YouTubeで1時間超の動画が視聴される理由とは? だいにぐるーぷに聞く

「ショート全盛の時代は本当にきつかった」 

ーーこの仕組みがあるから、リッチコンテンツが作れるというわけですね。一時期、YouTube ショートが導入されてから多くのクリエイターがショートコンテンツに力を入れた時期があったと思います。ショート動画に注目が集まっていた時期について教えていただけますか?

岩田:しっかり数字は落ちましたけど、結果的には凌げたと思っています。新規の流入も減って、おすすめに載らなくなったときもあって、ショートの時代は本当にきつかったですね。でも必ずまた長尺動画への揺り戻しがくるだろうと思っていたんで、僕らは僕らのスタイルでちゃんといいものを作って、そのときが来るのを待とうという感じでした。

ーーいわゆるコアファンの方々が、そういう時期も支えてくれていた?

岩田:たしかにコアファンのおかげっていうのはあります。2年半前くらいにメンバーシップを始めたんですけど、コアファンがいたおかげで凌げたというのは本当にあると思います。

ーーすごく面白いですね。ユーザーの視聴行動の変化において、今後どのような対応を取っていきますか?

岩田:ショートコンテンツは日々新しいフォーマットも生まれていますし、これからも流行り続けるだろうなと思います。ただその短尺動画と、長尺動画では、視聴者から求められることが異なります。短尺動画は比較的、気軽に楽しめるコンテンツが求められ、長尺ではTV番組を見るような感覚で、見応えのあるコンテンツを求められる傾向があります。そのため、僕らは求められるように、テレビの大画面でみたくなるような見応えのある動画を作り込んでいきたいと思います。

 YouTube ショートが導入された当時は、自身のチャンネルとの相性の見極めや新規視聴者獲得のためなど、さまざまな理由で短尺動画にチャレンジしたクリエイターも多い。投稿の手軽さも相まって、YouTube市場に参入したクリエイターも多く、業界にとって新しい風となった。

 一方で昨今の長尺動画は、だいにぐるーぷのようなナレーションや音楽、アニメーションを盛り込んだリッチコンテンツを手がけるクリエイターも多く、テレビの大画面でみたくなるようなコンテンツが充実。ショート動画から参入したクリエイターもコンテンツの用途に合わせて様々なフォーマットを活用し始めたようにも思う。フォーマットと視聴デバイスのマルチ化が、近年のYouTube動画の長尺化やテレビ視聴が進んでいる背景に繋がっているといえるだろう。

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