動画の長さはどれくらいが最適なのか 東海オンエアにみる“ファンが満足できる尺”とは

 しかしそういった理想があっても、いろいろ思うところはある模様。「どっちかっていうと、やっぱ短い動画の方が難しいですね」と切り出すと、「相当動画の企画内容とか中身が強くないと許されないなっていう感覚になっちゃってる」「再生回数はなんかあんまりだよね、短い動画って」と、グループのメインチャンネルに4月19日に投稿された「【人生初】ヤブサメ体験会が開催されているのでやってみたぞ!!!【カブサメ🐎】」を例に作り手ならではの苦しみを吐露している。

【人生初】ヤブサメ体験会が開催されているのでやってみたぞ!!!【カブサメ🐎】

 このカブサメ動画は、疾走する馬に乗って矢を的に射る流鏑馬を、馬の代わりにバイクのスーパーカブを利用して挑戦したもので、動画の長さは11分19秒。YouTubeをテレビでみる視聴者が増え、1時間を超える長尺動画が増加しているなか、11分強という長さは短い印象を受けるが、実はこの長さは視聴者には好評。「正直、このぐらいの長さの動画が丁度良すぎる」「こういう10分ぐらいの一発ネタの動画が本当にすき」といったコメントが多数みられるほか、「この時代にこの短さでここまで満足度の高い動画出せるの本当に凄い」という、称賛の声もあがっている。

 実は東海オンエアは、公開した動画の再生数が100万回突破するという記録を更新しつづけているのだが、カブサメ動画は公開から1か月で105万回ほどだったため、グループ内で若干の焦りがあったそう。無事に100万回は突破したものの、こういった結果から「1個強いテーマがないと短い動画怖いな」と、短尺動画の難しさを痛感しているというのだ。

 作り手も視聴者も動画の長さにはそれぞれ意見があることはわかったが、実際のところ、動画の最適な長さはどのくらいなのか。ここでの話はあくまでも東海オンエアのケースではあるが、先の虫眼鏡の動画に書き込まれたコメントから、視聴者側の気持ちをもう少し深堀りしてみたい。

 まず短尺動画については、「10~15分くらいのやつはどれもワハハって笑ってるうちに終わる感じする」「ぎゅっと詰まってる感じがして満足感がある!」といった声があり、短尺動画では満足度が重視されていることが読み取れる。一方の長尺動画については、「30分超えるとゆっくり時間ある時しか見られへんな〜」「20分以上の動画は暇な時に見よって思って後回しにしちゃいます」と、優先順位が下がるといった声がちらほらみられるほか、「一気に見るなら15〜20分」「20分~1時間くらいになると数日に分けて見てます」と、1本の動画を数日間に分けて視聴するという実態が浮かび上がっている。

 そのほかにも、「ながら見をしてるので、35〜40分あるとかなり嬉しい」「20分前後だと朝の時間に見れてラッキー感あります」といった、視聴者の生活習慣が垣間見れるコメントもあるが、とくに印象的だったのは、「20分くらいだと長尺ってなるんだろうけど東海はそのくらいの方が一番強みを出せると思う」というコメントだ。1本の動画にはテーマや再生数、視聴者の満足度、視聴習慣などさまざまな要素が絡み合っているわけだが、視聴者のコメントをみると、適切な動画の長さというのは結局、クリエイターの強みがしっかりと出せているかによって決まるのかもしれない。

東海オンエア・しばゆー復帰 激動の一年を経て、改めて感じた圧倒的な“存在感”

2024年10月12日、人気YouTubeグループの東海オンエアが、活動11周年を祝した動画を投稿した。長年YouTube界のト…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる