文春砲にYouTubeでアンサー……マイファスHiroやヒカルによる“令和の週刊誌対応”を考える
ロックバンド「MY FIRST STORY」のHiroが、YouTube動画で週刊文春の取材内容を告白したことが大きな話題となっている。Hiroのほかにもこれまでに、霜降り明星・粗品やYouTuberのヒカルも自身のYouTubeチャンネルで週刊誌との“コラボ”を実施。今回は芸能人やYouTuberの週刊誌への対応について考えてみたい。
2024年7月24日、HiroがYouTubeに投稿した動画で、週刊文春の記者から連絡が来たことを告白。記者と直接LINEと電話でやりとりしたというHiroは、文春の記事が公開される前にYouTubeで記者のやりとりと記事の内容を暴露するという、壮大な“フライング”をやってのけたのだ。
5月に投稿した動画では、六本木のクラブにいたところを撮られ、その当時の内容が週刊誌に掲載されることを釈明したHiro。だがこの一件については、写真が撮られたとされる日にHiroが自宅におり、そのときに自身で撮影した証拠写真が残っていたほか、週刊誌側が送ってきた写真に写っていたのがHiroとはまったくの別人など、散々な内容。これには写真を見たスタッフも「全然違う人なんだけど!」と苦笑しており、Hiroも「適当すぎますね!」と、呆れ気味だった。この件についてはクラブでHiroと一緒に飲んだという女性からのリークだったそうだが、事実無根の出来事を記事にした怒りをエンタメに昇華させたHiroには、多くの称賛のコメントが寄せられたのだった。
報道をめぐる週刊誌と公人の攻防戦は、霜降り明星・粗品も話題になったばかり。5月に投稿した動画では、粗品があのちゃんとの熱愛疑惑をめぐり、「今日このあと、週刊誌に追い回されるらしい」と述べ、ファンから週刊誌の関係者と張り込み担当者間のやりとりを写したスクリーンショットがDMで送られてきたことを明かしている。週刊誌側がこの日、あのちゃんの家に張り込むことを知った粗品がとった行動は、「あのちゃんの家に行く」という週刊誌との全面対決。マネージャーとスタッフとともに、あのちゃんの自宅付近で張り込んでいた週刊誌側2名との接触と動画撮影に成功した粗品だが、どこの週刊誌なのか、張り込みの経緯などは聞き出すことには失敗。しかしながら、決定的証拠をつかもうと動いていた週刊誌側を牽制することになったのは間違いないだろう。
そしてYouTuber・ヒカルもまた、今年4月に交際をめぐる一件で週刊文春にまつわる動画を投稿している。撮影当日、週刊文集の記者からメールがきたことを明かすと、回答期限が当日17時だったことから、「YouTubeで回答します」と発言。記者を名指ししたうえで「ヒカルチャンネルでこれをみてくれてるかな?」と軽いジャブを入れると、芸能人が文春の餌食になってきたことに触れ、「YouTuberは違うんだ」「俺に取材なんて甘いことをするんじゃない」と喝。質問には「お手上げです」「あなたは凄い」と記者を褒め称え、「ほぼほぼ事実です」と回答したヒカルだったが、この動画を多くのメディアが取り上げる事態となり、文春のお手柄は水の泡となったのだった。
これまでも文春をはじめ、多くのメディアに取り上げられてきたヒカル。その分「耐性もついてきて、先回りするという技術まで身につけました」と述べており、これからの時代は言われっぱなしじゃない人が増えてくると思うので、そこも配慮しながらやった方がいいですよ」と記者にアドバイスを送るなど、YouTuberの強みを活かした回答の仕方には視聴者も爆笑だったようだ。
いままでは考えられなかった芸能人やYouTuberと週刊誌との“コラボ”。彼、彼女らが週刊誌との事実確認や発売日といった時間に縛られることなく、自由に動画を投稿できる自身のメディアを持つことによって、今後は一方的な報道に対する抑止力となるケースが増えてくると考えられる。YouTubeをうまく活用した芸能人や動画クリエイターたちの週刊誌への対応は、報道における新時代の幕開けといえそうだ。