格ゲーマーたちが見せた“一流アスリートの顔”が美しかった――歌広場淳の「CAPCOM CUP 11」観戦録

歌広場淳の「CAPCOM CUP 11」観戦録

 大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「歌広場淳のフルコンボでGO!!!」。今回は、3月5日~8日に開催された『ストリートファイター6』(以下、『スト6』)の世界大会「CAPCOM CUP 11(※1)」と、翌9日に開催された公式プロリーグの世界決勝「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ(※2) 2024」(以下、「SFL:WC 2024」)の振り返りをお届け。

 「CAPCOM CUP」史上初めて、日本にて開催された今大会。会場となった東京・墨田区の両国国技館に5日間通い詰め、世界最高峰のプレイヤーたちによる激闘を目の当たりにした歌広場淳に、会場の盛り上がりや、海外選手たちを目の前にした感想、注目の日本人選手たちの活躍ぶりなど、現地参加してみて感じたことを余すところなく語ってもらった。(編集部)

※1 CAPCOM CUP:「ストリートファイター」公式として世界中で展開する大会群「CAPCOM Pro Tour」にて出場資格を得た選手たちを集め、その年の世界最強プレイヤーを決める最高峰の個人大会。

※2 ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ:公式プロリーグ「SFL」の日本、アメリカ、ヨーロッパ各地域代表チームを集めて開催される世界決勝大会。4人1チームの団体戦形式。

「この瞬間のために生きてきた」“聖地”・両国国技館への憧れ

 僕は小学校5~6年生くらいのころからゲームセンターに通うようになり、そこにいたお兄さんやおじさんたちと友だちになるわけですが、ある年上の人から「いいもの見せてあげるよ」と言われたことがありました。

 その人が、いかにも“大事なものを入れる箱”みたいなところから出して見せてくれたのは、『ストリートファイターII』(以下、『ストII』)のキャラクターが描かれたメダルでした。聞けば、その昔、両国国技館で全国大会が開かれたそうで、このメダルはそのときにもらえたものなのだと。

 僕が格闘ゲームを本格的にやりだしたのは、『ストII』がものすごいブームになってから何年か経った後で、両国国技館に少年たちが8000人くらい集まったと言われる全国大会の盛り上がりも、もちろん経験できていませんでいた。

 だから僕は格闘ゲーマーとして、「時代に乗り遅れてしまった」という感覚をずっと持っていたんです。いわゆる本当の黄金期みたいなものは過ぎてしまっていて、大事なことはすべて僕が格闘ゲームの世界に入る前の時点で終わっていて、当時を超えるようなできごとはもう二度と起きないんだろうなって。

 だから大げさに聞こえるかもしれないですけど、今回の「CAPCOM CUP 11」の会場が両国国技館だと発表されたときは、「この瞬間のために生きてきたのかもしれない!」ってくらいのよろこびがありました。

 もう「何をおいても絶対に参加しなくては」「会場で盛り上がりを体感しなくては」と思い、日程が近づいてきた中でお仕事のスケジュールを調整していたところ、今回「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」の公式ミラー配信をさせていただいていたこともあり、カプコンさんが招待してくださったんです。結果的に5日間フルに現地観戦したんですけれども、参加できて本当によかったなと思っています。

 ただ、これはもう周知の事実ですけど、次回の「CAPCOM CUP 12」も両国国技館で開催されるんですよね。僕はてっきり、こんなことは30年に一度のできごとだろうと思っていたので、めちゃめちゃビックリしました(笑)。

 なので今回は、次回大会への期待も込めて、「次こそは現地で!」と思っている方のためにも、現地で感じた盛り上がりについて振り返らせていただこうと思います。

アリーナと枡席で二度美味しい観戦体験

 両国国技館は、中央にある土俵――今回はそこにステージが置かれたわけですが――に対して、四方を囲むようにして観客席が設けられています。東、西、正面、向正面の4エリアにわかれていて。おかげで5日間通い続けても毎回違う角度、違う景色から観戦することができました。日ごとに対戦相手も変われば、観ている場所も角度も変わるので、1秒たりとも飽きることはなかったです。

