にじさんじが誇る“新世代の配信モンスター”小清水透 後輩との交流で見せた、新たな一面

現在のVTuberシーンにおけるトップランナーのひとつであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。
育成プロジェクトである「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」からも新規ライバーがデビューし始めており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与え始めている。
今回から数週にわたり、2023年にデビューしたタレントたちにフォーカスした特集記事を書いていく。Idios、Oriens、Dytica、みたらし団といった面々はVTAに所属・学んだメンバーが多く、2025年現在までに3Dビジュアルを手に入れ、今後のにじさんじを背負っていく中核メンバーとなっていくだろう。今回の連載では、小清水透について書いていく。
にじさんじの誇る新たな“長時間配信者”として知られる小清水
こんちゃ〜。初めまして。
にじさんじ所属の新人
小清水 透 ( こしみず とおる ) です。今日からよろしくお願いします〜🫧 pic.twitter.com/m5echYobn4
— 小清水 透🫧 (@toru_2434) January 16, 2023
小清水透は、2023年1月16日にSNSに初投稿、19日にYouTubeにて初配信をおこなってデビューした。優しめの青色をした髪の毛をショートにまとめ、紫色の瞳にキュッと小さい口元、くわえてデビュー時にファッションモデルとして起用されていたように、スタイリッシュなビジュアルをしている。
彼女は穏やかな口調と低めのトーンで話すタイプで、豊富なゲーム知識も相まって「自立したしっかり者タイプ」に見られることが多い。これは決して間違っておらず、実際に彼女の配信中では落ち着いた気持ちで会話やゲームプレイを楽しむことができるはずだ。
また彼女はプレイするゲームも幅広く、「モンスターハンター」「ポケットモンスター」「ドラゴンクエスト」といった人気シリーズから、『原神』『ペルソナ4』『遊戯王マスターデュエル』『ELDEN RING』などの流行タイトル、『League of Legends』『Apex Legends』『VALORANT』といった競技性の高いゲームまでそつなくプレイする。
FPS・アドベンチャー・ホラー・RPG・カードゲームなど、異なるゲームシステム・内容を苦にすることなくプレイする彼女は、高いゲーム理解力をもったゲームプレイヤーだといえる。さらにデビューから現在に至るまで、その理解力を徐々に広げており、自身のポテンシャルをリスナーに見せてきたといえる。
当の小清水自身に言わせればゲームシーンの潮流やジャンル・区分けに詳しいわけではなく、犬山たまきとのコラボ配信の中では「ギャルゲーと乙女ゲーの違いがよくわかっていない」姿もみせている。
小清水はデビュー時から「好きなことを好きなだけやる」をモットーに掲げて活動をしており、そのスタンスは長時間に及ぶ配信時間にも顕著に見えてくる。ひとたび配信を始めれば5~6時間超えの配信になるのは当たり前、日によっては10時間超え、しまいにはYouTubeのライブ配信アーカイブの上限時間である12時間を超えて配信することもしばしばだ。
本人曰く「デビュー直後は配信時間をセーブしていた」と語っているが、実際には彼女がデビューした2023年の総配信時間は2121時間を超え、にじさんじの中でも図抜けた数字を叩き出し、日本国内で活動するにじさんじ在籍者のなかでトップを飾っている。2024年にTwitchでの配信をスタート、結果的に総配信時間は約1804時間となり、にじさんじ内トップクラスの長時間配信者として知られるようになった。
ちなみに2024年の彼女の配信活動でもっとも最長となった配信は、ストリーマー参加型の大型企画「VCR RUST」に参加した初日の配信であり、2024年4月13日から14日にかけて約27時間以上にわたってプレイしつづけた。にじさんじ内コラボに限らず、参加型サーバー企画へ加わることも多い彼女だが、このときは大型企画ということもあって、テンションがあがっていたのだろう。
こうして、にじさんじ外にも積極的に交流を図る彼女は、徐々に「にじさんじの小清水透」として認知されはじめている。
ちるふぁ~む。https://t.co/gAT0YpISfs
— 小清水 透🫧 (@toru_2434) April 13, 2024
VCR RUST初日ありがとうございました!
初日だし様子見だったけど色々出来てめっちゃたのしかった〜〜〜❕😊😊
ふぁ〜〜むたのしいね。
— 小清水 透🫧 (@toru_2434) April 14, 2024
さまざまなジャンルのゲームをプレイする小清水だが、特にチルでスローライフなシミュレーション系ゲームをプレイしているイメージが強い。「牧場物語」シリーズや『Coral Island』『Luma Island』に『PLANET ZOO』と、日本・海外作品を問わずスローライフを楽しめるゲームを多くプレイしており、彼女の配信の中でも注目を集めやすくなっている。実際そういったゲームを配信をしていると、ググッと視聴者を集めているようで、彼女への期待が垣間見えてくる。
そういったイメージやファンの支持を集めるきっかけとなったのは、デビュー時からプレイしてきた『Minecraft』にある。もちろんにじさんじ在籍者のほとんどが同作品をプレイしてきたわけだが、そんな中でも彼女はデビュー時から『Minecraft』を配信でプレイしていた。
最初に制作した拠点を徐々に拡張して「小清水タウン」を建築したのを始め、『Minecraft』のバージョンがアップデートされるたびに新要素を楽しもうとプレイを続けてきた。加えて、同期各々の家をつなげる駅・線路を建築するために奮闘、「いでぃおす村」として集落化を試みたことも。その頑張りをまとめた動画は彼女のチャンネルに投稿されている。
彼女が手塩をかけて建築した「小清水タウン」は現在、久しぶりに『Minecraft』をプレイするにじさんじメンバーがサーバー内を観光する際の名所の一つとなっており、訪れたにじさんじライバーたちは点在する各建築物や理にかなった収納倉庫などをみて驚きの声をあげている
小清水透の『Minecraft』配信で特にインパクトのあった出来事といえば、先輩・来栖夏芽とのやり取りだろう。
夜24時に夏芽が小清水に「おやすみ」とゲーム内チャットで挨拶して配信を終え、翌朝9時に夏芽が『Minecraft』配信をしようとサーバーに入ったところ、夜通し配信していた小清水が「おかえりなさいませ」と挨拶して出迎えたのだ。「いちどの配信内で先輩のお見送りとお出迎えの挨拶をした」という逸話である。
このとき夏芽が2度目の配信を短めに終えたことで、小清水は2回目となるお見送りの挨拶をしている。このやり取り・流れはデビューしてわずか1ヶ月後となる2023年2月20日に生まれた出来事で、「新人のなかで、とびきりにヤバい長時間配信者がでてきた」とファンや同僚らから注目を集めることになった。
先に述べた長時間配信者のイメージは、来栖とのエピソードも含め2023年内の『Minecraft』配信による影響が非常に大きい。2023年の1月、デビュー直後に生まれたこのエピソードに加えて、上半期だけで50回以上にわたって『Minecraft』配信をつづけたことで、同年末に「小清水タウン」がある程度完成を迎えるころには、7時間~9時間にわたる長時間配信を何度とこなす「にじさんじが誇る新たな長時間配信者」というイメージがすっかり定着したわけだ。