『ホロスターズ大運動会2025』で再確認した“ファンとの絆” 笑いの絶えない昼公演の様子を振り返る

『ホロスターズ大運動会2025』昼公演レポ

 9月23日、東京・有明TFTホールにて、男性VTuberグループ・ホロスターズのイベント『ホロスターズ大運動会2025』が開催された。今回のイベントはホロスターズ6周年を記念したリアルイベントだ。

 本稿では昼公演の模様をレポートする。なおイベント内容のネタバレがあるため、アーカイブ配信を視聴予定の方はご注意願いたい。

 筆者が最初に訪れたTFTホール300には、イベントグッズの物販スペースと展示スペースが設けられていた。物販コーナーでは、運動会をモチーフにしたビジュアルが使用された様々なグッズを販売。多くのファンが集い、イベントグッズを求める姿が見られた。

 販売グッズの展示だけでなく、ホロスターズのメンバーによる「夏休みの宿題」として、手描きの絵日記や粘土で作った立体造形の工作が展示されているスペースもあり、開始前から熱心なファンが列を成しており、大盛況だった。

 本会場はTFTホール1000。今回のイベントテーマは、題名の通り「大運動会」。チケットが紅白に分けて販売されており、座席も紅と白で左右に分けられていた。

 組分けは、紅組が花咲みやび(大将)、アルランディス(副将)、アステル・レダ、影山シエン、羽継烏有、水無世燐央。白組が、夜十神封魔(大将)、夕刻ロベル(副将)、奏手イヅル、律可、岸堂天真(体調不良で欠席)、荒咬オウガ。この組分けは6月に行われた配信番組のドラフト会議で決定されたものだ。

 ファンもそれぞれ推しカラーに合わせて、紅や白をコーディネートに取り入れたり、グッズのシュシュやフラッグを手にしたりと、大運動会の名にふさわしいお祭りムード。開始前のステージにはMVや、ファンから集められた応援のデジタルメッセージボードが映し出され、開演前の会場を盛り上げている。さらに開演直前には紅組メンバーによる注意事項のアナウンスも流れ、早くもわちゃわちゃと気合い入れの声出しをしてファンとコミュニケーションを取っていた。

 いよいよイベント開始。オープニングムービーにメンバーの名前が映し出されるたび、ファンが思い思いにコールを送る。メンバーのユニークなステータスグラフが映ると笑いが起き、和やかな空気だ。大きな拍手が巻き起こるなか、緑の芝やスタンドのベンチ、青空とまさにスタジアムで運動会を観戦しているような体感のステージセットに11人が登場。自己紹介とコール&レスポンスで客席を沸かせた。

 用意された競技は「体を動かすもの」「クイズで頭を使うもの」「ファンと一緒に競い合うもの」で、優勝チームには優勝旗が授与されるとの説明がおこなわれる。風にはためく優勝旗に歓声が上がり、両チームの大将である花咲みやび(紅組)、夜十神封魔(白組)による選手宣誓で、『ホロスターズ大運動会』が開会した。

 準備体操は影山シエンが担当。見慣れた動きからオリジナリティあふれるポージングまで、笑いを交えつつファンも一緒に体を動かしていく。

 ウォーミングアップとして、配布されたフラッグとシュシュを使っての旗揚げゲームがスタート。紅組は羽継烏有、白組は奏手イヅルが指示役となり、相手チームのメンバーと客席に無茶ぶりを仕掛けていく。しかしファンもそんな無茶ぶりにしっかりついていき、ホロスターズのメンバーも驚きつつ笑顔を見せる。

 さらに応援合戦では、声を使ってさらに会場を盛り上げていく。応援団長は、紅組が水無世燐央、白組が荒咬オウガ。メンバーそれぞれのオリジナルフレーズが編み込まれた応援コールに、ファンも双方負けじと声を出し、紅白の対決は白熱していった。

