『ライバー』の一日は過酷? 知られざる裏側を現役ライバーが解説

『ライバー』の一日は過酷? 知られざる裏側

 “ライバー”という職業が、まだ、世間に知れ渡っていない5年前から配信を始めた筆者。「簡単に稼げるんでしょ?」「楽なお仕事なんでしょ?」「YouTuberみたいな感じ?」そんな言葉をこれまで幾度となく問いかけられてきた。そこから、コロナ禍を境にライバーという職業は以前より有名になり、プラットフォームも大幅に増えている。世はまさに大ライバー時代を迎えているといえるのではないだろうか。

 とはいえ、ライバーとして食べていくには、一体どの程度の時間を配信に充てればよいのかがわからない人も多いと聞く。そこで今回は、ライバーのみで生計を立てている”専業ライバー“と、副業的にライブ配信を行っている“兼業ライバー”の1日を紹介。筆者が実際に専業・兼業を経験した立場として、どんなタイムスケジュールを組んでいるのかを知ってもらうとともに、ライバーは、やればやるほど奥が深く、いわゆる”沼”な職業であることを伝えたい。

そもそもライバーってどんな仕事?

 大前提として、ライバーの主な仕事内容は当たり前だが「配信をすること」だ。雑談や歌、楽器など、自分の得意なジャンルを披露し、配信に来てくれるリスナーとコミュニケーションを取り、楽しんでもらう。リスナーからのアイテム応援やアプリによってはランク時給制などを、ライバーは報酬として受け取る。

 また、配信をする事以外にも、リスナーへの特典制作や配信で行う企画考案・買い出し、ライバーとして成長するための分析なども仕事の一貫。一日の中で、配信をつけていない時間も、常に配信の事を考えて行動をしているし、外に出ずとも配信前にはまるでデートに行く日のように気合いを入れた衣装やメイクで臨むのだ。

専業ライバーの一日

【通常の日】

 配信頻度は、週4日~7日、一日の配信時間は平均8時間だ。時間帯によって出会えるリスナーが違うため、筆者は一日の間で2、3回に分けて配信をつけていた。また、配信時間を固定する事により、リスナーのルーティーンに入れてもらうのも大事なことだ。

 圧倒的に家にいる時間が多いため、趣味の時間や休日のお出かけなどで配信のトークのネタ集めなどもしている。また、完全在宅だからこそ、自分の中のオンオフが難しく、スイッチの切り替えのためにも、一日の最後に趣味の時間を筆者は必ず設けていた。

 また、専業ライバーあるあるだと思うが、携帯に向かって話すことが日常的になり、外出頻度が減るため久しぶりに実際に人と会って話す際にとても緊張してしまうことが多々ある。

 配信では自分が思っている以上にパワーを使うため、夕方に仮眠をとることで夕方配信と夜配信のパワーをチャージするようにしていた。そうすることで配信時間を長く取っていても、質を落とさずに続けることができたからだ。

【イベントの日】

 自分が入賞を狙いたいイベントがある場合、期間中は基本的に毎日配信を行う。その時間は平均10時間以上だ。

 イベントは、リスナーからのアイテム応援の量で競うものが多く、アイテムをいつもよりも投げてもらう方法も考える必要がある。一番分かりやすい対策は配信時間を増やすこと。いつアプリを開いても配信しているとなると、リスナーも応援しやすい環境になるからだ。また、イベント限定アイテムに特典をつける、コスプレをする、マイイベを考えるなど色んな工夫と特典制作も配信合間に行っていた。

 一日の半分が配信時間で、イベント時は通常時と比べて刺激的で楽しい反面、ヘトヘトになってしまうことが多いため、配信以外には、睡眠とご飯、お風呂などの“生きるために必要なこと”と特典制作などに力を振り絞って過ごしていた。

 また、イベント期間中は友人と会えないことや、自炊をするパワーがなく、フードデリバリーサービスを使うことが増えた経験がある。

※マイイベ=配信者が企画するイベント。ミッションをクリアしたリスナーにオリジナルのプライズを贈ることが多い

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