国内インフルエンサーマーケティングのパイオニア「UUUM」の裏側 クリエイターと企業PRの“ミスマッチを防ぐ”アイデアとは

インフルエンサーマーケティングの裏側

企業向けセミナーは“事務所機能だけではないこと”の証明にも 

ーーたった1つのツールで、UUUMのインフルエンサーマーケティングがより強固なものになった気がします。昨年からは企業向けセミナーを開催されていますが、どういった目的があったのでしょうか?

犬飼:2つの目的があると思っています。1つは、セミナーの参加者にその後のインフルエンサーマーケティングについてアプローチできるという意味で、新規顧客の拡大。もう1つは、「UUUM=動画クリエイターの事務所」というイメージがずっとあるなかで、インフルエンサーマーケティングの代理店でもあることを知ってもらうリブランディングの意味があります。

ーーリブランディングにおいて、セミナーを開催する意義についてはどう思いますか?

犬飼:インフルエンサーマーケティングはまだ歴史の浅い広告手法なので、実際なにがよく、どう効果が出るのか、なにに注意して進行すべきなのか、そういったものを発信することですね。インフルエンサーマーケティングに取り組んでいる企業は、弊社のような事務所機能を兼ねている企業や、キャスティングに特化している企業、代理店事業のみ行っている企業などさまざまです。そのなかで弊社は、長く取り組んでいるからこそ、法律周りにも注意して、企業と動画クリエイターの意図を双方汲み取りながら進行できると思っています。私は以前、キャスティングチームにいた経験から、UUUMの誇りになる部分は安全性やノウハウの確かさにあると感じているので、ノウハウをシェアすることで、弊社のマーケティングの強みをアピールしています。

松田:クリエイターを起用した制作業務は、企業向けのプロジェクトとは異なり、経験やノウハウがなければスムーズに進行させるのが難しい領域です。弊社はインフルエンサーマーケティングのパイオニアとして、豊富な経験を活かし、安心安全にクリエイティブを制作し、世の中に情報を発信できる体制を整えています。それをセミナー通じていろんな企業の方々に改めて知っていただきたいと思います。

犬飼:現在弊社では、ディレクションチームが案件の進行をしていますが、この業界では営業部門が進行を担当している企業も多く、進行部隊チームが分かれているのも強みです。ディレクションチームができる以前は、弊社でも営業チームが受注した案件の進行までやっていましたが、薬機法などの法律や投稿媒体の規約、ロケなどの専門知識をディレクションチームに集約したことで、営業チームから引き継ぎ、より効率的になりました。

松田:2023年10月から施行されたステルスマーケティング規制により、SNS上での個人発信を活用したプロモーションにはより慎重なアプローチが求められるようになり、業界全体に大きな影響がありました。こうした状況下だからこそ、専門知識と経験を豊富に持つ弊社が頼られる存在でありたいですね。セミナーは、そういった部分を広告主のみなさまに知っていただくきっかけになればという思いもあります。

ーーこれまでの知見を用いたインフルエンサーマーケティングは、ほかの企業には到底真似できないものなんですね。最後に、マーケティングチームの今後の展望を教えてください。

犬飼:まず、インフルエンサーマーケティングが広告手法として主流になってきているなかで、効果があることはわかっていただけてきていると思います。ですが、クリエイターがいざ投稿しても、再生回数が売上に直結するとも限らないですし、効果をどのように評価していいかわからないという企業の方々が多くいます。そこの振り返りの指標は実はたくさんあるので、そういうことをもっと外に出していきたいと思っています。また、整理したデータを活用するフェーズが今年からだと思っているので、より営業組織に介入し、売上を上げるというところを意識したアクションにもコミットしていきたいです。

松田:アメリカでは一部の企業が売上の40%以上をインフルエンサーマーケティングに投資していると言われるほど、当たり前の手法として定着しています。日本では市場が成長傾向ではあるものの、まだ一桁台にとどまっており、今後の拡大余地は大きいと考えています。

 競争が激化する中で弊社も苦戦する部分はありますが、インフルエンサーマーケティング自体は決して新しい取り組みではなく、長年の経験と実績を積み重ねてきた分野です。だからこそ、「インフルエンサーマーケティングといえばやっぱりUUUM」と、あらゆる広告主の方々に思ってもらえるような立ち位置を目指して、邁進していきたいと思います。

米子:営業活動のデータを取り扱うツールと日々向き合っていますが、そのなかにはこれまでの10年間でどの企業とやり取りし、どのクリエイターがどういうプロモーションをしてきたかなど、戦略的な営業活動をしていくにあたり、価値あるものが詰まっています。これまで培ってきたものを活かし、この先の10年にどうつなげていくか。よりデータドリブンな営業組織を作っていくために、頑張りたいと思います。

犬飼:UUUMの掲げている企業理念に「思いの熱量」というキーワードがあり、その言葉を営業組織はすごく大事にしています。クライアントの商品をしっかりと使い、理解してから提案するというような、その思いの熱量をクライアントにぶつけるというところを営業チームが担えるように、私たちはデータドリブンに一緒に考えていく立ち位置でいたいです。

■お問い合わせ
UUUMでは、クリエイターとのYouTubeプロモーション動画のみならず、主要SNSにおけるインフルエンサーPR投稿、SNS広告の制作・運用などさまざまな施策を統合したプロモーションプランニングを企画から実施まで、ワンストップでご対応しております。

https://marketing.uuum.co.jp/

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