にじさんじが誇る“新世代の配信モンスター”小清水透 後輩との交流で見せた、新たな一面

頼られることの喜びが彼女を突き動かす
そんな小清水の『Minecraft』配信がふたたび増えるきっかけとなったのが、2025年1月24日から3月31日の期間限定でおこなわれた企画 『にじさんじ若手女子限定マイクラサーバー』である。
これは小清水の後輩である栞葉るりが音頭を取ってスタートした企画で、2022年にデビューしたVTA出身のRanunculusと壱百満天原サロメを先頭に、Idios、みたらし団、いずれ菖蒲か杜若、Specialeといった後輩組のうち女性メンバーのみを集め、『Minecraft』の共同サーバー内で一緒に遊ぼうという趣旨の企画である。
もちろん小清水もIdiosのメンバーということで参加することになったのだが、デビューから約1年で『Minecraft』に関してはかなりやり込んでいた立場であり、そもそも同作品のプレイ経験が浅い後輩たちが中心になることを見越してか、参加当初は控えめに振る舞おうとしていた。
だが、小清水の経験や普段のオーラから漂う“先輩らしさ”は同企画に参加するメンバーにとってかなり心強く映ったようで、長時間にわたって配信する小清水になにかと声をかけて楽しむ姿が見られるようになる。交流の浅かった後輩たちと関係を深めた小清水は、より本腰を入れて同企画に参加するようになっていくようになった。
企画参加の初日に建てた拠点から、「海の中の拠点よくね? ガラスで作ってさ」とふっと思いたち、ほぼ毎日のように7時間~8時間、長い時では12時間近い配信をつづけ、約1ヶ月ほどの期間で大規模な海中建築「Sea Paradise」を作り上げた。
入口から一気に階段をくだり、水が張った井戸のなかへと潜る形で入ることができるこの海中建築は、場内が水で満たされていて泳ぎで移動するようになっており、ミステリアスな神殿広場を真ん中に、農場・食料庫・倉庫がそれを取り囲むように配置されていた。
中心部分は青色のランタンが灯されるなど妖しさ満点なのだが、各空間に入ると普通の部屋のように歩いて移動できるうえ、それぞれ異なるテーマに沿ってデザインされている。デザインの細やかな違いや狙いについては、3月6日に完成した際に彼女自身が熱っぽく語っている。
そんな彼女の丹精こめた建築については、企画に参加した面々ももちろんその存在を知っており、作業中の彼女と出会うとたびたび建築途中の現場にむかい、一様に驚きの声を上げていた。
『Minecraft』には「海底神殿」「森の洋館」などさまざまなダンジョンやギミックがあるゲームで、同企画内では参加者を募ってそれらダンジョンに挑戦することもおこなわれていた。先にも書いたように、サーバーに参加するメンバーたちはあまり『Minecraft』をプレイしたことがない面々が多い。そんななか、小清水はある種のメンター的な立ち位置から彼女らとともに参加した。
後輩に対しさまざまな説明やサポートをし、明るく無邪気に遊ぶ後輩らと笑い合う。この企画を通してこうしたシーンが多く生まれたわけだが、にじさんじの先輩たちの前ではおとなしく振る舞ってみたり、ソロ配信ではある程度穏やかに配信を進めたりする小清水が、同期とのコラボ以外でこうも楽しげにするとは……その変化に驚かされたファンもいたはずだ。
彼女と実際に会話した後輩たちの間でも、イメージ・先入観と実際の彼女との違いが話題になっていた。この企画を通して特に仲良くなった後輩といえば、Speciale所属の早乙女ベリーと、いずれ菖蒲か杜若所属の綺沙良の2人が挙げられる。
特に綺沙良とは、サーバー企画の期間中に開催された『にじさんじフェス2025』1日目のラジオブースでダブルMCを務めており、サーバー企画の影響もあってか男性ファンを多く集めていた。綺沙良曰く「ラジオでしーちゃん(小清水)と初めて会えた」とのことで、フェス期間中はホテルからの移動も含めて一緒に行動することが多かったようだ。
「すごいゲームの印象があったけど、思った以上に話が合った」
「ダウナーで落ち着いているイメージがすごくあったけど、よく笑ってくれるし、話しやすいしノリもめっちゃ良い。すごく楽しかった」
「しーちゃんのことを頼れるお姉さんと思って接してたけど、わたしのなかでちょっといじめたくなる先輩になった。冗談とかいうとタジタジになってくれるところとか楽しすぎて、なんかイジリたくなっちゃった」
このように振り返っており、先輩・後輩の垣根を越えた友情が芽生えたようだ。
小清水がデビューしてから約2年。これまでは同期であるIdiosの6人に対してはフランクに、にじさんじ外のストリーマーやVTuberらには比較的丁寧な姿勢で関わることが多く、にじさんじの先輩たちにはクールかつ程よい距離感で振る舞ってきた。
だが、今回の企画で“にじさんじの後輩”という直属の後輩達から知識やゲーム力の高さで頼られ、それゆえに“先輩らしさ”と“友達として”のくだけたコミュニケーションを経験したことは、彼女のなかでもかなり新鮮かつ刺激的な関わり方であったに違いない。彼女のこれまでを振り返っても、これは大きな出来事だったようにみえる。
VTA出身のにじさんじメンバーが今後増えていくことが予想されるなかで、Ranunculus・VOLTACTION・Idiosといった面々が配信者・ストリーマーの先輩として頼られるシーンが増えていくのは明らかだろう。そういったシーンやシチュエーションを経て、小清水透がどのような人物へと変わり、成長し、ポジションを得ていくことになるだろうか。クールなオーラがどう移ろいゆくのか、ぜひ注目していきたい。






