CAPCOM CUP 11 公式esportsサイト インフォメーション チケット情報ページより

 前方のステージに対してみんなで一方向を向いて応援する会場とはまた違って、中央のステージに向かって全員の応援するパワーが集中するような一体感がありました。向かい合った客席や左右の客席も目に入ってくるから、メッセージを書いた応援ボードを掲げたり、思い思いのアパレル・グッズを身に着けたりして応援する姿もよくわかっておもしろかったです。

 今回参加するにあたっては、せっかくなのでアリーナ席と升席を両方とも経験したいと考えていました。ステージに一番近いアリーナ席と、両国国技館ならではの魅力である枡席とを、どっちも味わってみたいなと。

 アリーナ席の最前は、つぎにステージに上がる選手たちの待機席のすぐ後ろに位置していたので、待機中の選手どうしが会話している姿なども見ることができて、貴重な体験だったなと思います。

 一方の枡席は、これまでの観戦感覚とはまったく違って。座って足を伸ばして、背中もちょっと寄りかかったリラックスした体勢をとれたり、館内で売っているちょっとしたお菓子とかを食べたりしながら観ることができるわけですよ。「これめちゃくちゃいいな!」って、枡席に来た人は全員感じたと思います(笑)。

 1~3日目は平日だったので、土日だった4・5日目と比べたら会場内のお客さんの入りは落ち着いていたところがあって。試合間のインターバルの時間を利用して、物販や展示物、各種企業ブースなども楽しませてもらいました。『モンスターハンターワイルズ』の先行試遊会に参加したり、スズキさんとのコラボで制作されたジュリのバイクが展示されていたので、またがって記念写真を撮らせてもらったり。

 土日どちらか1日で回ろうと思ったら、土日の混雑ぶりもあってとても回りきれなかったと思います。そういう意味でも、平日を含めて複数日参加できたのはよかったですね。

優勝は日本人選手の翔! 15歳のダークホース・Blazの神がかり的プレイも

 今回は「CAPCOM CUP」史上初の日本開催ということで、やっぱり日本人選手が活躍してくれたり、勝ち残ってくれたりすると盛り上がるよね、というのは日本のファンが少なからず思っていたことだと思うんですけれども。結果としては、IBUSHIGIN所属(当時)の翔選手が優勝し、賞金100万ドル――日本円にして約1億5000万円を獲得することになりました。

CAPCOM CUP 11 Top16 - Final RESULTSより

 去年は下馬評を覆して、知る人ぞ知る強豪プレイヤーのUMA選手が優勝したんですが……今年もダークホースが現れましたね。Blaz選手というチリの15歳の、今大会最年少プレイヤーです。Blaz選手は準優勝だったんですけど、おそらく彼の戦いぶりを見て多くの人が思ったと思います。「ああ、今日は彼が優勝する日なんだろうな」って。

 格闘ゲーマーのなかでは、「今日はコイツの日だな」という考え方があるんです。大会となると、あまりにも神がかったプレイを連発するようなプレイヤーが、毎回ひとりは必ずと言っていいほど現れるものなんですよ。

 僕と同じケン使いで、僕が神と崇めているAngryBird選手を、まさかリュウ使いの15歳が倒してしまうとは。信じられなかったですね。厳密に言うとBlaz選手との対戦では、AngryBird選手は豪鬼を使用していたんですけど、それでもリュウがストレートで勝利するあの試合を見て「今日はこの子が優勝する日かもな」って思っちゃいました。

REJECT | ANGRYBIRD(豪鬼/C)vs 2GAME | BLAZ(リュウ/C)「CAPCOM CUP 11 Top16 Losers Semi Final」

 けれど、そこはさすが翔くんですよね。しっかりと脇を締めてBlaz選手との決勝戦に臨み、文句なしの勝利でしたから。会場もひとつになっていましたね。翔コールも起きていましたし。

「SFL:WC 2024」カワノ VS Punkは『GANTZ』最終話だった

 日本人選手たちが試合間のインタビューで、口々に「みなさんの応援が力になっています」と言っていたと思うんですけど、これは単なるリップサービスではなくて、本当にそうだったんじゃないかなと思います。それを一番感じたのが5日目の「SFL:WC 2024」の決勝戦でした。

 決勝戦の対戦カードは、日本代表チーム「Good 8 Squad」と、アメリカ代表「FLYQUEST」。ただ、日本の「Good 8 Squad」は、早々に後がない状況まで追い詰められてしまって。そこをなんとか首の皮一枚から追い上げて、“次に勝ったほうが優勝”という状況まで持ち込むわけです。

