結論から話せよ! 若手社会人が「失敗する料理動画」から学んだ“0秒で結論を提示する方法”

社会人が学んだ“0秒で結論を提示する方法”

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。

 第24回は、年越しと同時に最速の仕事始め(ヒカキンの結婚発表記事の執筆)をキメた動画クリエイター担当の丹治がお送りします。

YouTubeもビジネスも結論の提示は早ければ早い方が良い

「結論から話せよ!」

 社会人のみなさんは一度は注意された経験があるかもしれません。初めて指摘された際はムッとしたけど、実際、結論から話すとわかりやすさが段違い。「性格は良くないけど、あいつ可愛いんだよな……」みたいな気持ちになりましたよね。それはショート動画の世界も同じで、数秒で結論(動画の概要や掴み)を提示できないと、一瞬でスワイプされてしまいます。つまり、結論は早ければ、早いほど良いのです。

 そんな世界で最速の結論を出す料理系YouTuberがいます。それが「バシャウマ」。今回は彼のコンテンツを視聴した際、筆者に現れた効能を紹介します。

「バシャウマです」冒頭の挨拶の言い方で分かる“成功と失敗”

 バシャウマはチャンネル登録者数26万人を誇る料理系YouTuber。(2024年5月1日時点)料理中にトークを展開するフォーマットのショート動画が人気に。トーク×料理というレッドオーシャンでも際立つ理由は、挨拶の時点で料理の“成功と失敗”が分かってしまうためです。

 見分け方はいたって簡単。冒頭の挨拶で「バシャウマです……」と気落ちして挨拶したら、失敗。「バシャウマです……!」と憑き物が落ちたような声色で挨拶したら、成功です。加えて、平和を体現したような「勝ち確BGM」&悲壮感という言葉がピッタリの「負け確BGM」が流れるので、開始0秒で成功と失敗が分かるナイスな設計。これによって情報が整理されて、動画後半の内容も頭に入ってきやすいんです。

バシャウマ自炊日記総集編⑨

 もちろん、動画の中身も一級品。例えのセンスが凄まじく、「フィッシュ&チップス&稲荷」という動画では、味の感想として「フィッシュ&チップスのおしゃれな雰囲気を、パーティーに霊柩車が突っ込んだかの如く、稲荷寿司がぶち壊した」「ドルチェ&ガッバーナ&しまむら」と表現。何を食べたら、そんな例えが思いつくんだろうか、やはり稲荷か?

押し寿司総集編 ~押して押されて夢芝居~

 ただ、「脅されているのでは?」と思ってしまうレベルで、押し寿司の創作料理の動画を連投していた時期があったのはちょっと心配です。一体、誰の脅しなんだろうか? 別班?

俺の“結論”についてこれるかな

 これまで結論から話すことだけを意識してきた社会人生活。一皮むけるためには、結論を言うのでは遅いんです。結論を体現するのだ。「舐められたくない」という印象(結論)を与えたいなら、声色を変えたり、肉体改造をしたりする。「優しく思われたい」なら「どしたん? 話聞こか?」と言う前に、口角を上げた方が手っ取り早いです。

 結論は言う前から提示できる。恐ろしく早い結論を覚えた筆者を「俺でなきゃ見逃しちゃうね」と見破るライバルが現れることに期待したいです。

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