 ひとつ目の競技は「走れ!紅白早押しクイズ対決!」だ。4択クイズが6問出題され、前半は一般常識クイズ、後半はホロスターズのメンバーにちなんだクイズとなっている。客席のファンに意見を聞ける「オーディエンス」は、1チーム1回まで使用可能。さらに、回答ボタンを押す前にはその場でもも上げを10回しなければならない、という“運動会ならでは”の過酷なルールが設けられている。

 最初の対戦に臨んだのは、アステル・レダと夕刻ロベルの二名。お互い譲り合うように自信のない様子で答え、笑いを誘う姿が印象的だ。続いての花咲みやびと奏手イヅルの対決では、「サッカーは11人でやるスポーツですが、ラグビーは?」という問題が出題され、「結構スカスカだったような気が…」と「8人」を選択してしまう奏手、「響き的に好きだから」という理由で「14人」と回答する花咲に、メンバーも客席もツッコミを入れつつ大盛り上がり。ノーマルなクイズもホロスターズの手にかかると一筋縄ではいかないようだ。

 またホロスターズにちなんだクイズでは、紅組ではアルランディス、白組では律可が「オーディエンス」を使用するもなぜか答えを外すなど、笑いの絶えない波乱含みの対決となった。

 競技の合間には「ヒーロートーク」と題し、様々な組み合わせでトークコーナーを展開。最初の組み合わせはUPROAR!!(夜十神封魔、羽継烏有、水無世燐央)の3人で、息の合ったトークを披露して会場を盛り上げる。「全力で出してますか!?」と客席からの声援を求めると、客席からはこの日一番の歓声が沸き起こり、3人も喜びの表情を見せてファンとの交流を楽しんだ。

 ふたつ目の競技は「紅白対抗!目隠しホロスタPON!」。これは代表者が目かくしをして棒を持ってその場で10回まわり、30秒以内にスタジオに散らばった相手チームのメンバーに棒を当てたら得点が入る、というもの。なお相手チームは立ち位置を一度決めると動くことはできない、という、いわゆる“気配斬りゲーム”だ。

 紅組は花咲みやびが代表者として出場。白組のメンバーも巧みに避けるが、味方のアドバイスによって二人を当てることに成功した。かとおもえば、目の前にポジショニングしていた夕刻ロベルが奇跡的に生き残るなど、見どころも満載だ。白組は奏手イヅルが挑戦すると剣舞のようなファニーな動きであさっての方向へ行ってしまう事態に。このハプニング(?)に会場は爆笑の渦に包まれた。

 アステル・レダと影山シエンのヒーロートークでは、ステージを左右に大きく動き会場のファンに姿を見せた。目の前にいるファンの存在を確かめるように手を振りファンサービス。息の合った仲良しトークに、会場中がほっこりとした空気になった。

 続いての競技では「わちゃわちゃしよっか!紅白対抗!体力3本勝負」と題した体力勝負が行われた。

 まずは「地獄のスクワット対決」。30秒間のスクワットで合計回数が多い方が勝利となるというシンプルなルールだ。紅組はアルランディスと影山シエン、白組は夜十神封魔と荒咬オウガが挑戦した。ファンからの「がんばれー!」の大きな声援に4人とも力を存分に発揮。タイムアップと同時にフィールドに倒れ込む夜十神を全員で囲むという和気あいあいとしたやり取りもあって、ハードながらも笑いが起こる種目となった。

 次に行われたのは「アイドルなら余裕でしょ!ロングボイス対決!」。どこまで長く発声できるかを競う、肺活量勝負だ。紅組はアステル・レダと水無世燐央、白組は夕刻ロベルと奏手イヅルが挑む。「奏手イヅル、好きだー!」と発声した夕刻が早々にリタイアしたものの、他メンバーはそれぞれが自慢の声を遠く伸ばしていく。最後はアステル・レダがまっすぐはっきりとしたロングトーンで圧倒し、ステージ上の他メンバーや客席からも感嘆の声が沸く。

