にじさんじ・先斗寧が人を惹きつける魅力の源泉とは 喜怒哀楽から生まれる“人間臭さ”

にじさんじ・先斗寧の魅力とは

 そんな先斗寧の得意ゲームといえば『スプラトゥーン』。同ゲームを使ったコラボ配信で多くの先輩・後輩らと交流を深めている。ゲーム内のランクはSランクであり、前述の花畑、長尾にくわえてフレン・E・ルスタリオ、五十嵐梨花、社築、春崎エアル、笹木咲、桜凛月、不破湊ら、にじさんじ内でも上級者である面々から一目置かれているレベルにある。

 先斗寧といえばもう一つ、「アイドルマスター シンデレラガールズ」シリーズの大ファンなことでも知られており、特に佐藤心の大ファンである。佐藤心が新規ビジュアルで採用された際にはほぼ必ずガシャ配信をしており、ゲーム内に採用されているMVを鑑賞する配信などもしている。

【デレステ】ただのオタクがMV鑑賞するやつ Vol.3【先斗寧/にじさんじ】
【デレステ】ただのオタクがMV鑑賞するやつ Vol.4【先斗寧/にじさんじ】

 また、2023年末から「アイドルマスター」関係のコンテンツが配信上で扱いやすくなった事情もあり、にじさんじ内で何度かカラオケ配信がおこなわれていたのだが、もちろん先斗寧も参加している。大好きな『シンデレラガールズ』関連の楽曲だけでなく『Side M』『ミリオンライブ!』関係の楽曲も歌っている。

【#にじさんじアイラブ歌リレー】たくさん歌わせていただきます✨│Singing Stream【先斗寧/にじさんじ】
【 #2434プロ 】 第2回アイマスカラオケ!叩こう、夢の扉を今! 【 supported by DAM 】

 この2作を含め、デビューからさまざまなゲームをしているが、『ペルソナ』『ポケットモンスター』『ファイナルファンタジー』といったRPG〜アクションゲームを多く配信し、アーカイブをみればその偏りに驚くことだろう。その行く末に心動かされる姿を何度となくみせてくれ、キャラクター達の一挙手一投足に集中しているのがわかる。

 そうしてゲームに親しむなかで“事件”ともいうべき配信が生まれた。

 それは、2024年4月12日におこなわれた『エアホッケー』配信での出来事だ。この作品は、もともと富士通が展開するパソコン・FMVシリーズにインストールされた「GamePack」のなかに収録されていたゲームであり、「ゆうた」という男子を操って、5匹の動物キャラクターと勝負する内容である。

 そんな『エアホッケー』が2024年3月28日にWEBブラウザ向けに移植・リリースされたということで、ネットミームと知っている層やトラウマが疼いた層などが一斉にプレイし、にじさんじのなかでも大きな注目を集めることになった。

 じつはこのゲームが有名なのは、ふつうモードと言われるうさぎ・ルンちゃん以降がかなり強く設定されていることが原因であり、あまりの強さに心を折られたユーザーの間である種のトラウマとして記憶に深く刻まれることになったのだ。

昔のパソコンに入ってた爆笑と絶望の『エアホッケー』
まさかの大型アップデートされ超激ムズになった昔のPCゲーム『 エアホッケー 』

 先斗はVTA時代の同期・鏑木ろこに薦められてノリでプレイしはじめたのだが、もちろんここまで込み入った情報を知るよしもなく、至って普通のゲームとしてプレイしはじめた。

 「エアホッケーってわからないけど、横に振ってればいいんでしょ?」とウキウキしながらプレイしはじめたのだが、一番手の象・トロゾウをクリアするのに20分以上かけ、2番手のちーすけに1時間以上かけ、その時点でかなり不機嫌な状態へ。

 そして3匹目のうさぎ・ルンちゃんと対戦したのだが、あまりの一方的にやられように途中から声すら発することなく黙々とプレイしつづけ、約2時間後にようやく撃破。

 「うおおおお!」「おめでとう!」と喜びやねぎらいのコメントがつぎつぎ書き込まれ、一気に盛り上がっているなか、先斗がぽつりと一言。

「二度とやらん」

 そこまでのあいだに「なんやこいつマジで」「しょうもないわこのネズミほんま」「二度とエアホッケーすんなよマジで」「ダボネズミが調子ノリやがって」と、ふだんの配信ではまったく発することのない低い声でキレていたわけだが、強敵を倒して一息つき、ようやく発したのがこの言葉だったのだ。

 リスナーへの言葉など一切かけることなく、そのままエンディングロールを流して配信が終了したのだ。

 時間が経過するうちに暗い闇が迸り、ドスの効いた先斗寧が露わになっていく流れは、見ている者すべてを震え上がらせたのは言うまでもない。後日、にじさんじの先輩・桜凛月との対談配信ではこのように振り返っている。

「わたしはちょっと動物たちとかわいいエアホッケーがしたいだけなのに、なんでいまこんなことになってるんだ?って思ってた」

「ゲームプレイのもどかしさで『んんんっ!』ってなることはありますし、ストーリーものだと敵に対して『なんでだよ!?』ってキレたりするんですけど、それは敵なりの理由があって『ああそういうことだったのか』って後からなることが多いんですけど、シンプルにキレたのは『エアホッケー』が初めてかもしれない」

【雑談】第5回 ゲストさんに聞いた10の質問/先斗寧さん【にじさんじ/桜凛月】

 この配信中にかなりの罵声・罵倒を発した彼女だったが、この配信についてはかなり反省しているようで、黒歴史のように振り返ることもある。自身のチャンネルにこの配信にまつわる切り抜き動画もあげており、お笑いとして昇華しつつ、「今後こういったことはしないように」という戒めのようにしているのだろう。

伝説のエアホッケー VSちーすけ #shorts #にじさんじ #先斗寧 #vtuber
伝説のエアホッケー VSトロゾウ #shorts #にじさんじ #先斗寧 #vtuber

 もちろんここまでではないが、ホラーゲームでも怖がりがゆえに大声を上げてギミックに怒ることもあるため、「普通の女の子がゲームをプレイしたら?」という構図に先斗寧はそっくりそのまま当てはまるのかもしれない。

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