 そこで「Good 8 Squad」から登板したのがカワノ選手。日本の2024年シーズンの「SFL」で年間MVPにも選ばれた選手なんですけど、その瞬間、会場からカワノコールが巻き起こったんですよ。僕はその光景を見て、『GANTZ』という漫画の最終話を思い出しちゃいました。

 ガッツリネタバレなので嫌な方は読み飛ばしていただければと思うんですけど――ザックリ説明すると、『GANTZ』の最終話では、主人公の玄野計(くろの・けい)が地球の存亡をかけて、異星人との決戦に臨むんです。そこで、世界各地から全人類が「クロノ! クロノ!」って応援するんですけど、そのシーンが被って見えてしまって。

【日本語実況】「CAPCOM CUP 11」- Day5「Street Fighter League: World Championship 2024」

 まさにいま「ストリートファイター」発祥の地である日本の威信をかけて、カワノ選手が格ゲー星人・Punkと戦うんだって、そう思っちゃったんですよね。それで、ものすごい攻防の末にカワノくんが奇跡みたいな逆転勝利で優勝をつかむわけです。

 優勝後のインタビューでも、カワノ選手は「ここで勝たなかったら“カワノ”じゃないなと思った」という話もされていましたし、応援の後押しも力になったんじゃないかなと個人的には思いましたね。

 海外選手からすれば両国国技館はアウェイだったと思うのですが、それでも試合の後はノーサイドで出身国や推しの選手に関係なく、戦った両選手を讃える雰囲気があったことは、海外選手もよろこんでくれたんじゃないかな。というか、びっくりしたでしょうね。

 誰が勝とうと観客みんなが祝福するし、負けた選手にも最大限の拍手が贈られていました。そういった日本のプレイヤーやファンの姿勢を、海外選手たちに体感してもらえてよかったと思います。

 ある海外選手は、「日本ってブーイングが起きないよね」とも言っていました。これだけすごい試合を見せてくれた選手たちのことを讃えようというムードが会場にありましたし、「FLYQUEST」に対して贈られていた拍手や歓声とか、いま思い出しても胸が熱くなって泣いちゃいそうになります。というか、実際に泣いている人が周りにたくさんいました。

大相撲の聖地を沸かせたエドモンド本田

 Blaz選手の話に戻るのですが、あれだけ貫禄のあるプレイで強豪たちを淡々となぎ倒していった彼も、あらためて間近で見るとやっぱりあどけない少年なんですよ。ステージの上ではあまり感情を表に出さない感じなんですけど、試合後に相手選手から「まいったよ」みたいな感じで肩を叩かれたりすると、彼もうれしそうにしていましたね。

 ちなみに、いまから話すことは又聞きなので話半分に聞いてもらいたいんですけど、Blaz選手がなぜリュウを使っているのか、やっぱりみんな気になるわけじゃないですか。キャラクター性能で言うと、リュウは現環境においては上位に挙げられるようなキャラではないですから。

 それで、とある選手が「どうしてリュウを使っているの?」とBlaz選手に聞いたそうなんです。すると彼は、「ここが日本だからだよ」と言ったという……本当に、にわかには信じがたい話ですよね。「もしも今回の開催地がブラジルだったらブランカを使うし、ロシアだったらザンギエフを使ってた」と。

 実際、調べてみるとどうやらBlaz選手のメインキャラクターはエドだという話もあって。これが本当の話だったとしたら、超カッコイイですよね。すごいなって思いました。

 リュウと同じく日本ゆかりのキャラというくくりで言えば、今大会ではエドモンド本田も活躍しましたよね。みんな一度は考えたと思うんです。両国国技館で力士キャラの本田を使う選手が出てきたらおもしろいよなって(笑)。だから本田が出てきた瞬間は、すごい盛り上がりでしたね。

【日本語実況】「CAPCOM CUP 11」- Day3「Group Stage Elimination - Day3」

 使用したのは予選3日目のVxbao選手でした。対戦相手のキャラがキャミィということで、相性のいい本田をピックしたのだと思いますし、実際、ものすごくいい動きを見せて圧勝したというところも納得度がすごかったです。

