横浜流星が背負う傷…母親との過去が明らかに『わかっていても the shapes of love』最終話

『わかっていても the shapes of love』最終話

 颯(浅野竣哉)が光莉(福地桃子)への想いを込めた鎌倉バンクシー作品も。咲(朝倉あき)への恋愛感情と向き合った愛実(夏子)の作品も。そして琉希(佐野玲於)が美羽に作った鍋焼きうどんも。それぞれが悩み、そして溢れんばかりの感情を、作品や料理に込めてきた。だからこそ、そこからそれぞれの一歩が踏み出されたのだ。

 永遠なんてない。けれど、永遠を願うほどの感情こそが人生の華であり、そこから生みだされるモノによって人びとの心が動かされ、バタフライエフェクトが起きていく。たとえ、その作品そのものがなくなったとしても、その結果は永遠に影響していく。あの美羽が壊した、かつての恋人の作品が、漣と美羽の出会いを作ったように。

 ならばいま、漣にとって創る理由は美羽への感情そのものだ。そして、美羽もまた漣への感情を作品にしようとしている。そんなふたりがひとつの作品を創る瞬間こそ、まさに永遠を願わずにはいられないものだった。

 漣と美羽が仕上げた作品は、人が両手で何かをそっと抱えているように見える。その何も入っていない手のひらの先に、それに触れたすべての人たちの永遠の未来へと続いているという意味が込められているのではないかと感じた。目に見える確かなものなんてなくても、そこにはもう永遠と繋がっている。それこそ、このドラマを観たということも、きっと何かの影響を及ぼしているように。

 いまある形のままで時が止まるのではなく、流れ続ける時のなかでいまの想いを形にする。そんな「永遠のかたち」を手にしたふたりがこれからどんな作品を創っていくのか。もっと観ていたい気持ちだが、この先は私たちが「受け取ったもの、私たちなりに表現して」いく番かもしれない。

『ABEMA』総力特集 人気作品の裏側に迫るインタビュー&コラム

横浜流星の涙…会いたい人との約束の場所に現れず『わかっていても the shapes of love』6・7話

横浜流星主演のABEMAオリジナル連続ドラマ『わかっていても the shapes of love』(ABEMA)が、ついに配信…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる