大盛況の『モンハンワイルズ』から注目の“ゲーミング家具”ブースまで 見どころ満載の『東京ゲームショウ2024』現地レポート
9月26日、『東京ゲームショウ2024』(以下、『TGS2024』)が千葉・幕張メッセで開幕した。本稿では、初日の現地の様子をレポートする。
SIEの5年ぶりの出展が話題を呼んだ『TGS2024』。来場者の視線はPS5関連の展示に集中
『東京ゲームショウ』は、世界三大ゲームショウのひとつに数えられる国内最大級のゲームの展示会だ。今年は30年近くに及ぶ歴史のなかで最多となる985の出展社(国内450社、海外535社)を迎え、9月29日までの4日間の日程で開催される。主催するコンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、昨年の実績を上回る約25万人の来場を見込んでいる。
『TGS2024』目玉のひとつが、5年ぶりとなるソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)の出展だ。同社は単独の企業としては最大規模となる巨大なブースを、広い会場のほぼ中央、HALL6のエリアに構えていた。9月に発売されたファーストパーティータイトル『アストロボット』など、PlayStationプラットフォームで展開されるさまざまな大作ソフトの試遊台が所狭しと並ぶなか、とりわけ注目を集めていたのが、PlayStation 5関連の展示である。
SIEは9月11日、かねてから存在が噂されてきた同機のアップグレード版・PlayStation 5 Proを発表。『TGS2024』の場において、世界で初めて一般公開を行った。ブース内には、来場者がその造形やデザインを生で確認できるショーケースのほか、『FINAL FANTASY VII REBIRTH』『グランツーリスモ7』を実機で体験できる試遊台も設置されていた。多くのフリークから視線を集めたSIEの出展において、特に輝きを放っていたのがこれらであった。
今回、私は試遊の機会には恵まれなかったが、他の来場者のプレイを後ろから観るかぎりには、明確に現行モデルとは違う体験がそこにあったように思う。11万9,980円という決して安くない価格だけがひとり歩きしつつある同機だが、現地に足を運び、実際にその目でパフォーマンスを確認した来場者には、少なからず力と価値を示せたのではないだろうか。
また、SIEは9月20日、PlayStationの生誕30周年を記念し、初代PlayStationの配色をPlayStation 5やPlayStation 5 Pro、周辺機器にあしらった『PlayStation 30周年アニバーサリー コレクション』を発表している。同社のブースには、その実機を確認できるショーケースがあり、こちらも来場者の注目を浴びていた。
いまやレトロゲーム機として、当時を知るフリークにも、知らないフリークにも、そのデザインの美しさが認められている初代PlayStation。展示を通じ、所有欲を刺激されたフリークも少なくなかったに違いない。
『モンハンワイルズ』が大盛況。拡大続くインディー、ゲーミング向けデバイス/家具の市場にも注目
他方、ソフトウェアのラインアップにおいて目玉となったのは、2025年2月28日に発売されることが『TGS2024』の開幕直前に発表されていた『モンスターハンターワイルズ』だろう。
同タイトルについては、開発/発売元であるカプコンのブースに112台、上述のSIEのブースに40台と、ほかに例を見ない数の試遊台が用意され、整理券の配布を行っていたが、どちらもが開場から1時間にも満たないうちに予定数が終了となっていた。ビジネスデイでもこのような状況であったため、おそらく一般公開日にはさらにプレミアムチケットとなるはずだ。
シリーズ史上最多の売上本数を記録している『モンスターハンター:ワールド』の後継作として、発表時から期待され続けてきた『モンスターハンターワイルズ』。あらためて人気絶頂である「モンスターハンター」の勢いと、同タイトルの高い注目度を感じることができた。その他のカプコンの人気作品たちがメインの動線とは離れた場所に追いやられていた様子も印象的だった。
また、そのほかでは、インディーディベロッパーの出展数の増加も目を引いた。例年、一角に設営されていたインディーゲームコーナーは、昨年、一昨年から大きく規模を拡大。講談社 ゲームクリエイターズラボや、ハピネット Ancient Forge、アソビズム、BeXide(ビサイド)、コーラス・ワールド・ワイド、KADOKAWA、アスミック・エース、GRAVITY GAME ARISEといったメーカーを中心に、巨大なエリアを形成していた。
こうした状況は、現在のゲーム市場の実情を表すものと言っていいだろう。『TGS2024』が過去最多の出展数を誇る背景には、インディーの台頭という市場動向からの影響もあったのではないか。これらのなかから、2025年以降のゲームカルチャーを賑わすメーカー/タイトルが生まれるのかもしれない。
一方で、“ゲーム産業以外”からの出展も目立った。PCがゲーミングハードとして一般化したことで、東京ゲームショウでは、ゲームプレイ向けのPC/周辺機器を展開するブランドの参戦が増加傾向にある。
コロナ禍以降の開催で特に話題を呼んできたのが、ニトリなどのインテリアメーカーだ。『TGS2024』では、IKEAが企業として3年ぶりに出展し、新しいゲーミング家具コレクションを展示した。両社が横並びにブースを構えている様子は、ゲーミング家具市場のさらなる広がりを予感させるものだった。
本稿で紹介した以外にも、見どころが目白押しだった『TGS2024』。閉幕まではあとわずか。どこまで来場者数を伸ばせるのか。後日行われるであろうCESAの発表にも注目したい。
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