Daoko × Tomgggと考える“未来のまちの音楽” 「テクノロジーの進化で聴こえなくなる音もある」

Daoko × Tomgggに聞く“未来のまちの音楽”

DaokoとTomgggが考えるAIと音楽、そしてロボットと人間の共生

Daoko
「ナナイロカラフル」MVより(Production: ROM inc. (rominc.jp))

――「Suno AI」や「Stable Audio」など、音楽の生成AIが昨年話題になりましたが、それについてはどう考えておられますか。

Tomggg:「Suno AI」すごいですよね。特に声の感じがすごいなと。あれをサンプリングネタにしてもいいかも。

Daoko:「Suno AI」はSNSのタイムラインに流れてきて、使ってみたんです。ビートはそれっぽくて遊べるなと思ったのですが、歌に関しては少し違和感がありました。日本の会社が情緒やJポップの要素を加味したAIが出てきたら、本当にすごいものになりそう。だから今のところ危機感はないかな。

Tomggg:確かに危機感はない。

Daoko:でも危機感を感じている勢もいますよね。ここ数年で目まぐるしい進化をしている分野なので、未来はわかりませんが「AIの音楽」として発達していくのかなと思います。

Daoko&Tomggg(画像提供:日本科学未来館)
Daoko&Tomggg(画像提供:日本科学未来館)

Tomggg:一方で既にミックスのプラグインでは当然のようにAIが入っていて、ありがたく使わせてもらっています。AIによる音声分離も普通になって敷居が下がりました。

Daoko:ゼロイチの音楽を人間が作って、間の工程をAIにやってもらうのは制作が助かるなと思います。どんな人でも音楽を作れるようになると、新しいジャンルが生まれていくような気がします。あとは著作権フリーBGMなどはAIで置き換わるでしょうね。

Tomggg:作曲は基本的に自分の好きな音になるので、それにつまらなさを感じる瞬間もあるんですよ。そういった時に外部の要素をAIが提案してくれるのが、いい付き合い方だなと思います。

日本科学未来館オリジナルロボット「ケパラン」
日本科学未来館オリジナルロボット「ケパラン」(Production: ROM inc. (rominc.jp))

――海外ではAI音声生成技術でドレイクとThe Weekndの声を模した楽曲がリリースされて物議となりました。Daokoさんは自分の声がAIで学習され、使われるということに関してはいかがですか。

Daoko:私は死ぬ前にはボカロになりたい人間なので、合成音声のライブラリになるのは全然あり。もちろん、勝手ではなくしっかり監修したうえでですが。

Tomggg:いつになっても人間は「声」が好きなんですよ。「初音ミク」の頃から言われているとは思いますが、自分は歌えないけど機械に歌ってもらうことで新しい表現は出てくるはずです。

 とはいえ僕は現状、人間の声の方が好き。AIに歌わせるのはまだいいかなと。自分のなかで閉じたらよくないと思うんです。他人の手が入った方が面白いと考える立場なので。

 でも、作業的な仮歌として助かるかもしれない。

Tomggg(画像提供:日本科学未来館)
Tomggg(画像提供:日本科学未来館)

Daoko:先日、私のバンド・QUBITのデモ音源がAI合成音声の仮歌で送られてきたのですが、すごすぎて「これでいいじゃん!」となりました。(笑)。すこしの嫉妬心もあったのですが、制作者の意図が伝わりやすいですね。「ここはウィスパーめに聴かせたいんだな」と理解できるので、歌い手としても助かりますよ。

Tomggg:「どこを歌い上げるか」など基準がわかりやすい。

Daoko:昨年はボカロの曲ばかり聴いていたのですが、ボカロのよさは性別がないところ。ジェンダーレスだし、キャラクターや見た目、SNSの投稿で印象が固定されないので感情移入しやすい。疲れている人はいいんじゃないかなと。つまり、去年の自分は疲れていたんだと思います(笑)。

Tomggg:今のボカロシーンは面白いですよ。

Daoko:いよわさん、電ǂ鯨さん、マサラダさん、ぺぽよさん、LonePiさんはよく聴きます。音も動画もイラストも全部制作するマルチな方々ばかりですね。

日本科学未来館オリジナルロボット「ケパラン」
「ナナイロカラフル」MVより(Production: ROM inc. (rominc.jp))

――では「ナナイロクエスト」のテーマのひとつであるロボットと人間の共生について、どういった想いを抱いているのでしょう?

Tomggg:自然の大きな多様性のなかにロボットという新しい存在が加わっただけだとも考えられると思います。さらに人工生命的な話になってくると、改めて人間を見つめ直すフェーズがくるのではないでしょうか。「人間ってどうあるべきなんだろう?」みたいな。ロボットが生き物として扱われるのか、道具として扱われるのかについても興味を持っています。その辺に関してはポジティブですね。

Daoko:要望的には携帯や財布をなくしがちなので、全部体の中に組み込みたいです。家庭にロボットを導入するなら「デ・ジ・キャラット」の「でじこ」みたいな見た目のかわいいひとがいいですね。

Daoko&Tomggg(画像提供:日本科学未来館)
Daoko&Tomggg

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