 しかも、SA3の「千秋楽」(※3)をことごとく決めて勝っていたんですよね。両国国技館であれを見ることができたのは最高でした。展開としては100点満点でしたよね。結果としてVxbao選手は決勝トーナメントへの進出が叶わなかったんですけど、「素晴らしいプレイを見せてくれてありがとうございます!」という感じでした。今大会屈指の名シーンだったと思います。

※3 千秋楽:エドモンド本田のSA(スーパーアーツ)3の技名。相手にヒットさせた際に、足の摩擦熱で燃え盛る土俵を生み出す演出が特徴。

『スト6』に未だ眠る可能性を示したNoahTheProdigy

 今回、会場で活躍を見ることができた海外選手たちのなかで、個人的に印象に残っているのはNoahTheProdigy選手です。まだ22歳くらいのアメリカのプレイヤーで、特徴としてはとにかくバーンアウトしまくるプレイスタイルなんです。

 そういうセオリーを無視した、若さと野性味あふれるスタイルというのはどこまで通用するんだろうと気になっていて、実際アメリカ版の「SFL」では結構苦戦していたようなんです。

 狭き門を通過して「CAPCOM CUP」本戦に出場したという時点で、実力と安定感の高さは疑いようがないんですが、対戦相手から対策をされてしまうと独創的なスタイルを貫くのは厳しいのかな、今大会ではどうなるんだろう、と思っていて。

 そんな彼が今回、予選グループを1位で突破して5位タイまで上り詰めたと。決勝トーナメント進出が決定したときのインタビューなんてすごかったですよね。突然ラッパーが歌い始めたくらいのテンションで、「俺の戦いかたに文句つけてたヤツら、どうだ見たか!」的なことを一気にまくしたてるわけですよ。

【日本語実況】「CAPCOM CUP 11」- Day3「Group Stage Elimination - Day3」

 本人もめちゃくちゃ興奮していたんだと思いますし、大会MC兼通訳を務めたRyanも隣りで思わず笑っちゃっていましたが、とにかく痛快でした。彼のように常識にとらわれないプレイヤーが活躍してくれたおかげで、『スト6』の可能性を見せてもらえたというか。3年目も楽しみだなと思えましたね。

 オフラインイベントは、“あなたの推しが見つかる場”だと僕は常々言っているのですが、会場を訪れた多くのお客さんにとって海外選手たちを目の前で見る体験は初めてだったはずですから、今大会をきっかけにファンになってしまったって人はたくさんいたんだろうなって思います。

 GGHalibel選手とかすごく体が大きくて、それでいて本人は愛嬌のあるキャラクターなので、「かわいい!」って話題になっていましたよね。記念写真を求めるファンの長蛇の列ができていました。

 あと、MenaRD選手が出てきたときの会場の熱狂ぶりはすごかったです。明らかに温度が上がりましたから。日本人選手が出てきた瞬間に会場が沸くのは当然と言えば当然なんですけど、MenaRDは「CAPCOM CUP」を2度優勝した経験を持つ唯一のプレイヤーで、いまや「ストリートファイター」を象徴する存在のひとりですから。

 それもあって、MenaRDが出てきたときは「俺たちのMenaRDが来たぞ!!」くらいの盛り上がりがありました。「いまから彼のプレイが目の前で観られるぞ……!」という熱の高まりを感じましたね。

【日本語実況】「CAPCOM CUP 11」- Day4「CAPCOM CUP 11 Top16 - Final」

 大会なので勝った人がいれば負けた人もいるわけなんですけど、Leshar選手が初日にちょっと思い通りにいかない感じの負けかたをしてしまったときに、脇目も振らず控室に戻っていったシーンもよく覚えています。おそらく、すぐにまた練習をし直したかったんだろうなと。

 そんなストイックさが実って、Leshar選手は2日目以降で快勝に快勝を重ねて決勝トーナメント進出を決めたわけですから、やっぱりすごいなって思いました。

地球の裏側から来たファンとの出会いも――格ゲー異文化交流

 海外選手を応援しにきたであろう、海外のお客さんもたくさんいらっしゃいましたね。みなさん国旗や応援ボードを掲げて、声を張り上げて、本当に命がけの勢いで応援していて感動的な光景でした。

