日本からは3チームが参戦 Pacific地域の『LoL』国際大会「PCSプレイオフ」現地レポート
日韓通訳として参加した「PCSプレイオフ」への所感と新たな夢
ところで今回、筆者が急遽メディアインタビュー向けの日韓通訳として「PCSプレイオフ」に参加したことにも触れておきたい。普段はLJLの公式日韓通訳として活動しているため、仕事内容としてはそれほど変わらない。だが、個人的に経験したことや感じたことなどを最後に書き綴ってこのレポートのまとめとさせていただこうと思う。
今回の「PCSプレイオフ」には中英通訳、中日通訳、日英通訳の3名が常駐しており、韓国語でのインタビュー環境は最初から用意されていなかった。詳細はわからないが、放送的に4ヶ国語となると非常にややこしくなるため日中英の3ヶ国語で収める方針になったのだろう。
今後できることなら各言語の放送ごとに個別にインタビューが実施できれば多言語になるのは防げるので、大変だとは思うが韓国人選手にもインタビューの機会が与えられるよう運営側には是非検討していただきたい。
また、筆者は日常会話程度の中国語も話せるので別言語の通訳者らとも交流することができた。彼らとの会話の中で印象的だったのが、「いつか日本でPCSプレイオフをやりたい」という話だった。
LJL側からすると、元々あったPCSの大会形式にLJLが組み込まれたのだからこちらが出向くのが当然という雰囲気があったのだが、もしかするとPCS側は「LJLが仲間になった」というぐらいの認識なのかもしれない。いま思えば、関わったPCSスタッフのみなさんは現地で誕生日を迎えた筆者にプレゼントをくれたり、試合が長引いたときに差し入れをくれたりと、非常に歓迎してくれていた。
世界的なeスポーツタイトルの大規模な国際大会を日本で開催するという夢は、すでにおなじくRIOT GAMESが運営するFPSタイトル『VALORANT』で叶えられている。『LoL』だと、さすがに世界トップレベルの「MSI」や「Worlds」を誘致するのは難しいと思う。だが、「PCSプレイオフ」であればチャンスはあるかもしれない。
今回、SHGが日本のLoLの実力は決して低くないことを証明してくれた。我々ファンにできることは、パブリックビューイングへの参加やSNSでの応援チアボード、ハッシュタグへのSNS投稿などを通じて「日本の盛り上がりを可視化させること」ではないだろうか。もちろん、筆者も通訳や取材を通じて盛り上げに貢献できたらと考えている。「日本でPCSプレイオフを」という目標に向かってLoL関係者とファンが手をとりあって進んでいければ、そんな壮大な夢も実現する日が来るかもしれない。
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