小島秀夫や桜井政博はこんな作品も作っていた 有名ゲームクリエイターたちの意外な過去作
今やタレントとさして変わらない知名度を持つ有名ゲームクリエイターたち。彼らを追いかけて新作を買うというユーザーも増えてきたことだろう。
そこで今回は、名だたるゲームクリエイターが話題作のあいだに作り上げた意外な一作を取り上げよう。名作につながる布石が見え隠れするものもあるので、ぜひチェックしてみてほしい。
小島秀夫『ギターフリークス』
「メタルギア」シリーズの生みの親であり、映画業界とゲーム業界をつなぐ重要人物として世界中から注目を浴びているクリエイター、小島秀夫。ステルスゲームを世に送り出した男は、実はかの有名な音ゲーにも関わっていたのだ。
こうやって俯瞰すると不思議な感じ。企画、プロデュース作とベタで自分が関わるタイトル(A HIDEO KOJIMA GAME)を休みなく続けてきた。並べてみると、この36年間仕事ばかりしていたような。好きだから出来たが。ここには完全版や移植版は入ってない。音ゲーや他のプロデュース作品も全ては入ってない。 pic.twitter.com/P2UsI4LQwB
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) February 4, 2022
彼がプロデューサーとして参加しているのは『ギターフリークス』。ギター型のコントローラーを操って楽しむアーケード発のリズムゲームだ。
なお1999年にアーケードから移植されたゲームボーイソフト『beatmania GB』には『メタルギアソリッド』のメインテーマが収録されている。同じKONAMIの社内コラボというわけである。
打越鋼太郎『ペプシマン』
『Ever 17』『極限脱出 9時間9人9の扉』『AI: ソムニウム ファイル』などのアドベンチャーゲームをいくつも生み出しているシナリオライターの打越鋼太郎は、かつて『ペプシマン』のグラフィックデザインを担当していた。IGN Japanのインタビューで明かしている。
「僕たちはインディーズでニッチを世界中から集めたい」Too Kyo Games(小高和剛・打越鋼太郎・高田雅史)独占インタビュー
『ペプシマン』と言えば、ペプシコーラの宣伝のためにPlayStationで作られた奥スクロールのジャンプアクションゲームだ。4ステージというタイトさでありながら、強烈な個性を残す一本である。
いまではプレミアが付いているタイトルなので、まだ持っているという人は大切に保管しておこう。
巧舟/藤林秀麿『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』
「逆転裁判」シリーズで名を馳せたクリエイター、巧舟のデビュー作は、フジテレビの番組「ポンキッキーズ」から派生したゲーム『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』である。
それだけならまだしも、実は今作に関わっていたもう一人の有名クリエイターがいたのだ。その件について、巧舟が2018年にツイートしている。
一方、“ゼルダ”の藤林くんは、実はトテモ縁が深かったりします。
カレは任天堂に移る前、カプコンにいたのですが…当時ぼくのひとつ後輩で、なんと新人時代、一緒にゲームを作ったことがあるという…
まさか、あのカレが“伝説”になるとは。。— 巧 舟 (@takumi_gt) April 28, 2018
そのゲームの名はズヴァリ!
《学校のコワイうわさ 花子さんが来た!!》
…もはやその存在自体が“コワイうわさ”だったのでは…とウワサされるほどマボロシのゲーム。
目を閉じれば、今もあのキョーレツな主題歌が頭を駆け巡る…ほわほわほわほわ。— 巧 舟 (@takumi_gt) April 28, 2018
そう、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などでディレクターを務める藤林秀麿が、プランナーとして参加していたのだ。この件についてはNintendo Online Magazineの『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』特集でのインタビューでも確認できる(現在はリンク切れ)。
桜井政博『そだてて!ムシキング』
「星のカービィ」シリーズや「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの生みの親である桜井政博は、自身のYouTubeチャンネルで、LSI(電子)ゲームに携わった際の話をしている。
「甲虫王者ムシキング」のIPと『たまごっち』などに代表されるLSIゲームの組み合わせを頼まれた桜井が、いかにして企画を立ち上げたか、どういうコンセプトだったのかを事細かに語っているので、ゲーム開発に興味がない人でも観てみるのをオススメする。
ムシとのお別れの瞬間すらもしっかりと企画に練り込んでいるあたりが、彼の奥深いゲーム観を感じられて面白い。
上田文人『エネミー・ゼロ』
『ICO』『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』で世界中から支持されたゲームデザイナー・上田文人のデビューは、かの伝説的なクリエイター・飯野賢治が作り上げた『エネミー・ゼロ』である。
『エネミー・ゼロ』は『Dの食卓』の次に出た作品であり、上田文人はここでCGIアニメーターとして仕事をこなしている。
飯野賢治が自身の会社であるワープに上田文人を採用した際の文章が、飯野のブログに残っていたので、その一部を引用させていただく。
『エネミー・ゼロ』から参加した
「ICO」や「ワンダと巨像」の上田文人くんのことを、よく訊かれるんだけど
入社の審査ビデオの内容をいまでも覚えている。雰囲気がすごかった。技術ではなく。
実は、社内審査的にはうまくなかったんだけど、無理矢理頼んで採用したんだよね。
即戦力とかいうことじゃなくて、持っている才能が凄かったから。
技術以外で、ワープで学んだことなんて、なにもないんじゃないかと思うくらい
最初から、ずっと才能があった。世界を創る才能の持ち主だ。
以上、有名クリエイターの過去作に迫ってみた。今後も、クリエイターの意外な一本が見つかり次第紹介していきたい。
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