『Nothing Ear(Open)』『CMF Phone 1』を見て感じる、Nothingの「コラボレーター」としての姿

Nothingブランドの新製品2種を見て

Nothingは「コラボレーター」としての道を進むのか?

 今回の新モデルを見て、感じたことがひとつある。それは、『CMF Phone 1』の背面パネルやアクセサリポイントへ取り付ける各種アクセサリー類は、ただの着せ替えアイテムというよりも、たとえば3Dプリンターなどを使った自作パーツなどの使用を期待しているのではないか、ということだ。

 というのも、筆者はかねてよりNothingの「コラボレーター」としての姿に注目してきた。同社は『Ear(1)』のローンチ以前から、デザインチームにシンセサイザーブランドのTeenage Engineeringを招き、そのDNAを取り入れながら開発を進めてきた。

 さらに『Phone (2a) 』では「Community Edition」として、スマートフォンとしては初めて、ユーザーと共にプロダクトデザインからマーケティングまでを共創し、この取り組み自体を、ある種のブランディングとしても機能させてきた。

▲当然非公式だが、「MagSafe対応に改造できそう」といった旨の声も

 

 ここから少しだけ想像力を飛躍させてみると、Nothing本家とCMF by Nothingの違いについても違った視点が浮かび上がる。

 Nothingブランドは公式が手綱を握った状態で、さまざまなコラボレーションをおこなうことで次世代の「ブランド」を作りあげようとしており、一方でサブブランドであるCMF by Nothingでは、非公式での、自由なコラボレーションを促す商品開発をおこなっていこうとしているのではないか。

 もちろん、現状CMF by Nothingはカメラ、レンズメーカーのSIGMAのように製品のCADデータを公開しているわけではなく、そういった旨のアナウンスをしているわけではない。今のところ筆者の憶測の域を出ないことも付け加えておきたい。

 しかし、NothingがAppleへのある種のカウンターとして登場したことも考慮すると、度々不満の声が上がる、ユーザーによるパーツのカスタマイズやバッテリー交換などを頑なに拒否するApple製品の強固な製品管理姿勢を継承するとは考えづらい。次世代のガジェットには、より柔軟に、より相互作用的であってほしいものだ。

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