があり、段差を設けることで効率的に空気を取り込める設計に。内部には静粛性に優れた超薄型ブレードのファンを2基内蔵し、熱伝導性に優れた3本の銅製ヒートパイプがCPUとGPUの熱を効果的に発散する。

Alienware

 側面には左右で合計4口の排気口がある。やりすぎともいえるこれらのエアフローこそ、Alienwareの魅力だろう。筆者はいつも「エアフローこそ正義」と考えているが、それはPCにおいて高い性能を出すためには発熱が避けられず、いかに冷やすかが高いパフォーマンスを出すポイントとなるからだ。高パフォーマンスが要求されるゲーミングPCならばなおのこと。

あらゆる動作に余裕を感じる、さすがのゲーミング馬力

Alienware

 実際にゲームをプレイしていて感じたのは、その軽快性だった。『サイバーパンク 2077』などのAAA級ゲームをプレイしてみたが、起動も早い、描画も早い。もちろん『サイバーパンク 2077』のレイトレーシングをONにしても、カクつきはなし。これがRTX 5070の威力か……!

 また、特に気に入ったのはキーボードの打鍵感の良さだ。反発が早く、底打ち感も少なめ。細かい点ではあるがキートップがマット加工なのも、軽やかな手触りに影響していそうだ。スピーカーの音も迫力があり、2W×2基のDolby Audio対応スピーカーはエンタメも楽しめるだろう。

Alienware

 16インチのディスプレイは見ごたえも文句なし。解像度は2560×1600で、リフレッシュレート240Hz。G-SYNC対応かつDCI-P3カバー率100%で、ハイエンドらしいディスプレイに仕上がっている。筆者は普段フルHDのディスプレイを使っているが、やはり解像度の高いディスプレイは見ていて心地良い。

 Alienwareシリーズでおなじみのソフトウェア『Alienware Command Center』もしっかりインストールされている。PCのパフォーマンスや熱管理、サウンド、キーボードのRGBライティングなどを管理できる便利なソフトだ。本機のキーボードは『1ゾーン AlienFX RGBキーボード』なので、キーの色はすべて一括での変更となる。

 最後に、本機の性能を数字で確認すべく各種ベンチマークソフトの測定結果を見ていこう。なお、すべての計測は電源に繋いだ状態のバランスモードで実施している。

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 GPU性能を重点的に評価する『3DMark Time Spy』での測定結果は、14261となった。フルHDのゲームを快適に遊べる基準の13000を1割ほど上回っており、グラフィック性能は申し分ない結果だ。ベンチ中の映像にもカクつきは見られなかった。

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 CPU性能を中心に評価する『Geekbench 6』での測定結果は、シングルコア性能が1432、マルチコア性能が14756、GPUスコア(OpenCL)が120838と出た。CPU性能は中〜上位レベルだが、GPU性能についてはトップクラスの高い数値を叩き出している。

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 最後は『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION』の公式ベンチマークソフトで計測。今ではやや古いタイトルではあるが、こちらも12711と高い結果が出た。スコア12000以上で「非常に快適」となり、本ソフトではこれが上限値となる。

コスパモデルであると同時に、多くのPCゲーマーにとっての決定版

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 今回レビューしたモデルはCPUとGPUを強化したカスタムモデルだが、このバランスは正解だった。ゲーミングPCを選ぶからにはやはりグラフィック性能に期待したいユーザーは多いだろうし、Core Ultra 9とRTX 5070の組み合わせはAAAタイトルをプレイするにも充分な性能だった。本機の優れた排熱性を考慮しても、高いパフォーマンスを維持できるだろう。

 本機はミドルハイクラスに位置づけられており、このポジションは多くのPCゲーマーを満足させることができる。より手頃なモデルの『Alienware 16 Aurora』はエントリー向けなので、どれほど重いゲームをプレイする想定なのかが差別化のポイントとなるだろう。ちなみに筆者が最近プレイしている『ボーラーランズ4』などは推奨システムがメモリ32GBなので、エントリークラスでは厳しいといえる。これから発売されるAAAタイトルを視野にいれているのなら、『Alienware 16X Aurora』がオススメだ。

 シンプルかつスタイリッシュなデザインに、ハイアマクラスを満足させるスペック。そこにAlienwareゆずりの優れた冷却性能をトッピングと来れば、今後数年は戦えるゲーミングノートとして重宝すること間違いなく、お勧めの一台だ。

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