彼女の給与が未払い→労基に駆け込む カップルYouTuberの“前衛的すぎる”Vlogが生まれた背景とは
最近、SNSを中心にじわじわと知名度を上げつつあるカップルYouTuber・カップル杉下を知っているだろうか。カップルYouTuberと聞くと、ほのぼのとした同棲生活や幸せそうにしている2人の日常生活を切り取る動画を発信しているイメージがある。だが、カップル杉下は思い描いているカップルYouTuberとは少し違うかもしれない。
今回は、2人のYouTubeチャンネルを中心に紹介。話題となった“労基”Vlogをはじめ、2人の独特な世界観を覗いていこう。
杉下カップルは彼女・れなと、彼氏・杉下によるカップルチャンネルだ。2人とも20代で、現在交際5年目となる。
基本的に動画は、ローテンションなトークを繰り広げるものが多い。ただ、その掛け合いがたまにコントかと思うくらいのテンポ感とワードセンスで繰り広げられていることがあるので、視聴者は2人の会話をずっと聞いていられる。大声でツッコむとか、爆笑する、といったハイテンションさはない。ただただ淡々とした面白さが続くのがカップル杉下の特徴であり、見てしまう理由だ。
たとえば、2人が山登りに行った「【月収4万】給料だけ老夫婦のリハビリ登山後編」という動画がある。まあまあ急な登り道に遭遇した際、「えぐいってそこ」「立ち飲み屋みたいになってるやんけ」「注文しといてなんか」「なにがいい」「チキン南蛮」「チキン南蛮1個」「突き出し豆腐やって」「経営難や」「ご注文2個からや」「もも3本」「なんで奇数なん」「4本しか無理? もうええわ」「揉めんな登んな」「文句言いながら厨房登んな」と喋るシーンがある。急な山道ひとつでここまでのくだりが飛び出してくるのだが、そんな掛け合いがカップル杉下の動画ではずっと続く。
2人の面白さを言語化するのはなかなか難しいのだが、此元和津也の漫画『セトウツミ』のような、静かな会話劇の面白さがある。見ている景色や訪れる場所はなんてことのないものなのだが、そこから生まれる2人の掛け合いが面白すぎるのだ。しかもその面白さが友達同士ではなくカップルから生まれているというのも、また新鮮に感じる。
そしてSNSで大きな反響があった、「一家の大黒柱の彼女が無職になりかけて普通に生活の危機」という動画。2人がやってきたのは、「大阪西労働基準監督署」。カップルのVlogで「大阪西労働基準監督署」が映るのは、後にも先にもこれが最後なのではないだろうか。やってきた理由というのは、彼女・れなの職場の給料が未払いとなっており、「とうとう3か月目に入ったということで」という至極真っ当なものだ。
結果は「連絡がつかんかったらどうにもならんらしくて」ということらしく、「10月から働いてたけど」「1月からの6日からの分しか入らない」ということだ。背景には会社が経営不振だったということがあると説明した。
コメントからは「vlogにしては前衛的すぎる」「なんやこの尖りコンテンツ」「初手「やったんでー」好きすぎる」と、見たことないVlogに反響が集まっている。約3か月分の給料が振り込まれないというれなの状況はもちろん喜ばしくないものなのだが、カップルのYouTubeチャンネルで労働基準監督が映ることと、2人のテンション感もあり、動画としては面白く感じてしまう。
いままでカップルYouTuberの動画を見てこなかったという人や、キラキラ・ハイテンションな動画が苦手という人は、ぜひカップル杉下の生活を覗いてみてほしい。2人にしかない面白さと安心感が、会話から伝わってくるだろう。
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