今年も熱戦が繰り広げられた『にじさんじ甲子園2024』 数万人が見守ったドラマを振り返る
敵CPUが強すぎる? ゲーム自体の仕様変更も大きな影響を及ぼす
例年からのドラフトと育成配信にくわえて、今年はいくつかの要素も本企画を盛り上げ、大きな影響を与えることになった。まずはオリジナル変化球である。
今作の「栄冠ナイン」において初めて導入されたオリジナル変化球は、ベースとなる球種を選び、角度・変化・球速・ノビ・ブレーキ・キレ・重さ・エフェクトをうまく合わせることで、ユニークなオリジナル球種を作り出すことができるというものだ。
この企画においては、「第一ストレートをオリジナル変化球にするのは禁止」「第二ストレートのオリジナル変化球はオッケー」とし、「盛り上がりを意識してエフェクトは必ずつけること」というお達しが各監督になされたよう。
実際に使用できたのはあくまでゲーム進行中に偶然にも専用アイテムをゲットしたチームのみだったが、最終的には5チームがオリジナル変化球をゲット。剣持刀也が投げる「虚空ボール」、イブラヒムの「確 変」、月ノ美兎は「洗濯機スクリュー」(実際はフォーク)、笹木咲は「じゅぼぼぼール」、四季凪アキラは「BL×腐ォーク」と、個々人のバイオグラフィに沿ったボールが生み出されたのだった。
また今回「栄冠ナイン」モードで避けて通れないのが、前作に比べて強化された敵CPUとの対戦であった。この件に関しては深く記すことはしないが、『eBASEBALLパワフルプロ野球2024』では敵CPUがかなり強くなったようで、あまりの変化に『にじさんじ甲子園』企画がスタートする前から同作ファンのなかで一気に話題となっていた。
そんななかでまず先に動いたのは、今大会の監督ではなく、過去大会を経験した歴代の監督陣……イブラヒム、葛葉、レオス・ヴィンセント、笹木咲の4人。以前の大会を経験していて今作にゲームとしてもかなり期待を寄せていた4人は、ファンの間で「『栄冠ナイン』の敵CPUが強すぎる」と話題になっていることを聞きつけ、早速プレイすることに。
当初各々別々に配信を開いてプレイしており、イブラヒムと葛葉がソロ配信で、レオスと笹木が対戦企画ということでプレイしたのだが、その内容はなんともえげつないもの。あまりにも強くなった敵CPUに4人は戸惑いの表情を隠せず、配信中にもかかわらず急遽集まって「お前のところどうだった?」「どう打ってどう守った? 対策はあるのか?」と情報交換するほどであった。
配信見てくれた人ありがとう
謎が多くて面白い— 葛葉 (@Vamp_Kuzu) July 18, 2024
特にイブラヒムに関してはそのあとも数日にわたって『栄冠ナイン』をプレイしつづけた。結果、配信内では「呪い」「呪力」「呪術の核心」などのオリジナルワードが飛び出し、「イブラヒムの『栄冠ナイン』は呪術高専の座学」とまでSNSで言われるほどとなった。
今年の大会参加者に初参加メンバーが5人もいたこともあり、決してゲームに慣れているわけではない。そのため、「育成配信や大会そのものがひどいものになるのではないか?」「そもそも今作自体がひどい評価になってしまうんじゃないのか?」という不安感、加えて彼自身のなかにある「強者を打ち倒したい」というゲーマー魂をも煽ったことで、彼は『栄冠ナイン』に“呪われた”かのようにプレイしたのだ。
新しい栄冠普通にクソ難しくなってるな‼️重要なステータスが丸ごと変わってる気がする‼️頑張れ新監督たち‼️‼️
— イブラヒム💧 (@honmono_ibrahim) July 17, 2024
何が、何が起こってるんだ・・・;栄冠ナインに・・・;;;
— イブラヒム💧 (@honmono_ibrahim) July 18, 2024
わかったことも多いがリアルに呪力の奔流に飲まれた。転生天才なしで2年目夏呪力の核心を掴んだものは私の元に来なさい。以上。
— イブラヒム💧 (@honmono_ibrahim) July 20, 2024
そんな彼らの企画開始前の先行プレイもあり、今回の大会参加者は育成配信をすぐには始めず、「まずはどのような内容か?」と配信外で何度となくプレイして勘を掴んでから実際の育成配信に臨むことになった。加えてこの先行プレイの内容がにじさんじファンの間である程度共有されたこともあり、「打たれても今作の敵CPU相手ならばしょうがない」という気持ちが生まれたのも、大きなポイントではないだろうか。
ちなみに、今作をプレイしたプレイヤーから多数の声が多数寄せられたことをうけ、コナミは『栄冠ナイン』内のCPUレベルを下げることを含めた様々なアップデートをおこなうとを発表。7月25日にはお詫び文が発表される事態に発展することとなった。
だがアップデートで弱くなったとしても、忘れることのできない強烈すぎるCPUの強さとそれによるゲーム展開。制作スタッフも意図したわけではないはずだが、衝撃的なまでの強さだったと記しておくべきだろう。
『パワフルプロ野球2024-2025』に関するお詫び pic.twitter.com/BGMgiHzvQl
— パワプロ・プロスピ公式 (@pawapuro_pro) July 25, 2024