 「ちから自慢ちょっとヘルプ!紅白対決!」では、紅組は羽継烏有と花咲みやび、白組は夜十神封魔と律可がチャレンジ。さらに事前に応募したファンがランダムに選出され、ホロスターズメンバーと共に握力測定に参加するという内容だ。紅組、白組共に男性が選ばれたことで「めっちゃ強そう!」と期待が集まる。しかし、選ばれたファンも含め他のメンバーが30~40㎏前後の好成績を残すなか、花咲が「6㎏」という驚愕の数字を叩き出してしまい大騒ぎになるという一幕も。

 幕間のヒーロートークは花咲みやび、夕刻ロベル、奏手イヅルの3人が登場。夕刻ロベルが「奇しくも集められたこの3人、テーマがあります。競技の戦犯たちです」と明かすと、会場は大爆笑。「(花咲は)握力で戦犯、私はロングボイス戦犯、(奏手は)気配斬りで戦犯」と、ここまでの競技での“珍プレー”を振り返りつつ、3人は「ここからがんばろうね!」とガッツポーズを見せた。

 四つ目の競技はジェスチャーゲーム対決。前半はステージ上のメンバーがジェスチャーをして、客席が回答。後半は事前に渡されたキーワードを客席がジェスチャーし、ステージ上のメンバーが回答、という構成だ。動物などのシンプルなお題から、「宇宙」といったトリッキーなワードまで幅広く用意されていて、ここでも笑いが巻き起こる。

 後半、ファンが必死で伝えようとする姿を見たメンバーたちは、「わかる! みんなうまい!」「一生懸命ジェスチャーしてるのかわいい!」と楽しそうな様子を見せる。ステージと客席が一つになって協力し合った結果、両チームとも好成績を残した。

 ヒーロートーク最後の組は、アルランディス、律可、荒咬オウガの3人。ここまで共にハードに戦ってきたファンをねぎらい「疲れてない?」「水飲んでね」と優しく気遣う。またファンが持参したグッズをモニターに映し、自分たちのグッズを見つけて喜ぶ姿も微笑ましかった。

 最後の競技は、ファンによる大玉転がし。大玉風船を客席の前方から後方へ、そして再び前方へ戻すという、ファンの協力が必要な競技だ。途中で大玉風船が割れたらマイナス20点と責任重大! 勝敗の行方をファンにゆだね、ここまでとは逆にステージ上からファンを応援するホロスターズ一同。会場が一致団結し、この日一番の熱量で競技が進んでいった。

 ここですべての競技が終了。最終結果は紅組200点、白組285点で、昼公演は白組の勝利となった。優勝旗授与の後、拍手を送りあい両チームでファンも一体となって健闘をたたえあう。

 最後に最新曲「We are the HOLOSTARS!! & UPROAR!! -Next-」がイベント翌日の9月24日から配信されることが発表されると、大きな歓声が沸き起こった。さらにホロスターズEN“初”の3Dライブ開催、『アニメイトガールズフェスティバル2025』への出展など盛りだくさんの告知に、ファンからの喜びの拍手が鳴りやまない。

 最後にメンバーひとりずつの感想と、夜公演への意気込みを語り、昼公演が終了した。

 公演を観て驚いたのは、筆者の予想よりも遥かに、しっかりと「運動会」をしていたこと。VTuberが高い技術によって高められた表現力で、アナログな競技に挑戦していく、という楽しさがあった。だがそれ以上に、ホロスターズメンバーの仲の良さや、本気で楽しもうとする姿勢が客席に伝播していき、普段は画面越しにコミュニケーションを取っているタレントとファン双方が“リアルな存在感”を感じられたことに価値があったように思う。

 双方向性のあるイベント内容は心地良い距離感を生み出していたし、幅広い層のファンが垣根なく楽しんでいた姿も印象深い。そんなファンとの温度感は、ホロスターズメンバーの持つ人柄やチームとしての魅力が反映されているのだろう。終始笑い声の絶えないあたたかい空気感のイベントだった。

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