『FF14』ファンフェスDay1レポート “節目”のイベントに吉田P「開発者人生における最高の思い出に」
スクウェア・エニックスが開発・運営するオンラインRPG『FINAL FANTASY XIV(以下、『FF14』)』のイベント『ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in TOKYO』が1月7日~8日の2日間にわたり、文京区・東京ドームにて開催された。
本イベントは、2023年7月より世界各地を巡ったグローバルファンフェスティバルの、トリを飾るオフラインイベント。アメリカ・ラスベガス、イギリス・ロンドンの2会場を経て、最後は日本・東京での凱旋開催となった。
この記事では、イベント1日目にメインステージにて実施された、『FF14』プロデューサー兼ディレクターを務める吉田直樹氏による基調講演と、同氏への囲み取材の模様を合わせてお届けする。
待望の新拡張パッケージ『黄金のレガシー』のPVが巨大スクリーンに映し出された後で、会場バックスクリーン方向から登場した吉田氏。花道を駆け抜けて内野側の特設メインステージへとたどり着くと、ドーム内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
まずは1月1日に発生した令和6年能登半島地震で被災した人々に向けて、お見舞いの言葉を述べた吉田氏。「被災された光の戦士(『FF14』におけるプレイヤーのこと)のみなさんが日常を取り戻したときに『おかえりなさい』と(お迎えするために)楽しい世界をしっかり作り上げること、維持することが、僕らゲーム開発者にとっても、『FF14』にとっても一番やらなければならない仕事。全力でそれに取り組んでいこうと思います」と、決意を語った。
今回の基調講演では、『黄金のレガシー』の発売時期が2024年夏に決定したとの発表を皮切りとし、合わせて追加される新ジョブの情報や、パッチ7.Xにて実施予定のアップデートや新コンテンツの内容がつぎつぎと公開に。
新ジョブ「ピクトマンサー」は「筆」を武器として扱う絵画魔法の使い手。生物、武器、さらには風景などを描き出し、それらを具現化させて戦うユニークなジョブだ。ロールは遠隔魔法DPSとなっているが、吉田氏は「黒魔道士のような攻撃特化ジョブ“ではない”と強調しておきます」と補足した。
新たな舞台となる「トラル大陸」は、三大州から海を隔てて西方に位置する地。ヒョウタンのような形状の大陸であり、南北それぞれの土地で物語は大きく揺れ動くことになるそう。プレイヤータウン「トライヨラ」は“南北のトラル大陸をつなぐ橋の役目を持つ”との説明もあり、全体でひとつの壮大な物語ではあるものの、南北で2部構成とも受け取れるような、開発陣の新たな試みが盛り込まれたストーリーになっているようだ。
光の戦士は、「トラル大陸」出身の新キャラクター・ウクラマトからの依頼を受け、大陸で繰り広げられる王位継承争いに助力することに。そのウクラマトは、1月16日のパッチ6.55アップデートにて公開される、メインクエストPart2より登場することも明らかになった。
なお、これに伴う1月16日のメンテナンスは24時間を要する予定。これはパッチ公開作業に加えて、日本国内の全データセンターの機材を最新のものに交換する作業を同時に実施するためであり、作業完了後はより安定的なサービス提供が可能になるという。
ウクラマトの紹介に際しては、彼女の種族について「体質的にモフモフしているミコッテだと思います」と素知らぬ顔をしていた吉田氏だったが、講演の最終盤に、新たなプレイヤー種族として「ロスガル族(女性)」の追加が発表された。
ちなみにプレイヤー種族の追加時は膨大な作業が発生するため、吉田氏からは「本当に大変なので、プレイヤー種族の追加はこれで最後にしたいと考えておりますが、どうなるかはわかりません。皆さん(の要望)次第です」とも。最後にCyDesignationの吉田明彦氏が手掛けたアートが公開され、講演は締めくくられた。
1日目終了後の囲み取材では、グローバルファンフェステイバルも残すところ東京会場のDay2を残すのみとなった現在の率直な感想について、「こうしてファンフェスをリアルで開催でき、世界中の光の戦士のみなさんと直接お会いできたことがものすごくうれしかった」と目を細めた吉田氏。
一方で、「苦難に満ちたコロナ禍から開催までこぎつけられたのは、献身的にこの状況を打破しようとしてくださった方々のおかげだと思っています」と医療従事者への感謝の言葉も口にし、「“新生”から10周年の節目に、東京ドームというこれだけ大きな会場で開催できたことは、開発者人生における最高の思い出になったと思います」と語った。
また、『黄金のレガシー』の新情報発表に対するユーザーの反応については、「じつは今回、(ユーザーからどんな反応をされるか)僕自身ちょっと不安があった」と意外な告白が。これは、前回の『暁月のフィナーレ』にて壮大なひとつのサーガがクライマックスを迎えたことで、『黄金のレガシー』からは「(カタルシスに至るための)ドミノをまたイチから積み上げていくフェーズになる」ことが大きな理由だったそう。
興奮に次ぐ興奮を求めてエスカレートしていきがちな心理は一旦リセットしたうえで、「『戦うべきものは強さだけじゃない!』といった新たな側面も見せていきたい」と吉田氏。そのうえでユーザーからの不安感を払拭し、期待感を持ってもらえるよう、情報の出しかたや伝えかたには気を使ったとのこと。
気になる『黄金のレガシー』発売日は最終調整中とのことだが、講演の中では吉田氏から「夏と言ったら夏です。スクエニ時間ではなく、『FF14』時間の夏でちゃんと出すようにします」との心強い言葉もあったので、夏の訪れを楽しみに待とう。
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