 たまたま1日目の隣りの席が、中国から来られた方で。僕はいま中国語を勉強していることもあって、がんばって話しかけてみたんですよ。その方の応援ボードにはXiaohai選手の名前が書いてあったから、「ウォ シー ファン シャオハイ(僕もXiaohaiが好きです)」って。

 そしたら相手の方に伝わったみたいで、反応してもらえたんです。それで僕もうれしくなってしまって、「Xiaohai イズ ザ・ベストプレイヤー!」みたいなことを言ったら、「それは言い過ぎなんじゃない?(苦笑)」みたいな顔をしていたのがよかったですね(笑)。Xiaohaiも、ものすごい実績を持つプレイヤーではあるんですが、その方も最近の『スト6』シーンのハイレベルっぷりをよく知っていたってことなんだと思います。

 あとは、はるばるブラジルから今大会を応援しに来たという女性の方が、ゴールデンボンバーのファンだということで声をかけてくださったんです。なんとなくブラジルって、日本のアニメやゲームなどの文化が浸透しているイメージはあったんですが、ゴールデンボンバーが好きなブラジルの方なんてなかなかお会いする機会がないから、めちゃくちゃびっくりして、すごくうれしかったです。

“また観られる”よろこび、来年こそは……

 試合以外の部分でも、個人的にすごく胸が熱くなったできごとがありました。およそ30年以上前、両国国技館で開催された『ストリートファイターIIターボ』の優勝者である中野サガットさんが、今回の「CAPCOM CUP」を観に来ていたそうなんですよ。

 ご本人のXのポストがあって、僕はそれを後から見て知ったんですけど。中野サガットさんのお名前自体は、僕が子どものころから本当に伝説として何度も何度も伝え聞いていたので、もしも会場でお会いできていたら当時のお話をいろいろと伺いたかったですね。

 それと話は変わるんですけど、僕は最終日の朝にどうしても外せない用事があったため、篠原涼子さんによるオープニングアクト(※4)を見逃してしまったんです。それだけが本当に悔しくて……。

※4 3月9日に開催された「SFL:WC 2024」では、オープニングアクトとして篠原涼子が『スト6』日本イメージソング「恋しさと せつなさと 心強さと 2023」を熱唱するライブパフォーマンスを実施。配信はされず会場限定のお楽しみとなっていた。

 だから悔いは残るけれども、とにかく30年に一度のこのお祭りを、僕は5日間通い詰めたぞ。やれることは全部やれたぞ! ……って思っていたら、次回も両国国技館で開催してくれると発表があって、「うおおおお!」ってなりました(笑)。

 今回で両国国技館での観戦の楽しみ方もわかったという方が多いと思いますし、きっと次回は枡席の争奪戦になるでしょうね。

 来年はさらに日本らしさ、両国国技館らしさを感じてもらえるようなパフォーマンスとして、土俵入りの儀式をやってもらいたいです。力士たちが選手たちを引き連れて現れて、そのなかにエドモンド本田も混ざっていて……的な光景、みなさんも見てみたいと思いませんか?(笑)

 大会5日間をとおして、両国国技館という聖地で、翔くんやカワノくんを筆頭に、会場からの応援を一身に背負って選手たちが戦う姿は本当に美しかったです。

 応援の声は聞こえていたと思うし、彼らも試合の合間にレスポンスしていましたけれど、一旦試合が始まってしまえば、選手たちは究極的には自分と対戦相手しか存在しない世界に突入しちゃうんだろうなと感じました。

 僕らの見知った格闘ゲーマーたちが、一流のアスリートに変わる瞬間みたいなものをみんなで見守ることができてよかったと思います。

 あと、笑い話としては、最終日の最終試合になったカワノ選手 VS Punk選手の試合の決まり手が、いわゆる“柔道”(※5)だったのがめちゃめちゃおもしろかったです。「あれ、両国国技館って柔道の聖地だったっけ!?」って(笑)。

【日本語実況】「CAPCOM CUP 11」- Day5「Street Fighter League: World Championship 2024」

※5 柔道:相手を画面端に追い詰めた際、通常投げを軸とした読み合いを繰り返ししかける連携の俗称。シンプルながら非常に強力。

歌広場淳×しょぼすけ「ストグラ」対談 配信者たちの織りなす“リアルタイムショー”として新たな文化に

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