30時間作業&2時間睡眠……素潜り漁師YouTuberが行った「1ヶ月漁師生活」の過酷さ
2023年12月30日、素潜り漁師マサルが「1ヶ月漁師生活」を終え、18日稼働し18万円の収入という結果になったことを報告した。今回は台風や体調不良を乗り越えて達成した漁師生活の様子から、マサルがみせたエンターテイナーの真髄を紹介したい。
チャンネル登録者数190万人、国内外から人気を集める素潜り漁師マサルは、活動拠点である沖永良部島に水産加工工場をオープンするなど、実業家の一面も持つYouTuberだ(2024年1月4日時点)。建設費用1億円にのぼった工場をオープンさせるため、マサルが借金6000万円以上を抱えたことは、かつて大きな話題となった。
マサルは2022年6月、「バズらなければ会社が倒産する」という事態に陥り、会社再生のために「1ヶ月漁師生活」企画をスタート(公開は同年8月末から)。年末には企画の終了を報告し、その稼ぎが183945円だったことを発表した。途中、台風や過労による体調不良に見舞われながら18日間稼動した結果について、マサルは「まぁ、普通やね」と話すが、魚突きの経験からするとなかなか「渋い」結果だったようだ。
今回の企画時期は、潜り漁師のメイン漁獲である伊勢海老と夜光貝の禁漁期間であったためそこそこの結果になってしまったようだが、1か月間という期間については「長かった」と話した。実はこの企画のなかでは、10キロのダイエットチャレンジが並行して行われており、企画終了時点で見事10キロの減量にも成功したマサル。「腹壊してるのと、体調不調と疲労が重なって、お腹も空いてるしもう最悪でした」と述べ、この期間を「壮絶な30日間」と表現した。「ほんまにギブアップしようかという時が何回かあった」ことも明かしている。
終了報告では、達成感に満ちた爽やかな笑顔を見せていたマサルだが、そもそも過酷すぎる企画を行った経緯はどのようなものだったのか。2023年12月31日に投稿された動画では、そんな当時を振り返りながら、水産加工工場をつくるに至った経緯や今回の企画の経緯に言及している。
大学生時代にチャンネルを開設したマサルは、1年半ほど収益5000円という時代を経て、並々ならぬ努力でようやくYouTubeで食べていけるようになったという、自称“脳筋”だ。活動から2年半ほどが経ち、YouTubeの収益でようやく暮らせるようになったマサルは、沖永良部島に移住した。当時は地元の漁師たちに「死ぬほどお世話になった」ことから、水産加工工場はその恩返しのために始めたものだったそうだ。
マサルが「1ヶ月漁師生活」の撮影をスタートした昨年6月は、工場立ち上げの最後の請求がきていたころで、「これさえ支払えば、初の商品がリリースできる」という段階だった。「気合い入れまくりでいった」という肝入りの企画だったのだが、編集期間中に異変が。「どうあがいても(編集が)終わらん」と思ったマサルは30時間ぶっ通しで作業し、2時間睡眠という生活を続けた結果、てんかん発作でダウン。その後2か月間ほどうつ病にも苦しみ、「水産工場潰さないとダメかもしれない」というところまできていたことを明かしている。
登録者数100万人規模のチャンネルをひとりで運営し、1億円規模の水産加工工場をひとりで立ち上げるという、信じられないことをやってのけたマサル。資金繰りや体調不良といったトラブルを抱えながらも、「1ヶ月漁師生活」をやり切ったのは、やはりマサルが“努力の人”だったからだろう。「1ヶ月漁師生活」は、マサルのエンターテイナーとしてのスピリットが垣間見れた企画といえそうだ。