にじさんじ「さんばか」5周年の節目に寄せてーーあらためて深掘りたい、リゼ・アンジュ・戌亥のトリオが愛される理由
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ2年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加しているのだ。
そのなかでも指折りの人気タレントであり、配信活動においてだけでなくプライベートでも仲の良い関係を築いている3人がいる。戌亥とこ、アンジュ・カトリーナ、リゼ・ヘルエスタの3人からなる通称「さんばか」だ。
彼女たちは、にじさんじ統合後となる2019年3月23日にデビューした、いわゆる“同期デビュー”のメンバーだ。それぞれが様々なバックグラウンドを持ちつつ、デビュー当初から良好な関係性を示し続け、その雰囲気で人気を高めあった3人であり、にじさんじ内では月ノ美兎、樋口楓、静凛の3人による「JK組」の足跡をたどるような「女性3人組グループ」としてファンに広く知られている。
3人それぞれの魅力については、以前個別のコラムとしても執筆しているので、ぜひそちらも参照していただきたい。そして今回の連載ではズバリ「さんばか」について記していこうと思う。
本物の"文武両道人望激アツプリンセス"を目指してーーにじさんじ屈指の真面目な頑張り屋、リゼ・ヘルエスタが人を惹き付けるワケ
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている…
「お待たせ、待った?」でお馴染み にじさんじの雑談女王・アンジュ・カトリーナの“衝動”は止まらない
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている…
トーク術と抜群の歌唱力でスターダムを駆け上る、にじさんじ・戌亥とこの安定感
2022年1月22日・23日に開催予定であったライブイベント『にじさんじ 4th Anniversary LIVE 「FANTA…
にじさんじきっての仲良しトリオ・さんばか それぞれの個性が互いを光らせる
「さんばかの3人は仲がいい」
古くからにじさんじを追いかけている者ほど違和感なく、むしろ当然そうであると受け止められるはずだ。
その仲の良さは、本人たちがコントロールできない“数字の面”でも同様だ。2024年3月現在のにじさんじにおいて、YouTubeチャンネル登録者数を上位から並べてみると、なんと3人が仲良く上位に並んでいるのだ。
じつはこの状態は「さんばか」の3人がデビューして間もない時期から続いており、それぞれの登録者数が大きく離れること無く、だいたい同じような上昇ペースで登録者を伸ばしてきたのだ。
「同期同士なのだから同じような活動内容をともにしていたのだろう」などと安易に想像するなかれ。戌亥・アンジュ・リゼはそれぞれに得意分野が微妙に異なる3人であり、だからこそ3人で集まった際には個性がぶつかり合うことなく、純然と輝きあうことができるのだといえよう。
たとえば3人のなかでいえば、戌亥とこはゲーム配信をすることが多くはなく、どちらかといえば自身の歌声を活かした音楽活動がメインとなっている。その実力は疑う余地のないレベルであり、先輩・町田ちまとのユニット・Nornisで見せる歌唱は、にじさんじ屈指の歌姫としてのポジションを確固たるものにしている。
リゼとアンジュは共にゲーム配信を得意としているが、リゼがストーリーに重きを置いたRPGやアクションゲームを得意とする一方、アンジュはよりアクション性が高いFPSゲームまでもプレイできる点が、両者のちょっとした違いにはなるだろう。
反対に3人に共通して言えるのが、そのトーク力である。リゼはしっかり者な性格が高じて公式番組の司会役を任されることも多く、アンジュは主に夜10時から、戌亥は朝6時半ごろから、それぞれ雑談配信を始めることがある。
アンジュ・戌亥の2人はともにリスナーのコメントをうまくフックアップし、会話のなかで面白く料理してしまう話術を持っており、プライベートな話題をアレコレと引っ張ってきて面白トークを生み出すこともできる。冷静に考えてみれば「女性がただただ喋っている」だけの配信であるのに、視聴者はなんと1万人レベルにまで達している。
にじさんじファンのなかではアンジュの雑談力が広く知られているかもしれないが、彼女に負けず劣らずの雑談力を戌亥も発揮しており、両者とも1万人近いリスナーを集めているのは特筆すべき点であろう。
このように3人それぞれの特徴・個性を考えてみると、重なっている部分といない部分がハッキリしており、実際に3人が勢揃いした配信では絶妙なバランスでコミュニケーションがなされていることが伝わってくる。